225 / 271
第0部「RINNE -友だち削除-」&第0.5部「RINNE 2 "TENSEI" -いじめロールプレイ-」
第8話 2013年10月9日、水曜日 ③
しおりを挟む
放課後ぼくは、宇宙考古学研究部を訪ねていた。
考古学だけなら高校生には少し早いと思うけれど、部があってもおかしくない。
けれどその前に「宇宙」の二文字がつくだけで、途端にうさんくさくなるのはなぜだろう。どちらも、一言で言えばすごい言葉だ。けれどそのふたつがあわさるとダメになる。日本語はおもしろい。
一応文化部になるらしく、部室棟の二階、文化部のためにあてがわれている階の奥に宇宙考古学研究部の部室はあった。
活動日は特に決まっていないらしく、ぼくが体育祭の前日にしでかしたことになっている一件のおかげで部員は相当いるらしいけれど、人が大勢集まる日もあれば、誰も来ない日もあるそうだ。あやがそう教えてくれた。
あやは制服の胸元の校章の隣に、逆十字の右側にギリシャ文字のβに似た羽根をつけたエンブレムをつけていた。
それはどうやらぼくがデザインしたものらしく、宇宙考古学研究部の部員の証だという。
「君も部員なの?」
ぼくが驚いてそう訊ねると、
「今日の秋月くん、ちょっと変だね。まるで記憶喪失にでもなったみたい」
と言った。
「ぼくも浦島太郎にでもなった気分だよ」
と、本音を漏らした。あやはきょとんとした顔をしていた。いけないいけない。ぼくは、もう不登校のひきこもりじゃないのだ。クラスの人気者で、体育祭をめちゃくちゃにするような大胆不敵な奴なのだ。昨日の今日でまだ慣れないけれど、早く新しい自分に慣れなきゃいけない。
「あ、なんでもない、こっちの話」
ぼくは笑ってお茶を濁した。
ぼくがその宇宙考古学研究部に所属しているのは、たぶんアリスの差金だ。ぼくとSとあやの関係を学園ドラマを参考にしたように、これも何かドラマや映画を参考にしたに違いない。
「その……なんであやは宇宙考古学研究部に入ったんだっけ?」
ぼくは訊ねた。大人しそうな彼女からは体育会系のにおいはしない。だから文芸部とか武術部とか、吹奏楽部とか、文化系の部活が彼女にあっている気がした。けれど文化系でも宇宙考古学はないなと思う。
「それは……その……」
あやが困った顔をした。ぼくは、ぼくがいたから、とでも言ってほしかったのかもしれない。
けれどあやが紡いだ言葉はぼくの気持ちとはまったく関係ないものだった。
ぼくとあやは中学からの同級生だったけれど、出会ったのは、初めて会話をしたのは高校の入学式のあと、それぞれ別に、けれど偶然に、宇宙考古学研究部の部室に見学に訪れたときらしい。
八十三町はN市のベッドタウンとして10年ほど前から急激に栄えてきた。けれど、まだそれは駅周辺の桜小学校区だけのことで、この少子化が騒がれている時代に桜小学校は児童の受け入れがとうとうキャパオーバーになって、今年新しく日の出という小学校が出来た。けれど、ぼくが住む大藤小学校区や、駅からさらに離れた栄南小学校区はまだまだ発展しているとは言えず、昔ながらの田んぼや畑、それから名産である金魚や鯉を養殖する池などが民家の数よりも圧倒的に多かった。
あやの家はその栄南小学校区で、広い牧場を持っており、牛を放牧して育てているそうだ。
あやが中学二年生のときに、ある事件が起きたという。
「もしかして、キャトルミューティレーションとか?」
ぼくが冗談まじりにそう言うと、
「そういうことはちゃんと覚えているんだね」
と、あやは真面目な顔で言った。
まじか、とぼくは思った。
前の晩に元気に牧草を食べていた牛が、次の日の朝、一滴の血も流さず、しかし全身の血を抜かれた死体で見つかったそうだ。
「わたし、いろんな本を読んで、勉強したの。たくさん本を読むうちに、宇宙考古学の権威の佐野教授に出会って、佐野教授っていうのは、N市の隣の古戦場跡町にある文久大学っていうところの、法学部で法律を教えてる人なんだけど、宇宙考古学の分野でも右に出る者がいないくらいすごい人なの。わたし、佐野教授にすごく会いたくて。でもここは日本だから、中学生がいきなり大学生になったりできないじゃない? だから、佐野教授の母校だったこの高校に進学したの」
そして彼女は、入学式の帰りに、その佐野教授が初代部長を務めたという宇宙考古学研究部に見学に訪れて、ぼくと出会ったらしい。
なぜぼくもその部室を訪れたかと言えば、ぼくは町内で起きる様々なオカルト事件を解決する少年探偵みたいなことを中学生のときにしていたそうで、オカルトに関する知識をより深めようと考えていたからだそうだ。あやの家の牧場のそのキャトルミューティレーション事件にもぼくは探偵として関わっていたらしい。
「なんだそれ」
思わず口をついてツッコミが言葉に出ていた。
またも驚くあやに、ぼくは、ごめん、と謝って、話の続きを聞いた。
あやとぼくが期待に胸を膨らませて部室にやってきたはいいが、部室には誰もいなかったという。
しかたなく、顧問の教師を探して職員室で話を聞くと、唯一の部員だった生徒が卒業してしまって、廃部寸前という状況だったそうだ。本当は部員が五人集まらないと廃部になる決まりがあるのだけれど、あやが尊敬するその大学教授がこの学校の卒業生で一番の出世頭だったこともあって、例外的に部員ふたりで部の存続が決まった。
そこに、少年探偵な上に運動神経抜群らしいぼくに体育の授業で目をつけたSがサッカー部との兼任で三人目の部員になり、そしてその今や伝説にまでなっている体育祭前日の事件に行き着くのだそうだ。
大体わかった。アリスがとんでもない設定をしてくれたことがよくわかった。
これから部室にちょっと顔を出してみるとぼくが言うと、
「ひとりで行ける? わたしもいっしょに行こうか?」
とあやは言ってくれたけれど、ぼくは「大丈夫」と笑った。本当は不安だったけれど、あまりあやに心配はかけたくなかった。
教室を出て、廊下にひとりになったぼくは、うしろにいるアリスに言った。
「お前、父さんの本棚からマンガ人ミステリー調査団を読んだだろ」
「ぎくり」
アリスは擬音を声に出して言った。
ぼくはため息をつくしかなかった。父さん、そういうの好きだったみたいだもんなぁ。あと少年犯罪とか猟奇殺人が大好物で、特に冤罪説が好きなのだ。父さんの部屋の本棚にはいわゆるトンデモ本ばかりが並んでいる。
「あのなぁ、1999年も2000年も、2012年も何も起こらなかっただろ。あんなのいちいち信じてたら生きていけないぞ」
「でも、地球は今すごくあぶないんです!」
「はいはい」
ぼくはそれから宇宙考古学研究部の部室につくまで、延々とアリスから地球の危機について説明を受けるはめになったので、何度携帯電話(アリス)を捨てようと思ったかわからない。
宇宙考古学研究部のドアは閉まっていた。
中に人がいる気配はなく、音楽室の方からブラスバンドの演奏が聞こえ、運動場からは運動部たちの掛け声が聞こえていたけれど、部室棟自体はとても静かだった。
「もし鍵がかかってたら、すぐそばの消火器の下に鍵が置いてあるから」
あやがそう言っていたのを思い出して、ぼくは消火器を持ち上げて、鍵を拾うと、ドアの鍵を開けて中に入った。
ぼくの部屋と同じ6畳くらいの部室は、左右の壁に天井まで届く大きな本棚があって、さまざまな本が並んでいた。さまざまと言っても、地球外生命体や幽霊、フリーメーソンなどといったオカルトめいた本ばかりだったけれど。まるで図書室かと見間違えるほど、父さんの書斎がちっぽけに感じるような部屋だった。
本棚が大きすぎて、部室は随分狭く感じた。
長机がふたつ並んでいて、6人分のパイプ椅子が左右にみっつずつならんでいた。
誰かがひとつの席に座ろうものなら、そのうしろを通るのが難しくなってしまうくらい、部室は狭かった。
ぼくは一番手前の椅子を引いて座った。さっきまで誰かがそこに座っていたかのように、椅子は生暖かく、甘いにおいがした。
