264 / 271
第0部「RINNE -友だち削除-」&第0.5部「RINNE 2 "TENSEI" -いじめロールプレイ-」
第26話 DRR+ 草詰リリス ①
しおりを挟む
「秋月くん、榊くん、市川さん、お疲れ様でした」
先生はぼくたちにねぎらいの言葉をかけた。
「ところで、一体どなたが、いじめの首謀者だったんですか? 先生すごく気になるのですが」
先生は本当に最初から最後までこのゲームを楽しんでいるようだった。
「それより先生が内藤に何を言ったか聞かせてもらえないか?」
ぼくは言った。
内藤は先生に何かを耳打ちされた後、絶望に顔を歪ませて死を選んだ。
「ぼくの予想が正しければ、先生はいじめの首謀者の正体を内藤に教えたんじゃないか?」
いじめの首謀者が誰かを知って、内藤は自分が今まで何人ものクラスメイトを殺してきたことがまったく意味のないことだと知った。だから彼女は良心の呵責から自殺した。ぼくはそう考えていた。
「私はお三方のうちの誰がいじめの首謀者か知りません。教えられるわけがないでしょう」
「ぼくたちは三人ともいじめの首謀者なんかじゃない。いじめの首謀者はこいつだろ」
ぼくは携帯電話を先生に思い切り投げつけた。
先生はそれを片手で受け取ると、
「君が言っている意味が私にはよくわからないのですが」
と言った。
「そいつの中にいる女の子がいじめの首謀者だ」
え、と祐葵と鮎香がぼくを見た。ほう、と先生が感心したような声を上げた。
「すっごーい。よくわかりましたね! さすが秋月蓮治様。名推理ですね」
携帯電話から女の子の声がした。
祐葵と鮎香が驚いていたが、ぼくは驚かなかった。
「推理なんて大したものじゃないよ」
ぼくは携帯電話に映る、待ち受け画像の女の子に言った。
「ただの消去法だよ。ぼくはいじめの首謀者じゃない。祐葵も鮎香も違う」
そう、いじめの首謀者は最初から決まっていた。
ゲームの主催者は棗先生やちづる先生を電子ドラッグ漬けにして利用したくらいだから。いじめの首謀者がこのゲームの本当の主催者だ。
祐葵や鮎香がそんなことをするはずがない。
当然、電子ドラッグ漬けにされた先生たちもふたりとも首謀者じゃない。棗先生は狂言回しの役割を与えられたにすぎない。
内藤美嘉がいじめられる者といじめの首謀者両方を演じていた可能性もなかったわけじゃないけれど、彼女が受けた仕打ちやさっき自殺したことから考えても彼女は首謀者じゃない。
ぼくはそう言い、
「この教室に残っているのは、あとはお前だけなんだよ」
携帯電話の女の子にそう告げた。
「なるほど。けれど、携帯電話の待ち受け画像だったわたしがいじめの首謀者だなんて普通思いませんよ」
だろうな、とぼくは思う。自分でもどうしてそんな考えに至ったのか、正直よくわかっていなかった。
「夢を見たんだ。毎日のように。やけにリアルな夢でさ。夢の中でぼくはひきこもりの不登校で、友達がひとりもいないかわいそうな奴なんだよ。夢の中では姉ちゃんには年上の彼氏がいて、その彼氏がぼくに携帯電話をくれるんだ。その携帯電話は次世代の、といっても十年、二十年先の携帯電話の試作品で、スマートフォンのことをアンドロイド携帯って呼ぶこともあるだろ? そいつには実際に使用者にしか見えないホログラムタイプのアンドロイドが搭載されているんだ。高度な人工知能を与えられたそのアンドロイドは、使用者に携帯電話の使い方をレクチャーするコンシェルジュの役割が与えられていて、ぼくはそいつといっしょに過ごす、そんな夢」
名前は何ていったかな、喉まで出かかってるんだけど、思い出せない。
「草詰アリス」
携帯電話の中の女の子が言った。そうだ、そんな名前だ。
「ずっとただの夢だと思ってた。でも加藤麻衣の最期の言葉を聞いて、ぼくは思った。意味はよくわからなかったけれど、あれは夢じゃなく、この世界とは違う世界がどこかにあって、ぼくはその世界のぼくのことを見てるのかもしれないって」
「当たらずも遠からずってところでしょうか」
携帯電話の中の女の子が言う。
「お前こそ、さすが秋月蓮治様って言うくらいだから、ぼくのことを知らないわけじゃないだろう?」
「わたしはかつてあなたのコンシェルジュを務めた草詰アリスや、神田透様、氷山昇様、真鶴雅人様、大和省吾様、加藤麻衣様、宮沢理佳様、山汐凛様、そしてそこにいらっしゃる棗弘幸様たちのコンシェルジュを務めた四八台のDRRシリーズの姉妹機にあたります。姉妹といっても妹の方です」
