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最終章
皇帝の宣言
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―王国の混乱からから半年後―
帝国の帝都にて、元気になった皇帝キング・ヒルディアが多くの国民に向けて重大な宣言を発した。
「国民の皆、よく聞いてほしい。我が帝国は王国と戦争をすることになった」
国民たちは一斉にざわめいた。無理もない。過去に行われた争いの歴史から、それが何を意味しているのか誰もが理解していることだったのだ。動揺しないはずがない。数か月前に第一皇子が処罰されたとばかりだというのに、今度は戦争とは……。
「この場に集った皆がどう思うかは理解している。だが、この戦争は王国側から仕掛けてきたのだ。帝国としては応じないわけにはいかん。和平も申し出たがもはや不可能だ」
王国から仕掛けてきたから迎撃するのだという。それを聞いて多くの国民が俯いた。理解したのだ。戦うしかないと。そんな絶望的な気持ちを抱く国民たちに向けて皇帝は語った。
「皆の多くが不安と絶望を抱いていることは分かる。正直、余も今の時期に戦争など勘弁してほしいと思っておる。数か月前に実の息子を処罰したばかりなのだからな」
それは『元』第一皇子アゼルのことだ。実の息子を大罪人として裁いた皇帝の胸中を思うと、多くの民が胸が痛む思いだった。
「だが!」
しかし、皇帝はそんな弱みを国民には見せない。いや、見せるわけにはいかなかった。国を背負う者として弱気な態度を見せられないのだ。それが自国民ならなおさらだ。ましてや敵国に対してもだ。
「我々は長年、かの国の魔法という強大な力に対抗できるように対策組織を築いて研究し続けてきた。その過程で多くの犠牲を伴ってしまったが、その研究成果を活用できるところまでいける時が来たのだ!」
「「「「「っ!!??」」」」」
聞いていた国民の何人かが顔を上げた。ほとんどの国民が魔法に対する対策組織の話など聞いたこともなかったのだ。今だに不安に思う者は半信半疑か希望を持てない者が大多数といったところだ。
「対策組織と対抗手段に関して詳しくは言えぬが、我らはこれから起こる戦争でその研究成果を駆使して有利な戦いに持ち込むつもりでいる。もう以前のような敗北したり自然災害で引き分けたりするようなことは今度こそ回避してやるという気心でいるのだ!」
熱く意気込む皇帝を見て半数以上の国民が顔を上げた。彼らの眼には今まで見たことがないほど戦争に前向きに挑もうとする皇帝の姿があったのだ。
「国民の皆よ。争いを望めとは言わないが、どうか此度の戦争に我が国の勝利を願ってほしい。我らは今度こそ王国の暴挙をくい止めてやるのだ! そして勝利し、これまでの屈辱を晴らしてやろうぞ!」
皇帝は人生で一番の宣言を行った。
「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!」」」」」
皇帝の熱意に打たれ、ほとんどの国民が歓声を上げた。幾度か戦争が起こったことがあったが、今までこのような前向きな宣言などなかったのだ。それだけに多くの国民が感動したのだ。
ただ、全ての国民とは言わなかった。目を凝らさなければならないが、数人ほど顔を背ける者がいる。そういう者は今でも希望が持てないのだ。戦場を経験しているか、歴史を深く知り過ぎているせいか、あるいはこの宣言に想うところがあるか。
もしくはこの少年のように普段から熱くならないかだ。
「……俺も全力を尽くさせてもらいますよ。キング皇帝陛下」
この黒髪黒目の少年こそ、帝国の勝利の礎となるであろうローグ・ナイト。かつて王国に反逆して帝国に恩を売って亡命を果たした復讐者だ。
帝国の帝都にて、元気になった皇帝キング・ヒルディアが多くの国民に向けて重大な宣言を発した。
「国民の皆、よく聞いてほしい。我が帝国は王国と戦争をすることになった」
国民たちは一斉にざわめいた。無理もない。過去に行われた争いの歴史から、それが何を意味しているのか誰もが理解していることだったのだ。動揺しないはずがない。数か月前に第一皇子が処罰されたとばかりだというのに、今度は戦争とは……。
「この場に集った皆がどう思うかは理解している。だが、この戦争は王国側から仕掛けてきたのだ。帝国としては応じないわけにはいかん。和平も申し出たがもはや不可能だ」
王国から仕掛けてきたから迎撃するのだという。それを聞いて多くの国民が俯いた。理解したのだ。戦うしかないと。そんな絶望的な気持ちを抱く国民たちに向けて皇帝は語った。
「皆の多くが不安と絶望を抱いていることは分かる。正直、余も今の時期に戦争など勘弁してほしいと思っておる。数か月前に実の息子を処罰したばかりなのだからな」
それは『元』第一皇子アゼルのことだ。実の息子を大罪人として裁いた皇帝の胸中を思うと、多くの民が胸が痛む思いだった。
「だが!」
しかし、皇帝はそんな弱みを国民には見せない。いや、見せるわけにはいかなかった。国を背負う者として弱気な態度を見せられないのだ。それが自国民ならなおさらだ。ましてや敵国に対してもだ。
「我々は長年、かの国の魔法という強大な力に対抗できるように対策組織を築いて研究し続けてきた。その過程で多くの犠牲を伴ってしまったが、その研究成果を活用できるところまでいける時が来たのだ!」
「「「「「っ!!??」」」」」
聞いていた国民の何人かが顔を上げた。ほとんどの国民が魔法に対する対策組織の話など聞いたこともなかったのだ。今だに不安に思う者は半信半疑か希望を持てない者が大多数といったところだ。
「対策組織と対抗手段に関して詳しくは言えぬが、我らはこれから起こる戦争でその研究成果を駆使して有利な戦いに持ち込むつもりでいる。もう以前のような敗北したり自然災害で引き分けたりするようなことは今度こそ回避してやるという気心でいるのだ!」
熱く意気込む皇帝を見て半数以上の国民が顔を上げた。彼らの眼には今まで見たことがないほど戦争に前向きに挑もうとする皇帝の姿があったのだ。
「国民の皆よ。争いを望めとは言わないが、どうか此度の戦争に我が国の勝利を願ってほしい。我らは今度こそ王国の暴挙をくい止めてやるのだ! そして勝利し、これまでの屈辱を晴らしてやろうぞ!」
皇帝は人生で一番の宣言を行った。
「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!」」」」」
皇帝の熱意に打たれ、ほとんどの国民が歓声を上げた。幾度か戦争が起こったことがあったが、今までこのような前向きな宣言などなかったのだ。それだけに多くの国民が感動したのだ。
ただ、全ての国民とは言わなかった。目を凝らさなければならないが、数人ほど顔を背ける者がいる。そういう者は今でも希望が持てないのだ。戦場を経験しているか、歴史を深く知り過ぎているせいか、あるいはこの宣言に想うところがあるか。
もしくはこの少年のように普段から熱くならないかだ。
「……俺も全力を尽くさせてもらいますよ。キング皇帝陛下」
この黒髪黒目の少年こそ、帝国の勝利の礎となるであろうローグ・ナイト。かつて王国に反逆して帝国に恩を売って亡命を果たした復讐者だ。
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