ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

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第4章 因縁編

VSレオン(後編)

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 ローグは顔を引き攣らせた。流石のローグもレオンの心の全ては分かっていなかったが、ここまでわがままで戦いを望むような男だとは思ってもいなかった。騎士団ではどんな立場にいるのか分からないが、孤立しているんじゃないかとも思った。

(いや、そうでもないか。こいつは人の気持ちの変化を読み取るのが上手いみたいだからな。騎士団でもうまくやってるかもしれん。騎士団が実力主義かどうか知らないが実力は確かだしな)

「さて、おしゃべりはこの辺にして続きを始めようよ」
「ああ、そうだな。さっさと終わらせてやる」

 二人は武器を構えなおして、お互いに改めて相手を見る。ローグは鋭い目で真剣な顔をしているが、レオンは楽しそうな子供の顔をしている。その事実にローグは腹立たしく感じる。戦いを楽しむなど、戦闘狂の思考、犯罪者に陥る要因にしかならない、ローグはそう思っているのだ。前世も今も。

(女の子の顔を平気で焼くようなやつだ。もうすでに犯罪者と同じだけどな)

「【外道魔法・嫉妬】『認識遮断』!」
「えっ!?」

 レオンの目の前でローグが姿を消した……のではなく、レオンがローグを認識できなくなったのだ。姿を認識できなければ、レオンはローグを攻撃できない。ローグは本当に「さっさと終わらせる」つもりになったのだ。だが、レオンもすぐに対策を施す。

「【炎魔法】『火炎広場』!」

ボオオオオオオッ!

 レオンが赤く光った後に爆発した。いや、レオンを中心に炎が四方八方に放たれたのだ。こんなことをすれば、レオンに認識されないローグも何らかの行動に出るしかない。

(くそっ! 考えたな! こうも早く対策できるとは!)

「【外道魔法・怠惰】『堕落の壁』!」

 ローグは波のように押し寄せる炎を『堕落の壁』で防ぐ。だが、そんなことをしたことでレオンに居場所がバレてしまった。放たれた炎の波に不自然な箇所があれば、ローグ自身が認識できなくても特定できる。レオンはこれを狙っていたのだ。

「見つけた! そこだね!」
「ちっ!」
「【炎魔法】『爆裂跳躍』!」

ドゴオッ!

 レオンの足元が爆発した。爆発の勢いで、レオンがローグのほうに吹っ飛んできた。しかも、ちょうどローグのすぐ後ろに着地した。ローグはまだ『堕落の壁』を出し続けている。

(まさか! 爆発の勢いを利用して、一気に距離を詰めたってのか!? ヤバい!)

 ローグの『堕落の壁』は炎を防ぐためだけに出したために、結界型ではなく盾形にしていた。つまり、ローグの後ろはがら空きなのだ。レオンの狙いはそこだった。

「隙あり!」
「くっ!」

 レオンの剣がローグに迫る。ローグは絶体絶命だった。だが、ローグの背中に刃が触れる寸前、ギリギリのところで防がれた。レオンの剣とローグの間に結界が生じたのだ。

「おや、これは?」
「はぁ……はぁ……!」

 ローグは斬られる寸前で、『堕落の壁』を盾形から結界型に切り替えたのだ。しかし、無理矢理かつ急いで切り替えたために、魔力の消費も少なくはなかった。

「ふうん。こんな結界まで作れたんだ。面白いね」
「はぁ……どうも……!」
「でも、結構つらくない? 多様性のある魔法みたいだけど、その分だけ魔力の消費も多いんじゃないかな」
「くぅ……黙れ!」

 レオンの言うことは正しい。ローグの【外道魔法】は多様性に富んでいるが、魔力の消費も多いのだ。それに加え、ローグは昨日の疲れも残っている。思っていたよりも不利な状況になってしまった。

(まさか、こいつがここまで強くなっていたのは誤算だった……どうすれば……)

 ローグはこの状況をどう打開すればいいか結界の中で考える。結界も長くはもたないため、すぐにでも決着をつけなければ負ける。今のレオンはそれだけの実力者なのだ。そんな時だった。ミーラが二人の前に出てきた。

「ローグ! 敵の増援が来るよ!」




 この時のミーラの行動が運命を変えた。後にローグはそう思うことになる。
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