机の上には本が置かれていた。
いつか家族旅行で泊まったホテルの客室にあった聖書のように分厚い本だった。
表紙には「真約聖書・偽史倭人伝」と書かれていた。新約ではなく「真約」、魏志ではなく「偽史」。一目でろくな本じゃないとわかった。こんなあからさまなタイトルのトンデモ本も珍しい。
逆十字にβの羽根がついた宇宙考古学研究部のエンブレムが描かれていた。ぼくがデザインしたとあやは言っていたけれど、どうやらこの本が元ネタ、というよりこの本からぼくがトレースしたようだ。
本にはしおりがはさまれていた。七色の花弁の見たこともない押し花のしおりだった。
そのページをぼくは何気なく開いてみることにした。
「2000年前、ゴルゴダの丘で処刑されたイエスは、3日後に息を吹き返し、その後数人の使者を連れてこの島国に渡った、とされている。
日本人のユダヤ人始祖説である。
イエスはこの島国でキリスト教にかわる新たな教えを使者たちに説いたとされる。それが千のコスモの会である。
イエスは西洋でキリスト教を説いた。
しかし、イエスは処刑され、その教えも後の世の時の権力者たちによって都合のいいように改ざんされていった。
キリスト教はもともと男尊女卑の教えだったが、女性信者を増やすために後になってマリア様を聖母に祭り上げたってように。
そのため、この島国に渡ったイエスは、自らの教えを自分の使者の一族のみに伝えることにした。
そして傀儡の宗教として神道を作り、傀儡の王として天皇を祭り上げた。
アダムとイブ、イザナギとイザナミをはじめとして、遠い異国の宗教であるはずのふたつの宗教に共通点が多く見られるのはこのためである。
使者の一族は以来2000年に渡ってこの国の歴史を影で操ってきた」
思ったとおり、ろくな本じゃなさそうだった。
ぼくは本を閉じようかと思ったが、最後に書かれていた一文が気になってページをめくった。
「宇宙考古学、別名古代宇宙飛行士説という学問がある」
そこにはそう書かれていたから。
考古学だけなら高校生には少し早いと思うけれど、部があってもおかしくない。
けれどその前に「宇宙」の二文字がつくだけで、途端にうさんくさくなるのはなぜだろう。どちらも、一言で言えばすごい言葉だ。けれどそのふたつがあわさるとダメになる。日本語はおもしろい。
一応文化部になるらしく、部室棟の二階、文化部のためにあてがわれている階の奥に宇宙考古学研究部の部室はあった。
活動日は特に決まっていないらしく、ぼくが体育祭の前日にしでかしたことになっている一件のおかげで部員は相当いるらしいけれど、人が大勢集まる日もあれば、誰も来ない日もあるそうだ。あやがそう教えてくれた。
あやは制服の胸元の校章の隣に、逆十字の右側にギリシャ文字のβに似た羽根をつけたエンブレムをつけていた。
それはどうやらぼくがデザインしたものらしく、宇宙考古学研究部の部員の証だという。
「君も部員なの?」
ぼくが驚いてそう訊ねると、
「今日の秋月くん、ちょっと変だね。まるで記憶喪失にでもなったみたい」
と言った。
「ぼくも浦島太郎にでもなった気分だよ」
と、本音を漏らした。あやはきょとんとした顔をしていた。いけないいけない。ぼくは、もう不登校のひきこもりじゃないのだ。クラスの人気者で、体育祭をめちゃくちゃにするような大胆不敵な奴なのだ。昨日の今日でまだ慣れないけれど、早く新しい自分に慣れなきゃいけない。
「あ、なんでもない、こっちの話」
ぼくは笑ってお茶を濁した。
ぼくがその宇宙考古学研究部に所属しているのは、たぶんアリスの差金だ。ぼくとSとあやの関係を学園ドラマを参考にしたように、これも何かドラマや映画を参考にしたに違いない。
「その……なんであやは宇宙考古学研究部に入ったんだっけ?」
ぼくは訊ねた。大人しそうな彼女からは体育会系のにおいはしない。だから文芸部とか武術部とか、吹奏楽部とか、文化系の部活が彼女にあっている気がした。けれど文化系でも宇宙考古学はないなと思う。
「それは……その……」
あやが困った顔をした。ぼくは、ぼくがいたから、とでも言ってほしかったのかもしれない。
けれどあやが紡いだ言葉はぼくの気持ちとはまったく関係ないものだった。
ぼくとあやは中学からの同級生だったけれど、出会ったのは、初めて会話をしたのは高校の入学式のあと、それぞれ別に、けれど偶然に、宇宙考古学研究部の部室に見学に訪れたときらしい。
八十三町はN市のベッドタウンとして10年ほど前から急激に栄えてきた。けれど、まだそれは駅周辺の桜小学校区だけのことで、この少子化が騒がれている時代に桜小学校は児童の受け入れがとうとうキャパオーバーになって、今年新しく日の出という小学校が出来た。けれど、ぼくが住む大藤小学校区や、駅からさらに離れた栄南小学校区はまだまだ発展しているとは言えず、昔ながらの田んぼや畑、それから名産である金魚や鯉を養殖する池などが民家の数よりも圧倒的に多かった。
あやの家はその栄南小学校区で、広い牧場を持っており、牛を放牧して育てているそうだ。
あやが中学二年生のときに、ある事件が起きたという。
「もしかして、キャトルミューティレーションとか?」
ぼくが冗談まじりにそう言うと、
「そういうことはちゃんと覚えているんだね」
と、あやは真面目な顔で言った。
まじか、とぼくは思った。
前の晩に元気に牧草を食べていた牛が、次の日の朝、一滴の血も流さず、しかし全身の血を抜かれた死体で見つかったそうだ。
「わたし、いろんな本を読んで、勉強したの。たくさん本を読むうちに、宇宙考古学の権威の佐野教授に出会って、佐野教授っていうのは、N市の隣の古戦場跡町にある文久大学っていうところの、法学部で法律を教えてる人なんだけど、宇宙考古学の分野でも右に出る者がいないくらいすごい人なの。わたし、佐野教授にすごく会いたくて。でもここは日本だから、中学生がいきなり大学生になったりできないじゃない? だから、佐野教授の母校だったこの高校に進学したの」
そして彼女は、入学式の帰りに、その佐野教授が初代部長を務めたという宇宙考古学研究部に見学に訪れて、ぼくと出会ったらしい。
なぜぼくもその部室を訪れたかと言えば、ぼくは町内で起きる様々なオカルト事件を解決する少年探偵みたいなことを中学生のときにしていたそうで、オカルトに関する知識をより深めようと考えていたからだそうだ。あやの家の牧場のそのキャトルミューティレーション事件にもぼくは探偵として関わっていたらしい。
「なんだそれ」
思わず口をついてツッコミが言葉に出ていた。
またも驚くあやに、ぼくは、ごめん、と謝って、話の続きを聞いた。
あやとぼくが期待に胸を膨らませて部室にやってきたはいいが、部室には誰もいなかったという。
しかたなく、顧問の教師を探して職員室で話を聞くと、唯一の部員だった生徒が卒業してしまって、廃部寸前という状況だったそうだ。本当は部員が五人集まらないと廃部になる決まりがあるのだけれど、あやが尊敬するその大学教授がこの学校の卒業生で一番の出世頭だったこともあって、例外的に部員ふたりで部の存続が決まった。
そこに、少年探偵な上に運動神経抜群らしいぼくに体育の授業で目をつけたSがサッカー部との兼任で三人目の部員になり、そしてその今や伝説にまでなっている体育祭前日の事件に行き着くのだそうだ。
大体わかった。アリスがとんでもない設定をしてくれたことがよくわかった。
これから部室にちょっと顔を出してみるとぼくが言うと、
「ひとりで行ける? わたしもいっしょに行こうか?」
とあやは言ってくれたけれど、ぼくは「大丈夫」と笑った。本当は不安だったけれど、あまりあやに心配はかけたくなかった。
教室を出て、廊下にひとりになったぼくは、うしろにいるアリスに言った。
「お前、父さんの本棚からマンガ人ミステリー調査団を読んだだろ」
「ぎくり」
アリスは擬音を声に出して言った。
