224 / 252
第6章 一週間編
六日目2
しおりを挟む
「おはよう、ローグ」
「ああ、おはよう。リオさん」
「……おはようございます」
帝城の食堂で3人は合流した。3人というのは、ローグ・ミーラ・リオルのことだ。朝の挨拶の時に、リオルはミーラの顔色が悪いことに気付いた。
「ミーラの顔色が悪いようだが具合でも悪いのか?」
「い、いえ、そんなことは……」
「昨日見たアレが原因だ。夜、眠れなかったんだろ?」
「! ………」
「そうか、何かすまん……」
3人は席に座る。目の前に豪華の料理が並ぶが、リオルとミーラは食欲がない感じだった。二人ともそれぞれ全く別の理由で食欲が落ちていたのだ。ミーラは昨日の恐怖体験、リオルは夜中の会議内容、というのがローグの考察だ。
(俺が会議に出れないのは当たり前だが、内容は知りたいものだ。リオルはそれを伝えるためにも顔を見せてくれたんだろうか? それにしても……)
リオルが食事に誘う暇などないはずだ。仮にも皇女だ。やるべき仕事があるはずだ。特に今の状況ならなおさらだ。
(時間を作って食事に誘うか。余程、複雑で伝えにくい内容なんだろうな。昨日とは別の食堂に連れてきて、3人しかいない状況にするぐらいだからな)
帝城の食堂は3種類ある。皇族用の食堂、客人用の食堂、兵士用の食堂だ。今、ローグ達がいるのは皇族用の食堂だ。これまでは客人用の食堂で食事していたのに、今日に限ってこの待遇だ。
(怪しさ満載だな。一般の兵士に聞かれたくないか、俺達を試すためか。どちらにせよ、彼女の望む答えを提示したほうがいいな。それも、俺のほうから――)
ローグはリオルが言うことをある程度予測していた。だからこそ、彼女が求めてくるであろうローグの本心と方針を先に聞かせて、会議の内容をしゃべりやすくしようと決めた。
「ローグ、ミーラ、食事しながらでもいいから聞いてほしい。実は――」
「王国と戦うぞ」
「……え?」
「へ?」
「近々、王国と戦争をするんだろ。喜んで協力するさ」
「「っ!?」」
リオルの言葉を遮って、ローグは望まれる答えを先に答えた。リオルの目的が、二人を帝国に味方させることだと推測したうえで答えたのだ。帝国側のはずのウルクスが王国と繋がっていた。多大な情報が流出したのは間違いない。更には、アゼルが事件を起こしているのだ。これに乗じて王国が責めてくる可能性は高い。その備えが必要になるはずだ。
例えば、王国から帝国に亡命してきたものの協力を得るとか。
「ああ、おはよう。リオさん」
「……おはようございます」
帝城の食堂で3人は合流した。3人というのは、ローグ・ミーラ・リオルのことだ。朝の挨拶の時に、リオルはミーラの顔色が悪いことに気付いた。
「ミーラの顔色が悪いようだが具合でも悪いのか?」
「い、いえ、そんなことは……」
「昨日見たアレが原因だ。夜、眠れなかったんだろ?」
「! ………」
「そうか、何かすまん……」
3人は席に座る。目の前に豪華の料理が並ぶが、リオルとミーラは食欲がない感じだった。二人ともそれぞれ全く別の理由で食欲が落ちていたのだ。ミーラは昨日の恐怖体験、リオルは夜中の会議内容、というのがローグの考察だ。
(俺が会議に出れないのは当たり前だが、内容は知りたいものだ。リオルはそれを伝えるためにも顔を見せてくれたんだろうか? それにしても……)
リオルが食事に誘う暇などないはずだ。仮にも皇女だ。やるべき仕事があるはずだ。特に今の状況ならなおさらだ。
(時間を作って食事に誘うか。余程、複雑で伝えにくい内容なんだろうな。昨日とは別の食堂に連れてきて、3人しかいない状況にするぐらいだからな)
帝城の食堂は3種類ある。皇族用の食堂、客人用の食堂、兵士用の食堂だ。今、ローグ達がいるのは皇族用の食堂だ。これまでは客人用の食堂で食事していたのに、今日に限ってこの待遇だ。
(怪しさ満載だな。一般の兵士に聞かれたくないか、俺達を試すためか。どちらにせよ、彼女の望む答えを提示したほうがいいな。それも、俺のほうから――)
ローグはリオルが言うことをある程度予測していた。だからこそ、彼女が求めてくるであろうローグの本心と方針を先に聞かせて、会議の内容をしゃべりやすくしようと決めた。
「ローグ、ミーラ、食事しながらでもいいから聞いてほしい。実は――」
「王国と戦うぞ」
「……え?」
「へ?」
「近々、王国と戦争をするんだろ。喜んで協力するさ」
「「っ!?」」
リオルの言葉を遮って、ローグは望まれる答えを先に答えた。リオルの目的が、二人を帝国に味方させることだと推測したうえで答えたのだ。帝国側のはずのウルクスが王国と繋がっていた。多大な情報が流出したのは間違いない。更には、アゼルが事件を起こしているのだ。これに乗じて王国が責めてくる可能性は高い。その備えが必要になるはずだ。
例えば、王国から帝国に亡命してきたものの協力を得るとか。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
エレンディア王国記
火燈スズ
ファンタジー
不慮の事故で命を落とした小学校教師・大河は、
「選ばれた魂」として、奇妙な小部屋で目を覚ます。
導かれるように辿り着いたのは、
魔法と貴族が支配する、どこか現実とは異なる世界。
王家の十八男として生まれ、誰からも期待されず辺境送り――
だが、彼は諦めない。かつての教え子たちに向けて語った言葉を胸に。
「なんとかなるさ。生きてればな」
手にしたのは、心を視る目と、なかなか花開かぬ“器”。
教師として、王子として、そして何者かとして。
これは、“教える者”が世界を変えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる