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第5章 外国編
これまでの経緯(ローグ編4)
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確かに事実だった。迷宮に迷い込んだ事件も、そこで魔封書を手に入れたのも、魔法を協力者たちに与えたことも事実だ。ただ、迷宮の事件が復讐の動機だったこと、その迷宮が魔封書も含めて前世の自分が作ったことも、魔封書の中身が最初は空で後で村人たちから奪った魔法を入れたことはうまく伏せてはいるが。
王国の騎士団にいる『奴』を倒すためには帝国の協力が不可欠になる。そのためにはリオルとの関係はなるべく悪い方向に向けるわけにはいかないのだ。
「そんなことが……それだけのことを乗り越えてきたなんて……。ローグ・ナイト、お前は壮絶な過去を経験していたのだな。そして、それらを乗り越えて今に至ると……」
「苦労したけどな」
「兵士でもない村人がどうしてあれほどのの実力を持っているのか疑問に思っていたが、迷宮での戦いで得たものというわけか。それなら納得できるな」
「ついでに迷宮の中で窮地に陥った時に初めて魔法が覚醒したのも生き残れた要因の一つだ。雷みたいな魔法なんだ」
ローグはリオルの目の前で指先から赤紫色の光を灯した。指先からバチバチっという音が弾ける。リオルは興味深そうに見やる。
「……そんな時に魔法の覚醒か。運がよかったんだな」
「こういうのは不幸中の幸いっていうんじゃないか?」
「……それは……」
不幸中の幸いというのは確かなことだ。友達に突き落とされた先が迷宮で、その中で窮地に陥るなど不幸すぎる。リオルは気まずそうになり、顔をそらしてしまった。ここで中断するっわけにはいかないためローグは話を戻す。
「……話に戻るぞ。うまく戦力を整えた俺達は作戦を立てて魔法協会を襲撃した。最初の作戦で魔法協会内部の全ての魔道具や魔術に干渉して内部に混乱を起こし、第二の作戦で正面から戦闘を行って、第三の作戦で隠し通路から乗り込んで追い詰めたんだ」
「ほう。かなり手の込んだ作戦を思いついて実行したんだな。いや、当然か。相手は王国の誇る一大組織なのだからな」
「襲撃中に魔法協会のトップにあたる会長を捕まえて俺の目の前で真実を喋ってもらったんだ。王都全土に喋っているとも知らずにな」
「王都全土に? どういうことだ?」
リオルは訝しむ。たった一人の声をどうやって王都全土に伝えるのかが想像できないのだ。
「実は襲撃する前に、会話を記録して大音量で流すことができる魔道具を作ったんだ。それを王都周辺になるべく人目のつかず高いところに設置していたんだ」
「え? 会話を記録? そんなこともでき……あっ!」
「気付いたか? 魔法協会会長との会話の内容は魔法協会の悪事と王国の実態がメインだ。これが魔道具を通して王都全土に流れる。するとどうなる?」
「…………!」
ここまで聞いていれば魔法の知識について疎いリオルでも分かる。それから王国で何が起こるのか、どうなっていくのかが。
「……王都に住まう人々の隅々まで知り尽くされるだろうな。聞いた内容が人道に反する行為だとすれば……」
「その後は予想通りさ」
「……それがお前が起こした王国の混乱というわけか」
「そういうことだ。正直言って、あそこまでの暴動になるとは思ってもいなかったけどな。っていうか、帝国側は王国の騒動についてどこまで知っているんだ?」
「王国から国家転覆の大罪人であるローグ・ナイトを捕らえるよう求められたことを機に、間者を放って何が起こったか調べさせていたんだが……」
「間者か」
「報告によれば、魔法協会の不祥事が発覚して国民が怒り狂い暴動を起こしたと聞いていた。ただ……」
「ただ?」
リオルは何か迷っているようだが、ローグはそれが『魔法の真実』のことを聞き出そうとしていると分かった。自身の名前まで知っている様子だと、帝国は優秀なスパイを従えている。だとすれば、魔法の真実は隠しても無駄なのだろう。
王国の騎士団にいる『奴』を倒すためには帝国の協力が不可欠になる。そのためにはリオルとの関係はなるべく悪い方向に向けるわけにはいかないのだ。
「そんなことが……それだけのことを乗り越えてきたなんて……。ローグ・ナイト、お前は壮絶な過去を経験していたのだな。そして、それらを乗り越えて今に至ると……」
「苦労したけどな」
「兵士でもない村人がどうしてあれほどのの実力を持っているのか疑問に思っていたが、迷宮での戦いで得たものというわけか。それなら納得できるな」
「ついでに迷宮の中で窮地に陥った時に初めて魔法が覚醒したのも生き残れた要因の一つだ。雷みたいな魔法なんだ」
ローグはリオルの目の前で指先から赤紫色の光を灯した。指先からバチバチっという音が弾ける。リオルは興味深そうに見やる。
「……そんな時に魔法の覚醒か。運がよかったんだな」
「こういうのは不幸中の幸いっていうんじゃないか?」
「……それは……」
不幸中の幸いというのは確かなことだ。友達に突き落とされた先が迷宮で、その中で窮地に陥るなど不幸すぎる。リオルは気まずそうになり、顔をそらしてしまった。ここで中断するっわけにはいかないためローグは話を戻す。
「……話に戻るぞ。うまく戦力を整えた俺達は作戦を立てて魔法協会を襲撃した。最初の作戦で魔法協会内部の全ての魔道具や魔術に干渉して内部に混乱を起こし、第二の作戦で正面から戦闘を行って、第三の作戦で隠し通路から乗り込んで追い詰めたんだ」
「ほう。かなり手の込んだ作戦を思いついて実行したんだな。いや、当然か。相手は王国の誇る一大組織なのだからな」
「襲撃中に魔法協会のトップにあたる会長を捕まえて俺の目の前で真実を喋ってもらったんだ。王都全土に喋っているとも知らずにな」
「王都全土に? どういうことだ?」
リオルは訝しむ。たった一人の声をどうやって王都全土に伝えるのかが想像できないのだ。
「実は襲撃する前に、会話を記録して大音量で流すことができる魔道具を作ったんだ。それを王都周辺になるべく人目のつかず高いところに設置していたんだ」
「え? 会話を記録? そんなこともでき……あっ!」
「気付いたか? 魔法協会会長との会話の内容は魔法協会の悪事と王国の実態がメインだ。これが魔道具を通して王都全土に流れる。するとどうなる?」
「…………!」
ここまで聞いていれば魔法の知識について疎いリオルでも分かる。それから王国で何が起こるのか、どうなっていくのかが。
「……王都に住まう人々の隅々まで知り尽くされるだろうな。聞いた内容が人道に反する行為だとすれば……」
「その後は予想通りさ」
「……それがお前が起こした王国の混乱というわけか」
「そういうことだ。正直言って、あそこまでの暴動になるとは思ってもいなかったけどな。っていうか、帝国側は王国の騒動についてどこまで知っているんだ?」
「王国から国家転覆の大罪人であるローグ・ナイトを捕らえるよう求められたことを機に、間者を放って何が起こったか調べさせていたんだが……」
「間者か」
「報告によれば、魔法協会の不祥事が発覚して国民が怒り狂い暴動を起こしたと聞いていた。ただ……」
「ただ?」
リオルは何か迷っているようだが、ローグはそれが『魔法の真実』のことを聞き出そうとしていると分かった。自身の名前まで知っている様子だと、帝国は優秀なスパイを従えている。だとすれば、魔法の真実は隠しても無駄なのだろう。
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