ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

文字の大きさ
225 / 252
第6章 一週間編

六日目3

しおりを挟む
「き、急に何を言いだすんだ!? 私は、ただ……」

 リオルはローグの言い出した言葉に驚き困惑する。だが、ローグは続けて語りだす。

「ただ、何だ? 協力してほしいという意図くらいわかるさ。昨日の動く死体の襲撃事件で捕まえた男から事情聴取して、クロズクのリーダーと王国が繋がっていた。そこまで聞いてしまったら、王国側に帝国の機密情報が漏れていた可能性があることくらい俺なら分かる。昨日の緊急会議はその対策だろ? その翌日に俺達に皇族用の食堂に誘うという待遇のグレートアップする。何か頼みごとがあるってことは分かる。それは俺達から王国の情報を得ることと戦力になってほしいということだ。違うか?」
「…………」

 ローグの語ったことは事実だ。リオルはローグに、「戦争するから協力してほしい」と頼むことになっていた。正確には、『ローグを戦争に協力させる』ということだった。

 会議で、王国との戦争で確実に勝利するためには、魔法に対抗できる大きな手段が必要だという話になった。その役目を担うはずだったのがクロズクだったのだが、その組織は今回の件で裏切った末に壊滅してしまった。捕らえたリーダー格のウルクスは処刑は確定しているため、もはや使い物にならない。

 そこで目をつけられたのが、王国で魔法協会を潰して大問題を起こし、追われる身となって帝国に逃げ込んだ末に、帝国の内乱を終わらせた二人の魔法使いの存在だ。会議にいる貴族の眼からすれば、その二人は帝国に亡命するつもりでいるし、第一皇女とも信頼関係を築いているというから都合がいい存在だった。態度に少し問題があるが、かかわりが深いリオルが対処すればいいと考えられた。

 もちろん、ローグ・ナイトとミーラ・リラだ。

(協力させるためには手段を選ぶなだと? 亡命を許してやるだの爵位をエサにするだのと、どいつもこいつも何を言っているんだ? 一応、部外者で借りのある相手なんだぞ! そんな態度で出ていいはずがない! だから私が柄でもないのに仲介役を買って出たんだ!)

 仲介役にサーラも買って出たが、この件だけはリオルが引かなかった。こういうことは気乗りがしないリオルだったが、論点の二人と深いかかわりのあるのはリオルであり、彼女が話すほうが筋が通ると思ったのだ。ただ、二人に祖国と戦えということになるるのがどこか気が引けた。だから言いづらくもあった。

(……それなのに、見透かされていたなんてな)

 ローグに見透かされたことに大きなショックを受けたリオルだった。否定できないし、ここで会話を中断するわけにもいかない。それならば事実を全て言ってしまうだけだ。

「その通りだ。会議でお前たちの協力が必要不可欠ということになった。本当は私のほうからお前たちに頼み込むはずだったんだが……いいのか?」

========================

 これで二時間おきの更新は終わりです。明日から不定期更新に戻ります。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜

駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。 しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった─── そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。 前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける! 完結まで毎日投稿!

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。 音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、 幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。 魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。 そして再び出会う幼馴染。 彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。 もういい。 密かにやってた支援も打ち切る。 俺以外にも魔道具職人はいるさ。 落ちぶれて行く追放したパーティ。 俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

エレンディア王国記

火燈スズ
ファンタジー
不慮の事故で命を落とした小学校教師・大河は、 「選ばれた魂」として、奇妙な小部屋で目を覚ます。 導かれるように辿り着いたのは、 魔法と貴族が支配する、どこか現実とは異なる世界。 王家の十八男として生まれ、誰からも期待されず辺境送り―― だが、彼は諦めない。かつての教え子たちに向けて語った言葉を胸に。 「なんとかなるさ。生きてればな」 手にしたのは、心を視る目と、なかなか花開かぬ“器”。 教師として、王子として、そして何者かとして。 これは、“教える者”が世界を変えていく物語。

処理中です...