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最終章
巨大魔法陣
しおりを挟む「……さてやるか」
回復しきったローグは魔道具に触れる。すると、魔道具が淡い光を放ち始める。
「大丈夫なのかローグ? もう少し休んでからでもいいのではないか?」
傷だらけだったローグを見たばかりだったので心配するリオルだが、ローグは手を止めない。止めるつもりもない。
「いや、このまま続けるさ。せっかく、ここまで来たんだ。やってやろうじゃないか」
そう言うとローグは更に魔道具に集中する。己の魔力と魔道具の魔力をうまくつなげているのだ。
(故郷でやった時は俺自身の魔力をかなり使ってしまったからな。それを反省材料落として魔道具自身に膨大なな
魔力を持たせたんだ。これが随分手間だったが王国全体を対象とするならば仕方がない。魔力感知を妨害する工作までしてあるからこの世界でこれ以上の代物はないだろうな)
ローグは作戦をうまく遂行するために魔力を節約する方法を考えていた。その過程で魔道具や魔法剣そのものに相当量な魔力を持たせるという方法を考えて実行した。そのおかげでレオンとの戦いに勝利することができたと言ってもいいと本人は思っている。そして、これから行う大規模魔術に関しては、ほとんど魔道具の魔力だけで事足りた。ローグ自身が必要なのは起動させることだけだった。
ウイィィィィィィィィィン!
魔道具の光が強まる。そして、光の柱が浮かび他の魔道具と繋がるように光の線が放たれた。
「ローグ……!」
「ああ、上手くいくぞ!」
まるで王国を取り囲むように光の線が全ての魔道具と繋がった。更に光の線から光の粒子が放たれた。光の粒子は王国の真上で終結して巨大な魔方陣を形成していく。
「お、おお……あれが、そうなのか……?」
巨大な魔法陣は離れた場所にいるリオルたちにも見て分かった。それは当然だろう。規模の大きさが王国の面積に匹敵しているのだから。
「ああ、そうさ。これこそが王国に打ち勝つための切り札さ。王国から切り札を奪うための切り札だ!」
切り札、それは今起ころうとしている大規模魔術のこと。それはかつてローグの故郷の人々からあるものを奪った魔術と全く同じ。いや、それ以上の規模だ。そして、奪うものも同じ。
「何と言う光景だ……不謹慎だが、美しいともいえる……ローグ……これで……」
リオルは少し声が震える。それは巨大魔法陣が上空に描かれた光景に圧倒されたわけではない。これからのことを思ってのことだった。帝国が王国に勝てるかもしれないという可能性に。
「ああ、帝国の勝利を導き出せるということだ。王国、あいつらの大事な『力』を全て奪う形でな!」
その瞬間、巨大魔法陣は金色の光を放ち、王国全体を包んだ。
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