ぼくはため息をつくしかなかった。父さん、そういうの好きだったみたいだもんなぁ。あと少年犯罪とか猟奇殺人が大好物で、特に冤罪説が好きなのだ。父さんの部屋の本棚にはいわゆるトンデモ本ばかりが並んでいる。
「あのなぁ、1999年も2000年も、2012年も何も起こらなかっただろ。あんなのいちいち信じてたら生きていけないぞ」
「でも、地球は今すごくあぶないんです!」
「はいはい」
ぼくはそれから宇宙考古学研究部の部室につくまで、延々とアリスから地球の危機について説明を受けるはめになったので、何度携帯電話(アリス)を捨てようと思ったかわからない。
宇宙考古学研究部のドアは閉まっていた。
中に人がいる気配はなく、音楽室の方からブラスバンドの演奏が聞こえ、運動場からは運動部たちの掛け声が聞こえていたけれど、部室棟自体はとても静かだった。
「もし鍵がかかってたら、すぐそばの消火器の下に鍵が置いてあるから」
あやがそう言っていたのを思い出して、ぼくは消火器を持ち上げて、鍵を拾うと、ドアの鍵を開けて中に入った。
ぼくの部屋と同じ6畳くらいの部室は、左右の壁に天井まで届く大きな本棚があって、さまざまな本が並んでいた。さまざまと言っても、地球外生命体や幽霊、フリーメーソンなどといったオカルトめいた本ばかりだったけれど。まるで図書室かと見間違えるほど、父さんの書斎がちっぽけに感じるような部屋だった。
本棚が大きすぎて、部室は随分狭く感じた。
長机がふたつ並んでいて、6人分のパイプ椅子が左右にみっつずつならんでいた。
誰かがひとつの席に座ろうものなら、そのうしろを通るのが難しくなってしまうくらい、部室は狭かった。
ぼくは一番手前の椅子を引いて座った。さっきまで誰かがそこに座っていたかのように、椅子は生暖かく、甘いにおいがした。
机の上には本が置かれていた。
いつか家族旅行で泊まったホテルの客室にあった聖書のように分厚い本だった。
表紙には「真約聖書・偽史倭人伝」と書かれていた。新約ではなく「真約」、魏志ではなく「偽史」。一目でろくな本じゃないとわかった。こんなあからさまなタイトルのトンデモ本も珍しい。
逆十字にβの羽根がついた宇宙考古学研究部のエンブレムが描かれていた。ぼくがデザインしたとあやは言っていたけれど、どうやらこの本が元ネタ、というよりこの本からぼくがトレースしたようだ。
本にはしおりがはさまれていた。七色の花弁の見たこともない押し花のしおりだった。
そのページをぼくは何気なく開いてみることにした。
「2000年前、ゴルゴダの丘で処刑されたイエスは、3日後に息を吹き返し、その後数人の使者を連れてこの島国に渡った、とされている。
日本人のユダヤ人始祖説である。
イエスはこの島国でキリスト教にかわる新たな教えを使者たちに説いたとされる。それが千のコスモの会である。
イエスは西洋でキリスト教を説いた。
しかし、イエスは処刑され、その教えも後の世の時の権力者たちによって都合のいいように改ざんされていった。
キリスト教はもともと男尊女卑の教えだったが、女性信者を増やすために後になってマリア様を聖母に祭り上げたってように。
そのため、この島国に渡ったイエスは、自らの教えを自分の使者の一族のみに伝えることにした。
そして傀儡の宗教として神道を作り、傀儡の王として天皇を祭り上げた。
アダムとイブ、イザナギとイザナミをはじめとして、遠い異国の宗教であるはずのふたつの宗教に共通点が多く見られるのはこのためである。
使者の一族は以来2000年に渡ってこの国の歴史を影で操ってきた」
思ったとおり、ろくな本じゃなさそうだった。
ぼくは本を閉じようかと思ったが、最後に書かれていた一文が気になってページをめくった。
「宇宙考古学、別名古代宇宙飛行士説という学問がある」
そこにはそう書かれていたから。
0
あなたにおすすめの小説
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる