ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

文字の大きさ
226 / 252
第6章 一週間編

六日目4

しおりを挟む
 リオルは複雑そうな顔でローグに問いかける。すると、ローグは不思議そうな顔で答える。

「いいのか、だと? いいさ。確かに王国は俺達の故郷だけど恨みのほうが強い。思いっきり敵対した後なんだから覚悟してる。そもそも、最初から協力していく約束だったはずだ。もう忘れてしまったのか?」
「い、いや。そういうわけでは……」
「わ、私も大丈夫です!」
「そ、そうか……。分かった。お前たちの覚悟を受け取ろう」

 リオルは一度大きく息を吸って吐くと、気を引き締め直して真剣な顔になった。

「ローグ、ミーラ。これまで私達に力を貸してくれて本当にありがとう。だが、情けない話だが私達は近いうちに戦争を起こしてお前たちの力と知恵を更に借りることになってしまうだろう。お礼は必ずする。望むものは可能な限り用意すると約束しよう」
「俺が望むのは王国にいる幼馴染に復讐することだ。王国と戦える時点で報酬はもらったようなものだ」
「わ、私はローグの傍に居られれば何もいりません!」
「…………分かった」

 ローグとミーラの言葉に若干引くリオルだったが、とりあえず協力していく約束ができたので苦笑した。ここで話題を変えてこれからの方針を話題にした。

「明日、父上がこれまでの事件の真実を包み隠さず国民に発表すると決めた」
「! おいおい、全部話すつもりか?」

 ローグの目が鋭くなる。いくら何でも全てを話すのはマズいはずだ。アゼルの本当の処遇といい、クロズクと王国の繋がりといい、民が知ったら不安を起こす要因ばかりではないか。

「……いや、表向きは包み隠さず、と言ったほうが正しいか。兄上の状況とクロズクのことは――まあ、兄上は処分が処分だし、クロズクは秘密組織だ。その辺は省くさ」
「そうか、なら安心だ。馬鹿正直に話す皇帝は流石にドン引きするからな」
「私個人としては、兄上のことは……いや、仕方ないか」
「え? え? どういうことですか?」

 ローグは安心するがミーラは話についていけなかったらしい。オロオロしてもローグとリオルは苦笑するだけだった。二人はするべき話はできたとばかりにナイフとフォークを手に取る。

「大事な話はもう終わりだ。まずは、昨日の疲れを取ることを優先しよう。さあ、食事を再開しようじゃないか」

 リオルが笑顔でミーラに笑いかけたので、ミーラは二人に倣って食べ始めた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

【完結】奪われたものを取り戻せ!〜転生王子の奪還〜

伽羅
ファンタジー
 事故で死んだはずの僕は、気がついたら異世界に転生していた。  しかも王子だって!?  けれど5歳になる頃、宰相の謀反にあい、両親は殺され、僕自身も傷を負い、命からがら逃げ出した。  助けてくれた騎士団長達と共に生き延びて奪還の機会をうかがうが…。  以前、投稿していた作品を加筆修正しています。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

処理中です...