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「失踪前の尾上はすこしおかしかったそうだよ」
「どんな風に?」
市役所の職員には、尾上がまるで神か上位次元の存在であるかのように振る舞い、話しているのを聞いたことがある者がいた。
ーーフフ……お前たちは気づかないだろうが、この世界にフィクションとして存在する全ての世界は我々が遊ぶために作った小さな箱庭に過ぎないのだ。魔法も技も、エルフやドワーフのような亜人も地球外知的生命体も、お前たちが涙し、笑う、そのすべても……すべて我々の情操教育のひとつに過ぎない。お前たちの世界だって例外ではない。目の前の風景も、触れ合う人々も、お前たちが信じて疑わぬ『現実』も……ただのアバターたちの戯れに過ぎぬのだよ。フフフ……だが安心するがいい。我々の遊び場はお前たちの遊び場でもある。好きなだけ、世界を駆け回ればいい……ただ、我々の目は、いつでも君を見ているのだ。
そんなことを、誰もいない方に向かって呟いていたという。
「尾上カナイさんは中二病ってやつだったのかな?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」
「本当に神様や上位次元の存在かもしれないってイルマくんは考えてるのね」
「うん。その可能性は低いと思うけどね。本当にそういう存在か、ギフトやE.O.P.レンズを手に入れて、全能感に酔いしれて自分を神と勘違いしたかのどちらかだと思う」
イルマがそう思うのは、自分がそうならずに済んでいるのは姉や萌衣のおかげだと考えていたからだった。
守るべき者や止めてくれる者がいなければ、あるいは、自分と同じようにギフトやE.O.P.レンズを持つ者がいると知らなければ、人はこんな風に勘違いしてしまうのかもしれない。
ーー今の言葉を聞いたお前たちが、これからどんな行動をとるか――もちろん、我々にはすべて見える。深く考えもせず、ただ手元の端末を取り、お前たちの世界に撒かれた“言葉”をSNSへ放流するのだろう? 火を使わずとも言葉で世界を燃やせる……それすら、我々が与えた“道具”に過ぎんと知らぬままにな。理解しているか? 古今東西、預言を語り、未来を揺らした者たちは――みな、こうして我々の声を断片的に拾った存在だ。お前たちもまた、知らず知らずのうちに“予兆を伝える者”となるだろう。さあ、選ぶがいい。真実を知った者として、どんな運命の物語を紡ぐか……恐怖に沈むか、声を上げるか。それとも、予兆を装い、お前たち自身の物語を創るか。……お前たちの未来は、お前たちが決めるのだよ。
尾上カナイはそんなことも言っていたらしい。
一言一句わかるのは、市役所の職員の中にそれをこっそり録音していた者がいたからであり、まったく同じ内容の台詞を顔出しで話す尾上の動画がYouTubeにもあったからだった。YouTubeをやっていることを教えてくれたのもその録音データをくれた職員だった。
尾上カナイの顔はとても美しく、神だと言われればそうかもしれないと思うほどだった。
イルマの視界に映る彼女の名は、尾上カナイのままだった。
何故鞍馬葉子が尾上カナイと名乗っていたのか、ますますわからなくなってしまった。
それだけでなく、尾上はSNSやYouTubeではまるで別人のように振る舞っていた。
ーーおれは現実をお手玉にとる高次元の力を扱う超能力犯罪者集団とおれが呼んでる集団と誰にも知られず静かな意識の戦争とゆうのをさせられて逃げて逃げてあがきまくるしか選択肢の無い中の行き着いた善悪の統合。自分の中で自分のバランス融合ネガティブを必要な時に許してこいつらに使う発見、体現、創造し、神経質と潔癖症と善悪統合がこいつらのに有効超能力も何の能力も無い中卒の一般人の唯一の武器になる事を発見し十年以上たった今1量子も言いなりにならずにほぼあきらめさせたおれは✕✕✕✕さんがこいつら高次元の支配者にはめられたなら、その責任はおおきいです。それと繋がるアンチコメントは特定し、透明化し必ずその根深い支配コントロールの大いなる厳しい責任を取らす強い創造をしてます。おれがどんな存在かいづれ分かる時が来るでしょう。創造根本主、銀河の善の存在達に命を守られながら高次元の支配者と意識の戦争をして生き残り高次元の支配者のこと細かい暴露の用意がとっくに出来てる中卒の一般人です。繋がってる存在達は分かってるでしょう高次元の力を扱う存在にはおれは厳しい目をむけてます。
(※YouTubeより引用)
それは、2年ほど前に週刊誌の記事によってスキャンダルが発覚し、その真偽さえ不明なままテレビから消えてしまった芸能人について、その芸能人のYouTubeのコメント欄に書かれていた文章だった。
「何これ? 日本語がめちゃくちゃなんだけど」
萌衣の言う通り、本当に意味のわからない文章だった。
被害妄想的な語りが強く、論理があちこちに飛びがちだったからだ。
「AIに解読してもらった文章もあるけど、そっちの方が良かった?できるだけ文章の意味を崩さずに、尾上が何を言いたかったのかを整理してもらったんだけど」
「そういうのがあるなら、最初からそっちにしてくれたらいいのに」
ーーわたしは、現実を操る“高次元の力”を使う超能力犯罪者のような集団と、誰にも気づかれない“意識の戦争”をさせられてきました。逃げ続けるしかなかった状況の中で、善と悪を自分の中で統合し、ネガティブな感情も必要な時に使うことで、この集団に対抗する方法を発見しました。わたしは神経質で潔癖な性格ですが、そうした性質や善悪の統合こそが、超能力も何の能力も持たない、中卒の一般人である自分の唯一の武器になると気づいたのです。その結果、十年以上かけて、わたしは彼らに一切屈せず、ほぼあきらめさせるところまで追い込むことができました。もし✕✕✕✕さんが、この“高次元の支配者”に騙されたのだとしたら、その責任は大きいです。そのことにつながるアンチコメントも特定し、透明化し、彼らの根深い支配コントロールに対して厳しい責任を負わせるつもりでいます。いずれ、わたしがどういう存在なのか分かる時が来るでしょう。創造の根源の存在や銀河の善なる存在たちに命を守られながら、高次元の支配者と意識の戦争を生き延びてきた、中卒の一般人です。高次元の力を扱う存在には、わたしは常に厳しい目を向けています。
「イルマくん、わたし、なんだか頭が痛くなってきた……」
それはイルマも同じだった。
「どんな風に?」
市役所の職員には、尾上がまるで神か上位次元の存在であるかのように振る舞い、話しているのを聞いたことがある者がいた。
ーーフフ……お前たちは気づかないだろうが、この世界にフィクションとして存在する全ての世界は我々が遊ぶために作った小さな箱庭に過ぎないのだ。魔法も技も、エルフやドワーフのような亜人も地球外知的生命体も、お前たちが涙し、笑う、そのすべても……すべて我々の情操教育のひとつに過ぎない。お前たちの世界だって例外ではない。目の前の風景も、触れ合う人々も、お前たちが信じて疑わぬ『現実』も……ただのアバターたちの戯れに過ぎぬのだよ。フフフ……だが安心するがいい。我々の遊び場はお前たちの遊び場でもある。好きなだけ、世界を駆け回ればいい……ただ、我々の目は、いつでも君を見ているのだ。
そんなことを、誰もいない方に向かって呟いていたという。
「尾上カナイさんは中二病ってやつだったのかな?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」
「本当に神様や上位次元の存在かもしれないってイルマくんは考えてるのね」
「うん。その可能性は低いと思うけどね。本当にそういう存在か、ギフトやE.O.P.レンズを手に入れて、全能感に酔いしれて自分を神と勘違いしたかのどちらかだと思う」
イルマがそう思うのは、自分がそうならずに済んでいるのは姉や萌衣のおかげだと考えていたからだった。
守るべき者や止めてくれる者がいなければ、あるいは、自分と同じようにギフトやE.O.P.レンズを持つ者がいると知らなければ、人はこんな風に勘違いしてしまうのかもしれない。
ーー今の言葉を聞いたお前たちが、これからどんな行動をとるか――もちろん、我々にはすべて見える。深く考えもせず、ただ手元の端末を取り、お前たちの世界に撒かれた“言葉”をSNSへ放流するのだろう? 火を使わずとも言葉で世界を燃やせる……それすら、我々が与えた“道具”に過ぎんと知らぬままにな。理解しているか? 古今東西、預言を語り、未来を揺らした者たちは――みな、こうして我々の声を断片的に拾った存在だ。お前たちもまた、知らず知らずのうちに“予兆を伝える者”となるだろう。さあ、選ぶがいい。真実を知った者として、どんな運命の物語を紡ぐか……恐怖に沈むか、声を上げるか。それとも、予兆を装い、お前たち自身の物語を創るか。……お前たちの未来は、お前たちが決めるのだよ。
尾上カナイはそんなことも言っていたらしい。
一言一句わかるのは、市役所の職員の中にそれをこっそり録音していた者がいたからであり、まったく同じ内容の台詞を顔出しで話す尾上の動画がYouTubeにもあったからだった。YouTubeをやっていることを教えてくれたのもその録音データをくれた職員だった。
尾上カナイの顔はとても美しく、神だと言われればそうかもしれないと思うほどだった。
イルマの視界に映る彼女の名は、尾上カナイのままだった。
何故鞍馬葉子が尾上カナイと名乗っていたのか、ますますわからなくなってしまった。
それだけでなく、尾上はSNSやYouTubeではまるで別人のように振る舞っていた。
ーーおれは現実をお手玉にとる高次元の力を扱う超能力犯罪者集団とおれが呼んでる集団と誰にも知られず静かな意識の戦争とゆうのをさせられて逃げて逃げてあがきまくるしか選択肢の無い中の行き着いた善悪の統合。自分の中で自分のバランス融合ネガティブを必要な時に許してこいつらに使う発見、体現、創造し、神経質と潔癖症と善悪統合がこいつらのに有効超能力も何の能力も無い中卒の一般人の唯一の武器になる事を発見し十年以上たった今1量子も言いなりにならずにほぼあきらめさせたおれは✕✕✕✕さんがこいつら高次元の支配者にはめられたなら、その責任はおおきいです。それと繋がるアンチコメントは特定し、透明化し必ずその根深い支配コントロールの大いなる厳しい責任を取らす強い創造をしてます。おれがどんな存在かいづれ分かる時が来るでしょう。創造根本主、銀河の善の存在達に命を守られながら高次元の支配者と意識の戦争をして生き残り高次元の支配者のこと細かい暴露の用意がとっくに出来てる中卒の一般人です。繋がってる存在達は分かってるでしょう高次元の力を扱う存在にはおれは厳しい目をむけてます。
(※YouTubeより引用)
それは、2年ほど前に週刊誌の記事によってスキャンダルが発覚し、その真偽さえ不明なままテレビから消えてしまった芸能人について、その芸能人のYouTubeのコメント欄に書かれていた文章だった。
「何これ? 日本語がめちゃくちゃなんだけど」
萌衣の言う通り、本当に意味のわからない文章だった。
被害妄想的な語りが強く、論理があちこちに飛びがちだったからだ。
「AIに解読してもらった文章もあるけど、そっちの方が良かった?できるだけ文章の意味を崩さずに、尾上が何を言いたかったのかを整理してもらったんだけど」
「そういうのがあるなら、最初からそっちにしてくれたらいいのに」
ーーわたしは、現実を操る“高次元の力”を使う超能力犯罪者のような集団と、誰にも気づかれない“意識の戦争”をさせられてきました。逃げ続けるしかなかった状況の中で、善と悪を自分の中で統合し、ネガティブな感情も必要な時に使うことで、この集団に対抗する方法を発見しました。わたしは神経質で潔癖な性格ですが、そうした性質や善悪の統合こそが、超能力も何の能力も持たない、中卒の一般人である自分の唯一の武器になると気づいたのです。その結果、十年以上かけて、わたしは彼らに一切屈せず、ほぼあきらめさせるところまで追い込むことができました。もし✕✕✕✕さんが、この“高次元の支配者”に騙されたのだとしたら、その責任は大きいです。そのことにつながるアンチコメントも特定し、透明化し、彼らの根深い支配コントロールに対して厳しい責任を負わせるつもりでいます。いずれ、わたしがどういう存在なのか分かる時が来るでしょう。創造の根源の存在や銀河の善なる存在たちに命を守られながら、高次元の支配者と意識の戦争を生き延びてきた、中卒の一般人です。高次元の力を扱う存在には、わたしは常に厳しい目を向けています。
「イルマくん、わたし、なんだか頭が痛くなってきた……」
それはイルマも同じだった。
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