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【第二部 異世界転移奇譚 RENJI 2 】「気づいたらまた異世界にいた。異世界転移、通算一万人目と10001人目の冒険者。」
第153話 シン・ブライ・アジ・ダハーカ 序
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オロバスの隣に立っていたステラとピノアの父ブライ・アジ・ダハーカは、穏やかな顔をした青年だった。
「本当にここが未来のテラなのか?
確かに私がいた時代にはまだ飛空艇は完成していなかったが……
それにしても、空気がずいぶん悪いな……」
彼はまだ大賢者ではなく、自分が人工的に産み出された魔人であることも知らなければ、エウロペの前国王(彼の時代では現国王)が三賢者と呼ばれていた三姉妹のひとりを強姦して産ませた子であることも知らない。
自分の出自を知らず、ダークマターに魅了され、自己顕示欲や承認欲求、選民意識、野心の塊となる前の父は、こんなにも優しい顔をしていたのか、とふたりは驚かされた。
「そうだよ、未来だよ。
ねっ、いきなりこんなこと聞くのもどうかと思うんだけど、この汚い空気の中に、エーテルと違う魔素があるのはわかる?」
ピノアがいくら目の前にいるのが父とはいえ、父にとっては自分たちは初対面だというのに、名前を名乗ることもせず、そんな風に上から目線で声をかけたので、ステラは慌ててしまった。
だが、名前は名乗れないのだ、と気づいた。
父は一時的に助っ人ととしてこの時代に来たに過ぎないからだ。
目の前にいる父にとって、自分たちはまだ産まれてはいないのだ。
ステラはそこまで考えてはいなかったが、ピノアはちゃんと考えてくれていたのだ。
名前を名乗れば、そして娘だと知られてしまったら、父は元いた時代に戻った後、ステラとピノアが産まれたときに、違う名前をつけてしまうかもしれない。
だからといって、今のステラやピノアの名前が変わるわけではなかったが、父がせっかく考えてくれた名前は、父が考えてつけてほしいと思った。
この時代に来てもらった人たちを誰ひとり死なせるつもりはなかったが、たとえ父がこの時代で死んでしまい、元いた時代に帰れなくなったとしても、ステラやピノアの存在が消えてしまうことはない。
どんなに過去が変わってしまっても、一度生まれた命は失われることはなく、タイム・パラドクスは起きないし、パラレルワールドも産まれない。
それがテラにおいての時間の概念だった。
「あぁ、エーテルとは全く別の負の力を感じる魔素だが、よく見るとエーテルに別の魔素がとりついてるな」
若き日の父は、大気を見つめながら、ピノアの問いに答えた。
「じゃあ、次の質問!
あなたが元いた時代から数十年後に、この世界が、別の世界のゴミ処理場にされるって言ったら信じる?」
ピノアは、その世界ではその魔素、つまりは放射性物質を浄化する方法がまだ見つかっておらず、自然に浄化するのを待つしかないこと、そしてそれには何十万年もかかることを説明した。
この世界ではエーテルにとりついてダークマターとなることによって、大気中に存在していても、あまり人体に害はないが、魔物をカオスと呼ばれる存在に変えてしまうこと。
そして、エーテルが存在しないその世界では、人体に様々な害を与え死に至らしめることもあること。
そんなものが日々増えていき、捨てる場所にも困っていたときに、その世界の何者かが、この世界の存在を知ったのだと。
「だから、この世界をゴミ処理場にしたというわけか。
にわかには信じられない話だが、こんな魔素を実際に見てしまうと、信じざるを得ないな……
それに、君たちは何故だか他人の気がしない。信じられる気がする」
「わたしたちは、あなたの娘だからね」
早速言っちゃった、とステラは驚いた。
だが、そういう一見何も後先を考えていないようでちゃんと考えているのが彼女が知るピノアだった。
だから、なんだか余計な心配をしていた自分がおかしくなってしまった。
「……そうか。なるほどな。
名前は聞かない方がいいだろうな」
「そうだね、お父さんが名前をつける楽しみがなくなっちゃうもんね」
お父さん、と呼ばれた父は、少し恥ずかしそうだった。
かわいいなとステラは思った。
「まさかとは思うが、私はこの魔素の持つ、エーテルを超えた力に魅了されたりするのか?」
そして、父は、あくまで可能性を口にしただけであったろうが、確信をつく質問を投げ掛けてきた。
