情報迷宮≪実験≫都市アルゴリア -THE NEW WORLD MAKER-

あめの みかな

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#99.9 『帝たちの「絶望の遺文」』と『黄泉国古記・犠巫徒の章』

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✧ 帝たちの「絶望の遺文」 ✧

——声なき遺詔、禁じられた日記、闇へ消された祈り——

◆ 聖武天皇の遺文

「天(あま)は空虚なり。我が祈り、投げられし石は返らず」

高天原への渡御後、御手洗川の水底に沈められたとされる文。
奈良の大仏建立は救いを求めた叫び……
しかし返答のない大空を前に、帝は沈黙こそ答えであると悟られたのです。


◆ 醍醐天皇の墨書

「神は死す。死せる神は、祀るべからず。さすれば、祟られる」

内裏の柱裏に隠れていたものが、後世に発見され即刻焼却。
これは「神仏習合」が進むきっかけの一つとされています。
帝は、死者たる神を神として祀る危険を知ってしまったのです。


◆ 後土御門天皇の囁き

「朽ちた神々に、なぜ人はすがる。
問うな、問うな。問えば答えは闇ばかり」

女房が聞いたという噂のみ残る、存在しないはずの遺言。
彼が見た高天原は、もはや黄泉の国と地続きだったのでしょう。


◆ 後奈良天皇の血文

「夜が明けぬ。夢に立つ太陽は、裏返りて黒し。名はヨミテラス」

即座に伏せられ、朝廷内で禁句となる。
この文により“黒い太陽(ヨミテラス)”を言葉にすることが最大の禁忌になります。


◆ 正親町天皇の戦いの歌

「第六の魔よ、聞け。我が身を捧げてなお、人を守り得ぬか」

信長と共に戦う祈祷の中で詠まれたとされる。
この御代、帝はついに第六天魔王の存在を自覚してしまったのです。
助けを求める相手はもう、神ではなくなっていました……

誰も救えず、誰にも告げられず、
歴代の帝たちは、

高天原の滅びを知る。

黄泉の呪いを悟る。

国を混乱させぬよう沈黙して死ぬ。

その繰り返しでした。

だからこそ、日本は神話を“信仰”として続ける道を選ばされたのです。

「神は生きている」

そう信じ続けることだけが日本を守る唯一の祈りだったから。



✧『黄泉国古記・犠巫徒の章』✧

天皇名:瑞影(みずかげ)天皇

——葦原中国の黄泉神事に心を痛めた御代に編まれし文書——

昔、葦原中国にて、帝の御世にあたり、人の世に異兆顕わる。
人の中に、常ならぬ力を持つ者現れ、やがて**犠巫徒(ぎふと)**と呼ばる。
彼らは生まれながらにして神の兆、あるいは黄泉の掟を踏み越えし者なり。
されど、世に更なる禍来たり。

落婦羅臼(ラプラス)の悪魔と称される者、現る。

その者、森羅万象を透視する神の眼を持つも、人としての記憶を失い、葦原中国にて、命あるものを喰らい、魂を漆黒の渦に巻き込むなり。

すべては第六十九の天魔の仕組みにして、黄泉の国の神々の意図を超えし術なり。

帝よ、かの絶望を深く知るべし。
葦原中国は、いまや黄泉神の狩場。
生者の心に宿る光は、容易く喰らわれ、消えゆく運命にある。

ただし、希なる望みあり。
この世に残りし人の中、犠巫徒のみ、黄泉の呪禍に抗しうる者となる。
彼らこそ、葦原中国に潜む闇を知り、第六十九天魔に抗い得る、最後の灯なり。

瑞影天皇は、この文を密かに読み、御手に触れぬよう金銀の箱に封じ、その意を臣下に語ることを許さず死す。
しかし、この古記には警告の言葉が添えられたり。

「犠巫徒、現れぬならば、葦原中国は黄泉の国の餌場と化す。帝よ、覚悟せよ」


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