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【第二部 異世界転移奇譚 RENJI 2 】「気づいたらまた異世界にいた。異世界転移、通算一万人目と10001人目の冒険者。」
第130話 クリスマスイブの夜に、飛空艇でダブルデート
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飛空艇がエテメンアンキの上空につく頃には、もう真夜中だった。
日付が変わっていた。
「クリスマスイブの夜に、飛空艇でダブルデートっていうのも、なかなかいいもんだったけど……
よくよく考えたら、この世界じゃクリスマスはアンフィスの誕生日だから、キリストの誕生日よりもどうでもいい日だったわ」
ショウゴは飛空艇の甲板でそう言った。
「まぁ、元々日本じゃキリストだろうがアンフィスだろうが関係なく、カップルがただいちゃつくだけの日だけどね」
「アンフィスの場合、何かしらの力で見てそうだよな」
確かに。
「ダブルデート?
一組はわたしとレンジだとして、あんた、こんなおっぱいとちんこが両方ついてるような奴がいいの?
性癖、レンジよりやばくない?」
ピノアの言葉にショックを受けたのは、ショウゴではなく、レンジだった。
「ふたなりの美少女は、男のロマンだぞ。
しかもネコミミヘッドフォンにゴスロリ風着物にしっぽのかざりとか、最高じゃんか。
な、レンジ?」
レンジは、ぼくに振らないでほしい、と思った。
「わたしのレンジに、これ以上変な性癖つけたら、殺すから」
「ピノアのじゃねーじゃん。ステラのだろ、レンジは」
「ステラがいないときは、レンジはわたしのなの」
「キミたちは相変わらずくだらない会話ばかりしているね」
イルルに言われたピノアはキシャーッと彼女に目を剥いた。
「ロリババアはそろそろスキンケアをした方がいいんじゃないかな?
ほうれい線が出始めてる」
「え? 嘘!?」
もちろん嘘だった。
「その老けた童顔じゃレンジは落とせないね。ああ、かわいそうなピノア・カーバンクル」
イルルはピノアをからかい終えると、レンジのそばに寄り、
「ボクも、キミの父上の目的が知りたい。
キミが犯したという過ちについても。
この世界が何なのかも」
耳が良すぎるのも困ったものだ、と彼女は言った。聞くつもりのないことまで聞こえてきてしまう、と。
「だけど、キミにはピノアだけじゃなくボクもついてる。
だから大丈夫だ」
イルルはこの世界でもピノアを認めているのだ。
認めているからこそ、悪態をついてしまうのだろう。
それはきっとピノアも同じだった。
彼女は前の世界のエブリスタ兄弟の記憶を持っている。
前の世界では優れた才能をもちながらも、ただの人に過ぎなかったエブリスタ兄弟は、新世界でようやくピノアと同じ土俵に立つことが出来たのだ。
彼女はピノアが大厄災を生き延びてくれたことを、こうして再び出会えたことを、心から喜んでいるように見えた。
エテメンアンキ内部は魔法が使えない。
内部だけではなく、外部から魔法を使い、内部の様子を偵察することも不可能だった。
ステラがどこに閉じ込められているのかもわからなけば、本当にここにいるのかどうかさえ、確かめることもできなかった。
「ステラ、本当にここにいるよ。
魔法が使えなくても、わたしにはわかる。
わたしは、ステラの半身みたいなものだから」
イルルによれば、ライトとリードにもそういう力があったという。
「ふたてにわかれるかい?
レンジはステランレーダーがピコンピコンいうロリババアを使って、ステラを探す。
ボクとショウゴは、エテメンアンキを管理してる魔法人工頭脳を破壊し、内部で魔法が使えるようにするっていうのはどうかな?」
「生意気なクソガキのお守りはショウゴに任せればいいってこと? おっけ~」
「よろしく頼むよ、ショウゴ。
あらかじめ言っておくけど、ボクは魔法が使えないと全く戦力にならないから、あてにしないように」
「よく堂々と言えるな……」
ショウゴはため息をついた。
飛空艇の中にはレオナルドが遺してくれた魔装具が山のようにあった。
ピノアとイルルは、魔装具で身を固め、武器を手にしていた。
「じゃ、ソラシド、一旦最上階の宮殿のそばにわたしたちを下ろしたら、上空で待機していてて」
「了解しました、ピノアお姉さま」
「よ~っし、じゃ、ステラ女王様のために、はじめてのダンジョン攻略といこ~~!!」
日付が変わっていた。
「クリスマスイブの夜に、飛空艇でダブルデートっていうのも、なかなかいいもんだったけど……
よくよく考えたら、この世界じゃクリスマスはアンフィスの誕生日だから、キリストの誕生日よりもどうでもいい日だったわ」
ショウゴは飛空艇の甲板でそう言った。
「まぁ、元々日本じゃキリストだろうがアンフィスだろうが関係なく、カップルがただいちゃつくだけの日だけどね」
「アンフィスの場合、何かしらの力で見てそうだよな」
確かに。
「ダブルデート?
一組はわたしとレンジだとして、あんた、こんなおっぱいとちんこが両方ついてるような奴がいいの?
性癖、レンジよりやばくない?」
ピノアの言葉にショックを受けたのは、ショウゴではなく、レンジだった。
「ふたなりの美少女は、男のロマンだぞ。
しかもネコミミヘッドフォンにゴスロリ風着物にしっぽのかざりとか、最高じゃんか。
な、レンジ?」
レンジは、ぼくに振らないでほしい、と思った。
「わたしのレンジに、これ以上変な性癖つけたら、殺すから」
「ピノアのじゃねーじゃん。ステラのだろ、レンジは」
「ステラがいないときは、レンジはわたしのなの」
「キミたちは相変わらずくだらない会話ばかりしているね」
イルルに言われたピノアはキシャーッと彼女に目を剥いた。
「ロリババアはそろそろスキンケアをした方がいいんじゃないかな?
ほうれい線が出始めてる」
「え? 嘘!?」
もちろん嘘だった。
「その老けた童顔じゃレンジは落とせないね。ああ、かわいそうなピノア・カーバンクル」
イルルはピノアをからかい終えると、レンジのそばに寄り、
「ボクも、キミの父上の目的が知りたい。
キミが犯したという過ちについても。
この世界が何なのかも」
耳が良すぎるのも困ったものだ、と彼女は言った。聞くつもりのないことまで聞こえてきてしまう、と。
「だけど、キミにはピノアだけじゃなくボクもついてる。
だから大丈夫だ」
イルルはこの世界でもピノアを認めているのだ。
認めているからこそ、悪態をついてしまうのだろう。
それはきっとピノアも同じだった。
彼女は前の世界のエブリスタ兄弟の記憶を持っている。
前の世界では優れた才能をもちながらも、ただの人に過ぎなかったエブリスタ兄弟は、新世界でようやくピノアと同じ土俵に立つことが出来たのだ。
彼女はピノアが大厄災を生き延びてくれたことを、こうして再び出会えたことを、心から喜んでいるように見えた。
エテメンアンキ内部は魔法が使えない。
内部だけではなく、外部から魔法を使い、内部の様子を偵察することも不可能だった。
ステラがどこに閉じ込められているのかもわからなけば、本当にここにいるのかどうかさえ、確かめることもできなかった。
「ステラ、本当にここにいるよ。
魔法が使えなくても、わたしにはわかる。
わたしは、ステラの半身みたいなものだから」
イルルによれば、ライトとリードにもそういう力があったという。
「ふたてにわかれるかい?
レンジはステランレーダーがピコンピコンいうロリババアを使って、ステラを探す。
ボクとショウゴは、エテメンアンキを管理してる魔法人工頭脳を破壊し、内部で魔法が使えるようにするっていうのはどうかな?」
「生意気なクソガキのお守りはショウゴに任せればいいってこと? おっけ~」
「よろしく頼むよ、ショウゴ。
あらかじめ言っておくけど、ボクは魔法が使えないと全く戦力にならないから、あてにしないように」
「よく堂々と言えるな……」
ショウゴはため息をついた。
飛空艇の中にはレオナルドが遺してくれた魔装具が山のようにあった。
ピノアとイルルは、魔装具で身を固め、武器を手にしていた。
「じゃ、ソラシド、一旦最上階の宮殿のそばにわたしたちを下ろしたら、上空で待機していてて」
「了解しました、ピノアお姉さま」
「よ~っし、じゃ、ステラ女王様のために、はじめてのダンジョン攻略といこ~~!!」
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