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第1章 誕生編
第16話 ケセド川攻略戦1・ドリアード戦
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俺の鎧兵九十六体は、巨獣加工屋クローザに別れを告げてケセド川へと出発した。大樹の立ち並ぶ森を抜けて、あっという間に涸れた川の支流に着いた。
調査部隊のお陰でほぼ地形を把握していたため行きは余裕。だと思ったのに。
「ギ、ギギギ……!」
途中、木の巨獣ドリアードに発見されてしまった。木に擬態して眠っていたようで、気付かずに行軍の音で起こしてしまった。運もないし、焦り過ぎたな。
ドリアードは、大樹をそのまま引っこ抜いて目と口を付けたような見た目をしている。葉が髪、足が根っこ、腕が枝だ。こちらを視認していて完全に殺る気満々だ。
「キキキキキ!」
敵は魔女の嘲笑のような叫び声を上げて口を高速で開け閉めしている。パチンコのパカパカするとこみてぇ。
流石の騎士団No.99ポテトさんもアソコに突っ込めばギザギザなポテトになっちまうだろうなぁ。いや、ポテトサラダか。何言ってんだ俺。
数減らしたくないし何体かを囮にして逃げるべきだよな。でも、十体か二十体はやられそうだ。バラけて操作も難しいし、下手すると別の巨獣に見つかるかも知れないなぁ。
……いや、まだそれほど神樹から離れた訳じゃないし倒すのも有りか。倒した後、補充に戻ればいい。それにこの辺に住み着いているとしたらまた会敵する可能性が高いし、放っておくと後々面倒になりそうだ。
よっしゃ倒すぜ! 聖騎士団の恐ろしさ、とくと見せてやる! と決心した瞬間、鞭のような指で攻撃された。
「ブヒィ! やられたトン!」
「最後に焼肉、焼きたかったぜベイベー……」
「カレーはかれぇ!」
食べ物小隊の何体かが乱切りにされた。食べ物で遊んではいけません! くそがっ! てか相変わらず弱いなぁ。
しかし、一体だけは弾き飛ばされただけで無事だった。その鎧兵が転がった先、目の前に白くて長い物体を見つけた。
「いいものはっけーん!」
これを使えば勝てるかも。それを担ぎ上げたのは、ドリル使いでクリーム色鎧のポテトさんだった。さすがポテトさん、ホントいいとこいるなぁ。
「第一、第二中隊は左へ! ポテトは右からこっそり!」
いくつかの中隊が左から攻撃を放って意識を逸らす。その間にポテトさんがマサカリを担いだ金太郎みたいに白い棒を肩に乗せて走る。そして敵の意識が左側へ偏り始めた瞬間。
よし、そこだ! 白い棒を敵の口に向けてぶん投げた。
「ギ!?」
驚くドリアード。さっき拾ったのは“巨獣の骨”だ。それを敵の口に立てて突っ張り棒にした。硬そうだったのでイケると思ったがビンゴだ。
「ギギ、ギギ」
ドリアードは、骨を必死に噛み砕こうとするも上手くいかない。ポップコーンの硬いとこ当たったら噛み砕きたくなるよな。そういう心理で吐き出さず、必死に噛み噛みしている。かわいい。
しかーし、かわいかろうが容赦はしない! 掴めチャンスタイム! ポテトさんが閉じなくなった口から体内に飛び込む。勢いよく中に入り、坂を転がるジャガイモのごとくコロコロして受身を取った。
中は暗く肌寒い。あ、肌ないから分からなかったわ。
とにかくモンスターの情報が載っているニートン巨獣記によれば、頭に核があるらしいので上へ向かって穴を開けることにした。
「穿て! 回天聖槍!」
なんとこのポテトさんの専用装備ドリルスピアは穂先が歯医者のドリルみたいに回転するのだ。子供がその音を聞いたら泣いちゃうだろう。さらに手元のスイッチを押せば穂先が飛んでいく優れもの! 今なら19800円! 安い! 知らないけど!
「くたばりな」
カッケーセリフを吐きながら、壁面に足を引っ掛け上へ上へと掘削していく。そして敵の核を難なく貫いて破壊。
「ギィィィィィ!」
ドリアードは断末魔の叫びを上げた後、倒木するかのごとくその場にヘタレ込んで力尽きた。そして中からポテトさんが現れ、槍を天に掲げる。
「俺の……勝ちだ」
「うおおお!」
「ポテト! ポテト!」
「ポテト! ポテト!」
CV.全部俺。ボリュームは小さめ。新手が怖いから。にしてもホントいいとこ取りの天才だな。
(や)っぱ、ポテトさんよ。
調査部隊のお陰でほぼ地形を把握していたため行きは余裕。だと思ったのに。
「ギ、ギギギ……!」
途中、木の巨獣ドリアードに発見されてしまった。木に擬態して眠っていたようで、気付かずに行軍の音で起こしてしまった。運もないし、焦り過ぎたな。
ドリアードは、大樹をそのまま引っこ抜いて目と口を付けたような見た目をしている。葉が髪、足が根っこ、腕が枝だ。こちらを視認していて完全に殺る気満々だ。
「キキキキキ!」
敵は魔女の嘲笑のような叫び声を上げて口を高速で開け閉めしている。パチンコのパカパカするとこみてぇ。
流石の騎士団No.99ポテトさんもアソコに突っ込めばギザギザなポテトになっちまうだろうなぁ。いや、ポテトサラダか。何言ってんだ俺。
数減らしたくないし何体かを囮にして逃げるべきだよな。でも、十体か二十体はやられそうだ。バラけて操作も難しいし、下手すると別の巨獣に見つかるかも知れないなぁ。
……いや、まだそれほど神樹から離れた訳じゃないし倒すのも有りか。倒した後、補充に戻ればいい。それにこの辺に住み着いているとしたらまた会敵する可能性が高いし、放っておくと後々面倒になりそうだ。
よっしゃ倒すぜ! 聖騎士団の恐ろしさ、とくと見せてやる! と決心した瞬間、鞭のような指で攻撃された。
「ブヒィ! やられたトン!」
「最後に焼肉、焼きたかったぜベイベー……」
「カレーはかれぇ!」
食べ物小隊の何体かが乱切りにされた。食べ物で遊んではいけません! くそがっ! てか相変わらず弱いなぁ。
しかし、一体だけは弾き飛ばされただけで無事だった。その鎧兵が転がった先、目の前に白くて長い物体を見つけた。
「いいものはっけーん!」
これを使えば勝てるかも。それを担ぎ上げたのは、ドリル使いでクリーム色鎧のポテトさんだった。さすがポテトさん、ホントいいとこいるなぁ。
「第一、第二中隊は左へ! ポテトは右からこっそり!」
いくつかの中隊が左から攻撃を放って意識を逸らす。その間にポテトさんがマサカリを担いだ金太郎みたいに白い棒を肩に乗せて走る。そして敵の意識が左側へ偏り始めた瞬間。
よし、そこだ! 白い棒を敵の口に向けてぶん投げた。
「ギ!?」
驚くドリアード。さっき拾ったのは“巨獣の骨”だ。それを敵の口に立てて突っ張り棒にした。硬そうだったのでイケると思ったがビンゴだ。
「ギギ、ギギ」
ドリアードは、骨を必死に噛み砕こうとするも上手くいかない。ポップコーンの硬いとこ当たったら噛み砕きたくなるよな。そういう心理で吐き出さず、必死に噛み噛みしている。かわいい。
しかーし、かわいかろうが容赦はしない! 掴めチャンスタイム! ポテトさんが閉じなくなった口から体内に飛び込む。勢いよく中に入り、坂を転がるジャガイモのごとくコロコロして受身を取った。
中は暗く肌寒い。あ、肌ないから分からなかったわ。
とにかくモンスターの情報が載っているニートン巨獣記によれば、頭に核があるらしいので上へ向かって穴を開けることにした。
「穿て! 回天聖槍!」
なんとこのポテトさんの専用装備ドリルスピアは穂先が歯医者のドリルみたいに回転するのだ。子供がその音を聞いたら泣いちゃうだろう。さらに手元のスイッチを押せば穂先が飛んでいく優れもの! 今なら19800円! 安い! 知らないけど!
「くたばりな」
カッケーセリフを吐きながら、壁面に足を引っ掛け上へ上へと掘削していく。そして敵の核を難なく貫いて破壊。
「ギィィィィィ!」
ドリアードは断末魔の叫びを上げた後、倒木するかのごとくその場にヘタレ込んで力尽きた。そして中からポテトさんが現れ、槍を天に掲げる。
「俺の……勝ちだ」
「うおおお!」
「ポテト! ポテト!」
「ポテト! ポテト!」
CV.全部俺。ボリュームは小さめ。新手が怖いから。にしてもホントいいとこ取りの天才だな。
(や)っぱ、ポテトさんよ。
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