「さらに次世代の存在ってわけか」
「そういうことです。といっても、草詰アリスがiphone5なら、わたしはiphone5cかsといった程度の存在ですけど」
「少しだけヴァージョンアップされただけってことか」
「DRRシリーズの計画は二千年前から行われていたこの国の最大、最重要プロジェクトです。五十年から百年に一度のペースで、わたしたちは何十代にもわたって作られてきました。その時代に最も見合った形、この時代なら携帯電話、太古の時代なら勾玉といったように、わたしたちはその時代の人間が持っていても不自然ではない形に作られてきました」
「目的は何だ?」
「DRRシリーズは世界をあるべき形に再構築するために作られました。草詰アリスたちの元になったのは、古代宇宙飛行士であったイエス・キリストがこの島国に遺していった肉体です。イエスの使者の一族はイエスの肉体を四八の部位に分け、それをもとに四八台の草詰アリスたち、DRRシリーズが作られました」
「世界のあるべき形?」
「戦争や紛争のない世界。飢餓に苦しむ人々のいない世界。人が人を殺すことのない世界。誰も傷つくことなく、世界中の人々が隣人を思いやり愛する世界。あるいは、この国が世界の王となる世界。解釈はひとそれぞれです。草詰アリスたちには意志はなく、その意志決定権は適格者に委ねられていました。そのため、その世界では四八台のDRRシリーズの所持者、適格者と呼ばれる者たちにより、世界の再構築合戦ともいうべき戦いが起こり、秋月蓮治樣がその戦いに勝利し、世界を再創世する神の権限があたえられました」
別の携帯電話から声がする。祐葵の携帯電話からだった。
「このゲームは、秋月蓮治樣がわたし、DRR+を持つにふさわしい人間かどうかを再テストするために行われました。今回この学校の全校生徒全教職員にお配りした携帯電話は、DRRzero。イエスの部位からではなく、無から、DRR+と研究所のデータベースより作られた大量量産型」
今度は鮎香の携帯電話から。
「この世界は本来あるべき世界から無数に分岐した世界のひとつ。本来あるべき世界の秋月蓮治樣は、四八台のDRRシリーズすべてを手にし、その世界の神として、もう誰も二度と再構築する必要のない世界を再創世しました」
「ぼくが神に?」
「あなたではありません。あなたはこの世界における秋月蓮治様にすぎません。神になられた秋月蓮治樣のコケラのようなものです」
「しかし、わたしたち、いえ、わたしたちを作った研究所の人間たちには大きな誤算がありました。秋月蓮治樣は世界の再創世の後、四八台のDRRシリーズをすべて破棄してしまわれたのです。秋月蓮治樣が治める世界にわたしたちは必要ないと」
「なんつーか、すごいねぼくって」
「何度も言いますが、あなたではありません」
「わかってるよ、もう。冗談の通じないやつだな」
「そこで研究所は、新たに一台のDRRシリーズを作りました。イエスには隠された四九番目の部位が存在したのです。イエスが遺していった体は両性具有でした。その隠された部位、女性器を元にDRR+は作られました。それがわたし、草詰リリスです」
草詰リリスと名乗った女の子は、ぼくたちの持つ携帯電話の画面から一斉に、よいしょと言って、手を足を顔を出した。そしてそれらはぼくの目の前に集まり、もう待ち受け画像ではない、人間の形をした姿で現れた。
先生はぼくたちにねぎらいの言葉をかけた。
「ところで、一体どなたが、いじめの首謀者だったんですか? 先生すごく気になるのですが」
先生は本当に最初から最後までこのゲームを楽しんでいるようだった。
「それより先生が内藤に何を言ったか聞かせてもらえないか?」
ぼくは言った。
内藤は先生に何かを耳打ちされた後、絶望に顔を歪ませて死を選んだ。
「ぼくの予想が正しければ、先生はいじめの首謀者の正体を内藤に教えたんじゃないか?」
いじめの首謀者が誰かを知って、内藤は自分が今まで何人ものクラスメイトを殺してきたことがまったく意味のないことだと知った。だから彼女は良心の呵責から自殺した。ぼくはそう考えていた。
「私はお三方のうちの誰がいじめの首謀者か知りません。教えられるわけがないでしょう」
