時計塔には秘密が眠っている~Rewrite

無名小女

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NO.8

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それからというもの、俺はメリーの元へ通い続けて水属性・光属性の魔法を特訓した。彼女は水属性魔法は苦手なようだが光属性魔法は得意らしく、いつも懇切丁寧に手ほどきしてくれた。

ある時、メリーはこんな質問を投げかけてきた。


「ねえ、リックは悪魔の子に復讐したら何がしたいの?」


――最初に断りを入れておくが、これから話すのは俺の将来についてである。



最初は些細な一言かと思った。単純な興味。それだったら俺はやんわりと答えをはぐらかしたかった。将来の夢については前々から考えていた夢があるけれど、それでも。

静まり返った部屋のシャンデリアの光が俺を突き刺す。それはまるで、夢を語った後の痛みを予告しているかのようだ。

夢を言ったら笑われそうな気がするから言いたくない、それが本音だ。

俺はメリーの方をチラリと見ようとして、しかし彼女を見た時点で動きが止まった。彼女は無表情だった……紫色の瞳にだけは明確な意思を灯して。

メリーは俺の夢を笑わないで聞いてくれるだろうか。メリーなら受け止めてくれるだろうか。

念押ししようかとも考えた。でも今までの彼女を思い起こすと、笑われることはない気がした。今の瞳がその証左のようだった。

俺は一度だけ深呼吸をしてから話し始めた。

「もうこれ以上俺の村みたいな被害が出ないように、悪魔を退治する存在――エクソシストになりたい」

言い切ってから間髪入れずに続ける。

「契約しなくても悪魔に取り憑かれて魂を喰われてしまう人もいるって聞いた。そういう人を無くしたいんだ」

俺はゆっくりと真剣に言葉を噛み締めて言った。空気が氷のように固まった気がした。その中でメリーの口が開いていくのがよく見える。

「素敵な夢を持ってるのね、リック」

彼女の口から紡がれたのは笑いではなかった。

「エクソシストになりたいだなんて思ってるなんて思わなかった。真剣なのね。応援するわ。その夢」

メリーは俺の夢を真面目なものだと認めてくれたのだ。

……俺は両親を亡くしてからというものの、親戚の家に預けられたがそこでは気を使ってうまく笑えなかった。家の人に迷惑かけたくない、という気持ちが胸に溜まって夢もろくに語れなかった。エクソシストになるのは簡単ではないからだ。

友達にも話したら笑われる気がした。

だけど、メリーは違った。
なぜか話せたんだ。

時計塔に暮らす謎の少女メリー。
それは前は気が付きたくなかった感情。
でも今は俺の一部となった感情。
メリーは俺にとって癒やしでもあり、大切な人になっていた。
『好き』……そんな気持ちも日に日に優しくつもっていく。

俺はずっと彼女と一緒に過ごしたいと考えるようになっていた。
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