「そうだよ。その魔素を触媒にして魔法を使うとね、同じ魔法でもその威力は何倍にもなるの。
おまけに、精霊は力を借りられてることにも気づかない。
だけど」
「この魔素に徐々に身体を蝕まれ、心身に異常をきたしていく、というわけか」
「さすがだね、お父さん。
びっくりするくらいの激痛が全身に走るらしいんだ」
ね? とピノアはステラに振った。
ステラはまだ一言も父と話していないことに気づき慌てた。
「えぇ……一度だけ使わざるを得ない状況があって、使ってみたのだけれど……
身を引きちぎられるんじゃないかというくらいの痛みだったわ……」
ステラは、父に対してどんな口調で話しかけたらいいのかわからなかった。
なんとか言葉にしてみたものの、しっくりこなかった。
普通に話せるピノアが羨ましかった。
だが、ピノアもきっと手探りなのだろうなと思った。
「そうなると、すでにこの魔素に魅了され、心を病み始めた私はネクロマンシーに手を出すだろうな。
自らの身体をアンデッドにすれば、痛みは感じないだろうからな」
「……本当にすごいね。そこまでわかっちゃうんだ」
「だが、君たちが知る私は、そのような愚かな父親だったんだな……」
父は、申し訳なさそうにそう言った。
「うん……でも、ちゃんとわたしたちのことを愛してくれてた。
親子として過ごした時間はほんの少ししかなかったけど、よく思い出すよ。
思い出すたびに、お父さんの子どもに産まれてこれてよかったなって思うんだ」
「わたしも……お父さんの娘であることを、いつも誇りに思ってる……」
ステラは、そのことをちゃんと父に伝えたかった。
父は、ありがとう、と言い、すまなかったね、と言った。
まだ自分は何もしていないというのに、未来の自分の過ちを後悔し、反省していた。
「だからね、わたしたちが今から、お父さんにこの魔素の浄化方法を教える。
これから、ちょっとだけわたしたちの手伝いをしてほしいんだ。
そのためには、浄化方法を覚えてもらわなきゃいけない。
それに、お父さんが元いた時代に戻った後、この魔素が現れたら、すぐに世界中から浄化してほしいんだ」
「わかった。どうやればいい?」
「わたしが教えるわ。
この子、教えるのが下手だから」
ステラはピノアにそう言うと、彼女は頬を膨らませた。
「本当にここが未来のテラなのか?
確かに私がいた時代にはまだ飛空艇は完成していなかったが……
それにしても、空気がずいぶん悪いな……」
彼はまだ大賢者ではなく、自分が人工的に産み出された魔人であることも知らなければ、エウロペの前国王(彼の時代では現国王)が三賢者と呼ばれていた三姉妹のひとりを強姦して産ませた子であることも知らない。
自分の出自を知らず、ダークマターに魅了され、自己顕示欲や承認欲求、選民意識、野心の塊となる前の父は、こんなにも優しい顔をしていたのか、とふたりは驚かされた。
「そうだよ、未来だよ。
ねっ、いきなりこんなこと聞くのもどうかと思うんだけど、この汚い空気の中に、エーテルと違う魔素があるのはわかる?」
ピノアがいくら目の前にいるのが父とはいえ、父にとっては自分たちは初対面だというのに、名前を名乗ることもせず、そんな風に上から目線で声をかけたので、ステラは慌ててしまった。
だが、名前は名乗れないのだ、と気づいた。
父は一時的に助っ人ととしてこの時代に来たに過ぎないからだ。
目の前にいる父にとって、自分たちはまだ産まれてはいないのだ。
ステラはそこまで考えてはいなかったが、ピノアはちゃんと考えてくれていたのだ。
名前を名乗れば、そして娘だと知られてしまったら、父は元いた時代に戻った後、ステラとピノアが産まれたときに、違う名前をつけてしまうかもしれない。
だからといって、今のステラやピノアの名前が変わるわけではなかったが、父がせっかく考えてくれた名前は、父が考えてつけてほしいと思った。
この時代に来てもらった人たちを誰ひとり死なせるつもりはなかったが、たとえ父がこの時代で死んでしまい、元いた時代に帰れなくなったとしても、ステラやピノアの存在が消えてしまうことはない。
どんなに過去が変わってしまっても、一度生まれた命は失われることはなく、タイム・パラドクスは起きないし、パラレルワールドも産まれない。
それがテラにおいての時間の概念だった。
「あぁ、エーテルとは全く別の負の力を感じる魔素だが、よく見るとエーテルに別の魔素がとりついてるな」
若き日の父は、大気を見つめながら、ピノアの問いに答えた。
「じゃあ、次の質問!
あなたが元いた時代から数十年後に、この世界が、別の世界のゴミ処理場にされるって言ったら信じる?」
ピノアは、その世界ではその魔素、つまりは放射性物質を浄化する方法がまだ見つかっておらず、自然に浄化するのを待つしかないこと、そしてそれには何十万年もかかることを説明した。
この世界ではエーテルにとりついてダークマターとなることによって、大気中に存在していても、あまり人体に害はないが、魔物をカオスと呼ばれる存在に変えてしまうこと。
そして、エーテルが存在しないその世界では、人体に様々な害を与え死に至らしめることもあること。
そんなものが日々増えていき、捨てる場所にも困っていたときに、その世界の何者かが、この世界の存在を知ったのだと。
「だから、この世界をゴミ処理場にしたというわけか。
にわかには信じられない話だが、こんな魔素を実際に見てしまうと、信じざるを得ないな……
それに、君たちは何故だか他人の気がしない。信じられる気がする」
「わたしたちは、あなたの娘だからね」
早速言っちゃった、とステラは驚いた。
だが、そういう一見何も後先を考えていないようでちゃんと考えているのが彼女が知るピノアだった。
だから、なんだか余計な心配をしていた自分がおかしくなってしまった。
「……そうか。なるほどな。
名前は聞かない方がいいだろうな」
「そうだね、お父さんが名前をつける楽しみがなくなっちゃうもんね」
お父さん、と呼ばれた父は、少し恥ずかしそうだった。
かわいいなとステラは思った。
「まさかとは思うが、私はこの魔素の持つ、エーテルを超えた力に魅了されたりするのか?」
そして、父は、あくまで可能性を口にしただけであったろうが、確信をつく質問を投げ掛けてきた。
「そうだよ。その魔素を触媒にして魔法を使うとね、同じ魔法でもその威力は何倍にもなるの。
おまけに、精霊は力を借りられてることにも気づかない。
だけど」
「この魔素に徐々に身体を蝕まれ、心身に異常をきたしていく、というわけか」
「さすがだね、お父さん。
びっくりするくらいの激痛が全身に走るらしいんだ」
ね? とピノアはステラに振った。
ステラはまだ一言も父と話していないことに気づき慌てた。
「えぇ……一度だけ使わざるを得ない状況があって、使ってみたのだけれど……
身を引きちぎられるんじゃないかというくらいの痛みだったわ……」
ステラは、父に対してどんな口調で話しかけたらいいのかわからなかった。
なんとか言葉にしてみたものの、しっくりこなかった。
普通に話せるピノアが羨ましかった。
だが、ピノアもきっと手探りなのだろうなと思った。
「そうなると、すでにこの魔素に魅了され、心を病み始めた私はネクロマンシーに手を出すだろうな。
自らの身体をアンデッドにすれば、痛みは感じないだろうからな」
「……本当にすごいね。そこまでわかっちゃうんだ」
「だが、君たちが知る私は、そのような愚かな父親だったんだな……」
父は、申し訳なさそうにそう言った。
「うん……でも、ちゃんとわたしたちのことを愛してくれてた。
親子として過ごした時間はほんの少ししかなかったけど、よく思い出すよ。
思い出すたびに、お父さんの子どもに産まれてこれてよかったなって思うんだ」
「わたしも……お父さんの娘であることを、いつも誇りに思ってる……」
ステラは、そのことをちゃんと父に伝えたかった。
父は、ありがとう、と言い、すまなかったね、と言った。
まだ自分は何もしていないというのに、未来の自分の過ちを後悔し、反省していた。
「だからね、わたしたちが今から、お父さんにこの魔素の浄化方法を教える。
これから、ちょっとだけわたしたちの手伝いをしてほしいんだ。
そのためには、浄化方法を覚えてもらわなきゃいけない。
それに、お父さんが元いた時代に戻った後、この魔素が現れたら、すぐに世界中から浄化してほしいんだ」
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