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第一部「おにーちゃんさえいればいい」
三度、時は少し遡り、2020/08/12
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うろおぼえだけど、タッチの南ちゃんが、普段クラスメイトの女の子に聞かせてるタッちゃんの悪口に限りなく近いことを、その子が逆に南ちゃんに対して言ったら、
「タッちゃんの悪口を言っていいのは南だけなんだぞ」
という、わたしのような「あざと女子」のバイブル的な名シーンがあったと思うんですが……
おにーちゃんが、mixiか何かがきっかけで少し前に参加した恋愛グルチャから、なかなか退会できず、ちょいちょい雑に扱われては凹んでいるのを見ると、
「うちのおにーちゃんを雑に扱っていいのは、みかなだけなんだぞ」
って気持ちになるどころか、殺意の一歩手前くらいの気持ちになる……
そんな今日この頃ですが、皆さまどうお過ごしでしょうか?
みなさんこんばんは、朝倉みかな(あざと妹)です☆
どうやら、そのグルチャは、イン率重視のグルチャみたいで、1日に最低三回、おはよう、こんにちは、こんばんはの挨拶くらいはしないと、イエローカードがでるルール。
インできない日があるなら、事前に管理人に報告をしなきゃいけないし、三日インしなかったらレッドカードで強制退会になるそう……
つまり、明日から三日間、三日後はおにーちゃんの誕生日だし、おにーちゃんがグルチャに顔を出せないくらい、みかなが超かまってちゃんになれば、強制退会に持ち込めるわけで……
スマホを触る余裕すらないくらい甘えてたおしてやる!!
と、わたしは息巻いていたのです。
兄は先月半ばまで実家を離れて一人暮らしをしていて、職場以外の人間関係は、希薄どころか皆無。ほぼ皆無とかじゃなくて、マジ皆無。
友達はひとりもいないし、彼女もいない。
ものすごく孤独だったから、これ以上ないくらいにうすっぺらい関係性の人たちとのグルチャですら、自分の居場所だと思おうとしてる節が、どうも妹のわたしには見え隠れしていたのです。
だったらもう、わたしがおにーちゃんの居場所になる!
それは、わたししかなれないし、わたしもなりたい!!
ていうか、実家に帰ってきた時点で、既にわたしがいたわけだから、そんなものにすがりつかなくてもいいはずなんだけど、おにーちゃんは今、本当に孤独感に苛まれ続けて、正常な判断ができなくなってるみたい。
昨日わたしをあちこちつれまわしてたとき、ものすごく元気だったのに、家にかえってきてグルチャをしだしてから、段々顔が死んでいって、寝る頃にはもう高低差ありすぎて耳キーンてなるレベル!
たぶん本人もタバコと同じくらい百害あって一利なしなのは薄々わかってるはず……
もー! 本当に手がかかる!!
二年前の春に、結婚を考えて半年以上同棲してた彼女にプロポーズしたら、ありえない理由で断られたのがまだ尾をひいてるのかな……
「私が貴方といっしょに暮らしてるのは、貴方は住所変更してないけど、私はしたから、あの部屋は、家賃は貴方が全部払ってるけど、世帯主は私なの。
私は低所得者の世帯主になるから、年金が免除されてる。
ただそれだけ。だから結婚はしないし、できない」
絶対これ。
っていうか、マジで何なの、この女……超むかつくんですけど。
おにーちゃんにプロポーズされたくてもされない、10年も片想いしてる、かわいそうな美少女がここにいるんですけど!!
あんたに気を遣って、おにーちゃんの借りてるお部屋に遊びに行きたいのをずっと我慢してたんですけど!?
わたしはこれでも一応は、世間一般の常識はわきまえてるつもり。だから、こんな女をおにーちゃんがなんで選んだのか、全っ然意味がわかんない。
おにーちゃんがどれだけ本気だったか、何にもわかってないし!
世間一般的に、兄妹がこんなに仲良くないのは知ってるし、仲がよかったとしても、基本は兄が妹を守るものだと思うんだけど……
うちの場合は、超絶お豆腐メンタルのおにーちゃんがこれ以上傷つかないように、わたしが守ってあげなきゃいけないの。
一人占めしたいだけの、わたしのエゴかもしれないけど……
おにーちゃん本人も、件のグルチャについて、自分の居場所じゃない、ここにいても傷つくだけだということに、とっくに気づいてました。
わたしが「そのグルチャはもうやめよ?」って言う前に、夜中のうちに、自らグルチャをやめてくれていました。
これで一安心……
おにーちゃんの誕生日をふたりで穏やかにすごせそう……
でも、まだプレゼント決まってなかった!!
わたしたちは、邪魔な荷物を一個捨てただけ。
それだけで、明日から、わたしたちの毎日はきっともっと楽しくなる。
いつも笑っていてほしいし、笑っていたい。
ふたりでアイデアを出しあってする創作活動が楽しくてしかたない。
パソコンに向かってるときの真剣な表情が好き。大好き。
なにこのポエム! 自分がこわい!!
「タッちゃんの悪口を言っていいのは南だけなんだぞ」
という、わたしのような「あざと女子」のバイブル的な名シーンがあったと思うんですが……
おにーちゃんが、mixiか何かがきっかけで少し前に参加した恋愛グルチャから、なかなか退会できず、ちょいちょい雑に扱われては凹んでいるのを見ると、
「うちのおにーちゃんを雑に扱っていいのは、みかなだけなんだぞ」
って気持ちになるどころか、殺意の一歩手前くらいの気持ちになる……
そんな今日この頃ですが、皆さまどうお過ごしでしょうか?
みなさんこんばんは、朝倉みかな(あざと妹)です☆
どうやら、そのグルチャは、イン率重視のグルチャみたいで、1日に最低三回、おはよう、こんにちは、こんばんはの挨拶くらいはしないと、イエローカードがでるルール。
インできない日があるなら、事前に管理人に報告をしなきゃいけないし、三日インしなかったらレッドカードで強制退会になるそう……
つまり、明日から三日間、三日後はおにーちゃんの誕生日だし、おにーちゃんがグルチャに顔を出せないくらい、みかなが超かまってちゃんになれば、強制退会に持ち込めるわけで……
スマホを触る余裕すらないくらい甘えてたおしてやる!!
と、わたしは息巻いていたのです。
兄は先月半ばまで実家を離れて一人暮らしをしていて、職場以外の人間関係は、希薄どころか皆無。ほぼ皆無とかじゃなくて、マジ皆無。
友達はひとりもいないし、彼女もいない。
ものすごく孤独だったから、これ以上ないくらいにうすっぺらい関係性の人たちとのグルチャですら、自分の居場所だと思おうとしてる節が、どうも妹のわたしには見え隠れしていたのです。
だったらもう、わたしがおにーちゃんの居場所になる!
それは、わたししかなれないし、わたしもなりたい!!
ていうか、実家に帰ってきた時点で、既にわたしがいたわけだから、そんなものにすがりつかなくてもいいはずなんだけど、おにーちゃんは今、本当に孤独感に苛まれ続けて、正常な判断ができなくなってるみたい。
昨日わたしをあちこちつれまわしてたとき、ものすごく元気だったのに、家にかえってきてグルチャをしだしてから、段々顔が死んでいって、寝る頃にはもう高低差ありすぎて耳キーンてなるレベル!
たぶん本人もタバコと同じくらい百害あって一利なしなのは薄々わかってるはず……
もー! 本当に手がかかる!!
二年前の春に、結婚を考えて半年以上同棲してた彼女にプロポーズしたら、ありえない理由で断られたのがまだ尾をひいてるのかな……
「私が貴方といっしょに暮らしてるのは、貴方は住所変更してないけど、私はしたから、あの部屋は、家賃は貴方が全部払ってるけど、世帯主は私なの。
私は低所得者の世帯主になるから、年金が免除されてる。
ただそれだけ。だから結婚はしないし、できない」
絶対これ。
っていうか、マジで何なの、この女……超むかつくんですけど。
おにーちゃんにプロポーズされたくてもされない、10年も片想いしてる、かわいそうな美少女がここにいるんですけど!!
あんたに気を遣って、おにーちゃんの借りてるお部屋に遊びに行きたいのをずっと我慢してたんですけど!?
わたしはこれでも一応は、世間一般の常識はわきまえてるつもり。だから、こんな女をおにーちゃんがなんで選んだのか、全っ然意味がわかんない。
おにーちゃんがどれだけ本気だったか、何にもわかってないし!
世間一般的に、兄妹がこんなに仲良くないのは知ってるし、仲がよかったとしても、基本は兄が妹を守るものだと思うんだけど……
うちの場合は、超絶お豆腐メンタルのおにーちゃんがこれ以上傷つかないように、わたしが守ってあげなきゃいけないの。
一人占めしたいだけの、わたしのエゴかもしれないけど……
おにーちゃん本人も、件のグルチャについて、自分の居場所じゃない、ここにいても傷つくだけだということに、とっくに気づいてました。
わたしが「そのグルチャはもうやめよ?」って言う前に、夜中のうちに、自らグルチャをやめてくれていました。
これで一安心……
おにーちゃんの誕生日をふたりで穏やかにすごせそう……
でも、まだプレゼント決まってなかった!!
わたしたちは、邪魔な荷物を一個捨てただけ。
それだけで、明日から、わたしたちの毎日はきっともっと楽しくなる。
いつも笑っていてほしいし、笑っていたい。
ふたりでアイデアを出しあってする創作活動が楽しくてしかたない。
パソコンに向かってるときの真剣な表情が好き。大好き。
なにこのポエム! 自分がこわい!!
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