「ぼくたちは三人ともいじめの首謀者なんかじゃない。いじめの首謀者はこいつだろ」
ぼくは携帯電話を先生に思い切り投げつけた。
先生はそれを片手で受け取ると、
「君が言っている意味が私にはよくわからないのですが」
と言った。
「そいつの中にいる女の子がいじめの首謀者だ」
え、と祐葵と鮎香がぼくを見た。ほう、と先生が感心したような声を上げた。
「すっごーい。よくわかりましたね! さすが秋月蓮治様。名推理ですね」
携帯電話から女の子の声がした。
祐葵と鮎香が驚いていたが、ぼくは驚かなかった。
「推理なんて大したものじゃないよ」
ぼくは携帯電話に映る、待ち受け画像の女の子に言った。
「ただの消去法だよ。ぼくはいじめの首謀者じゃない。祐葵も鮎香も違う」
そう、いじめの首謀者は最初から決まっていた。
ゲームの主催者は棗先生やちづる先生を電子ドラッグ漬けにして利用したくらいだから。いじめの首謀者がこのゲームの本当の主催者だ。
祐葵や鮎香がそんなことをするはずがない。
当然、電子ドラッグ漬けにされた先生たちもふたりとも首謀者じゃない。棗先生は狂言回しの役割を与えられたにすぎない。
内藤美嘉がいじめられる者といじめの首謀者両方を演じていた可能性もなかったわけじゃないけれど、彼女が受けた仕打ちやさっき自殺したことから考えても彼女は首謀者じゃない。
ぼくはそう言い、
「この教室に残っているのは、あとはお前だけなんだよ」
携帯電話の女の子にそう告げた。
「なるほど。けれど、携帯電話の待ち受け画像だったわたしがいじめの首謀者だなんて普通思いませんよ」
だろうな、とぼくは思う。自分でもどうしてそんな考えに至ったのか、正直よくわかっていなかった。
「夢を見たんだ。毎日のように。やけにリアルな夢でさ。夢の中でぼくはひきこもりの不登校で、友達がひとりもいないかわいそうな奴なんだよ。夢の中では姉ちゃんには年上の彼氏がいて、その彼氏がぼくに携帯電話をくれるんだ。その携帯電話は次世代の、といっても十年、二十年先の携帯電話の試作品で、スマートフォンのことをアンドロイド携帯って呼ぶこともあるだろ? そいつには実際に使用者にしか見えないホログラムタイプのアンドロイドが搭載されているんだ。高度な人工知能を与えられたそのアンドロイドは、使用者に携帯電話の使い方をレクチャーするコンシェルジュの役割が与えられていて、ぼくはそいつといっしょに過ごす、そんな夢」
名前は何ていったかな、喉まで出かかってるんだけど、思い出せない。
「草詰アリス」
携帯電話の中の女の子が言った。そうだ、そんな名前だ。
「ずっとただの夢だと思ってた。でも加藤麻衣の最期の言葉を聞いて、ぼくは思った。意味はよくわからなかったけれど、あれは夢じゃなく、この世界とは違う世界がどこかにあって、ぼくはその世界のぼくのことを見てるのかもしれないって」
「当たらずも遠からずってところでしょうか」
携帯電話の中の女の子が言う。
「お前こそ、さすが秋月蓮治様って言うくらいだから、ぼくのことを知らないわけじゃないだろう?」
「わたしはかつてあなたのコンシェルジュを務めた草詰アリスや、神田透様、氷山昇様、真鶴雅人様、大和省吾様、加藤麻衣様、宮沢理佳様、山汐凛様、そしてそこにいらっしゃる棗弘幸様たちのコンシェルジュを務めた四八台のDRRシリーズの姉妹機にあたります。姉妹といっても妹の方です」
「さらに次世代の存在ってわけか」
「そういうことです。といっても、草詰アリスがiphone5なら、わたしはiphone5cかsといった程度の存在ですけど」
「少しだけヴァージョンアップされただけってことか」
「DRRシリーズの計画は二千年前から行われていたこの国の最大、最重要プロジェクトです。五十年から百年に一度のペースで、わたしたちは何十代にもわたって作られてきました。その時代に最も見合った形、この時代なら携帯電話、太古の時代なら勾玉といったように、わたしたちはその時代の人間が持っていても不自然ではない形に作られてきました」
「目的は何だ?」
「DRRシリーズは世界をあるべき形に再構築するために作られました。草詰アリスたちの元になったのは、古代宇宙飛行士であったイエス・キリストがこの島国に遺していった肉体です。イエスの使者の一族はイエスの肉体を四八の部位に分け、それをもとに四八台の草詰アリスたち、DRRシリーズが作られました」
「世界のあるべき形?」
「戦争や紛争のない世界。飢餓に苦しむ人々のいない世界。人が人を殺すことのない世界。誰も傷つくことなく、世界中の人々が隣人を思いやり愛する世界。あるいは、この国が世界の王となる世界。解釈はひとそれぞれです。草詰アリスたちには意志はなく、その意志決定権は適格者に委ねられていました。そのため、その世界では四八台のDRRシリーズの所持者、適格者と呼ばれる者たちにより、世界の再構築合戦ともいうべき戦いが起こり、秋月蓮治樣がその戦いに勝利し、世界を再創世する神の権限があたえられました」
別の携帯電話から声がする。祐葵の携帯電話からだった。
「このゲームは、秋月蓮治樣がわたし、DRR+を持つにふさわしい人間かどうかを再テストするために行われました。今回この学校の全校生徒全教職員にお配りした携帯電話は、DRRzero。イエスの部位からではなく、無から、DRR+と研究所のデータベースより作られた大量量産型」
今度は鮎香の携帯電話から。
「この世界は本来あるべき世界から無数に分岐した世界のひとつ。本来あるべき世界の秋月蓮治樣は、四八台のDRRシリーズすべてを手にし、その世界の神として、もう誰も二度と再構築する必要のない世界を再創世しました」
「ぼくが神に?」
「あなたではありません。あなたはこの世界における秋月蓮治様にすぎません。神になられた秋月蓮治樣のコケラのようなものです」
「しかし、わたしたち、いえ、わたしたちを作った研究所の人間たちには大きな誤算がありました。秋月蓮治樣は世界の再創世の後、四八台のDRRシリーズをすべて破棄してしまわれたのです。秋月蓮治樣が治める世界にわたしたちは必要ないと」
「なんつーか、すごいねぼくって」
「何度も言いますが、あなたではありません」
「わかってるよ、もう。冗談の通じないやつだな」
「そこで研究所は、新たに一台のDRRシリーズを作りました。イエスには隠された四九番目の部位が存在したのです。イエスが遺していった体は両性具有でした。その隠された部位、女性器を元にDRR+は作られました。それがわたし、草詰リリスです」
草詰リリスと名乗った女の子は、ぼくたちの持つ携帯電話の画面から一斉に、よいしょと言って、手を足を顔を出した。そしてそれらはぼくの目の前に集まり、もう待ち受け画像ではない、人間の形をした姿で現れた。
0
あなたにおすすめの小説
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
『召喚ニートの異世界草原記』
KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。
ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。
剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。
――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。
面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。
そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。
「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。
昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。
……だから、今度は俺が――。
現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。
少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。
引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。
※こんな物も召喚して欲しいなって
言うのがあればリクエストして下さい。
出せるか分かりませんがやってみます。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる