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第18話「未来星の核に俺はなる!!」中
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「で、俺のコピーを作るっていうのは、どういう意味なんだ?」
「そういうギフトを持ってる仲間がわたしたちの組織にいるだけ」
「ギフト? お前たちもギフトを持ってるのか?」
「そうだよ。レイタくんだけが特別な存在じゃないんだ。ギフトを持ってる人は、この国にたくさんいるし、世界中の神話や伝説上の人物だって、大体ギフトを持ってたんだよ。まぁ、でも、レイタくんのコピーを作れるのはわたしたちじゃないけどね。詩ちゃん、お願いできる?」
「また新しい奴が出てくるのかよ。あんまり登場人物が増えると、読者が覚えられなくなって離れるらしいぜ」
特にこれがネット小説なら。そういうものだとレイタは何かで読んだことがあった。
けっして自分の中二病的妄想を小説にして「なろう」とか「カクヨム」とか「アルファポリス」に投稿したりはしていない。しようとしたことがあっただけというか、実際にしたものの全く読まれず、どうして読まれないのかを調べたことがあっただけだった。つまり、していた。
「大丈夫だよ。これは小説でも漫画でもなく現実だから」
「さっきと言ってること違うんだが!?」
「もしかして、信じちゃってた? さすがに、この世界が小説や漫画の世界なわけないでしょ?」
「こ、こいつ……」
「で、こちらにご用意しましたのが神名 詩(かみな うた)ちゃん! なんと! 詩ちゃんは写真からそこに映ってる人や物を指でつまんで取り出して、現実世界に出してあげることができま~っす!」
まるでテレビの料理番組か通販番組のように紹介された少女、というには少し大人っぽい女性は、
「神名 詩です……こんばんは……はじめまして」
何故かメイド服を着ていて(着させられていて?)、恥ずかしそうにモジモジしていた。
「なんでまたツインテールなんだよ! 黒髪だし、目も黒いし、なんかちょっと大人っぽいけど、顔の作りがぷぷるんやお前らとまったく一緒じゃねーか!?」
「もー、ごちゃごちゃうるさいなぁ。だから、さっき3人いるって言ったじゃん」
「ドッペルゲンガーは自分を含めて3人だよ! ひとり多いの!!」
「はいはい、わかったわかった。いーから詩ちゃん、早くこいつの写真撮っちゃって」
「う……うん」
パシャッ! 神名 詩という少女? 女性? は、首から提げていたポラロイドカメラでレイタの写真を撮った。
ウィーンとカメラから出てきた写真を手に取ると、彼女はまるでうちわでもあおぐようにヒラヒラさせた。
スマホのカメラしか使ったことがないレイタは知らなかったが、ポラロイドカメラで撮った写真は、最初は真っ白で徐々に写真が浮かび上がってくるものらしかった。
「レイタくん、詩ちゃんがこの写真に写ってるレイタくんを指でつまんで写真の外に取り出すとね、姿形がそっくりなだけじゃなくて、人格も記憶もギフトもまったくおんなじイミテーションのレイタくんが出てきちゃうわけなんだけど、どうする?」
「どうする? って何がだよ?」
「レイタくんは未来星の星の核と一体化しようとしてるんでしょ?」
「そうだけど……」
なんでそれを知っているのか不思議だった。その話はさっきぷぷるんにはじめてしたばかりだったからだ。
だが、たぶんそんなことは目の前にいる少女たちにとっては些末なことでしかないのだろう。だから訊ねるのはやめておいた。
「永遠に星の核となって、話し相手もいないまま、未来星を存続させるためだけに存在するわけだけど、レイタくんはそのことについてちょっと甘く見すぎなんじゃないかな?」
「この宇宙が収縮しはじめて、最終的にビッグバンが起きる前と同じ状態に戻る『ビッグクランチ』とか、宇宙が加速膨張しすぎて、銀河や星、原子、素粒子、時空が引き裂かれて宇宙が終焉を迎える『ビッグリップ』とか、そういうのが起きるまで何億年も何十億年もかかるんだけど?」
「だから、何だよ?」
「レイタ、ふたりが言いたいのは、その間ずっとレイタはひとりだけど、その孤独に耐えられるのかって訊いてるんだと思うのだ……ぷぷるんは会いに行けないし、もちろんマヒルも、レイタのパパやママとも、もう二度と会えなくなるのだ……」
確かに甘く見すぎていたかもしれないとレイタは思った。
だから、ぷぷるんは自分を止めようとしていたのだろう。彼女は本当に自分のことを大切に思ってくれてるんだなと思った。
「いくらイミテーションだからって言っても、詩ちゃんが生み出すのはもうひとりのあんただから、その子に自我や記憶を与えるのか与えないのかを、わたしたちは訊いてるんだよ?」
それならそうと最初からちゃんと説明してほしかった。
「詩ちゃんなら、自我も記憶もないけど、ギフトだけはちゃんと持ってるレイタくんを作れるんだ。たぶん、その方がいいと思う」
いくら自我も記憶もないレイタの形をした器のようなイミテーションだとしても、星の核と一体化する、ただそれだけのために産み出され、宇宙が滅亡するそのときまで孤独に過ごすもうひとりの自分を、レイタは不憫だなと思った。
「ギフトだけを取り出すとか、俺の先祖が飲んだっていう『不老不死の秘薬』にまで戻して取り出したりはできないのか?」
「……できません。ギフトは写真に映るものではありませんし、不老不死の秘薬も、秘薬の状態で写真に写っていれば別ですが。たとえあなたのご先祖様がこの写真に写っていたとしても、それは無理なんです……」
「記憶がなければ、たとえイミテーションが自我に目覚めたりしても、あんたとはまったく別の人格になるし、でもギフトは持ってるから勝手に未来星の核と一体化するはずだし、自分はそういう存在だって諦めるだけなんじゃないかな」
そうだとしても、やはり不憫だった。
「お、お願いするのだ……」
ぷぷるんは腹の底から絞り出したような声でそう言った。
「そういうギフトを持ってる仲間がわたしたちの組織にいるだけ」
「ギフト? お前たちもギフトを持ってるのか?」
「そうだよ。レイタくんだけが特別な存在じゃないんだ。ギフトを持ってる人は、この国にたくさんいるし、世界中の神話や伝説上の人物だって、大体ギフトを持ってたんだよ。まぁ、でも、レイタくんのコピーを作れるのはわたしたちじゃないけどね。詩ちゃん、お願いできる?」
「また新しい奴が出てくるのかよ。あんまり登場人物が増えると、読者が覚えられなくなって離れるらしいぜ」
特にこれがネット小説なら。そういうものだとレイタは何かで読んだことがあった。
けっして自分の中二病的妄想を小説にして「なろう」とか「カクヨム」とか「アルファポリス」に投稿したりはしていない。しようとしたことがあっただけというか、実際にしたものの全く読まれず、どうして読まれないのかを調べたことがあっただけだった。つまり、していた。
「大丈夫だよ。これは小説でも漫画でもなく現実だから」
「さっきと言ってること違うんだが!?」
「もしかして、信じちゃってた? さすがに、この世界が小説や漫画の世界なわけないでしょ?」
「こ、こいつ……」
「で、こちらにご用意しましたのが神名 詩(かみな うた)ちゃん! なんと! 詩ちゃんは写真からそこに映ってる人や物を指でつまんで取り出して、現実世界に出してあげることができま~っす!」
まるでテレビの料理番組か通販番組のように紹介された少女、というには少し大人っぽい女性は、
「神名 詩です……こんばんは……はじめまして」
何故かメイド服を着ていて(着させられていて?)、恥ずかしそうにモジモジしていた。
「なんでまたツインテールなんだよ! 黒髪だし、目も黒いし、なんかちょっと大人っぽいけど、顔の作りがぷぷるんやお前らとまったく一緒じゃねーか!?」
「もー、ごちゃごちゃうるさいなぁ。だから、さっき3人いるって言ったじゃん」
「ドッペルゲンガーは自分を含めて3人だよ! ひとり多いの!!」
「はいはい、わかったわかった。いーから詩ちゃん、早くこいつの写真撮っちゃって」
「う……うん」
パシャッ! 神名 詩という少女? 女性? は、首から提げていたポラロイドカメラでレイタの写真を撮った。
ウィーンとカメラから出てきた写真を手に取ると、彼女はまるでうちわでもあおぐようにヒラヒラさせた。
スマホのカメラしか使ったことがないレイタは知らなかったが、ポラロイドカメラで撮った写真は、最初は真っ白で徐々に写真が浮かび上がってくるものらしかった。
「レイタくん、詩ちゃんがこの写真に写ってるレイタくんを指でつまんで写真の外に取り出すとね、姿形がそっくりなだけじゃなくて、人格も記憶もギフトもまったくおんなじイミテーションのレイタくんが出てきちゃうわけなんだけど、どうする?」
「どうする? って何がだよ?」
「レイタくんは未来星の星の核と一体化しようとしてるんでしょ?」
「そうだけど……」
なんでそれを知っているのか不思議だった。その話はさっきぷぷるんにはじめてしたばかりだったからだ。
だが、たぶんそんなことは目の前にいる少女たちにとっては些末なことでしかないのだろう。だから訊ねるのはやめておいた。
「永遠に星の核となって、話し相手もいないまま、未来星を存続させるためだけに存在するわけだけど、レイタくんはそのことについてちょっと甘く見すぎなんじゃないかな?」
「この宇宙が収縮しはじめて、最終的にビッグバンが起きる前と同じ状態に戻る『ビッグクランチ』とか、宇宙が加速膨張しすぎて、銀河や星、原子、素粒子、時空が引き裂かれて宇宙が終焉を迎える『ビッグリップ』とか、そういうのが起きるまで何億年も何十億年もかかるんだけど?」
「だから、何だよ?」
「レイタ、ふたりが言いたいのは、その間ずっとレイタはひとりだけど、その孤独に耐えられるのかって訊いてるんだと思うのだ……ぷぷるんは会いに行けないし、もちろんマヒルも、レイタのパパやママとも、もう二度と会えなくなるのだ……」
確かに甘く見すぎていたかもしれないとレイタは思った。
だから、ぷぷるんは自分を止めようとしていたのだろう。彼女は本当に自分のことを大切に思ってくれてるんだなと思った。
「いくらイミテーションだからって言っても、詩ちゃんが生み出すのはもうひとりのあんただから、その子に自我や記憶を与えるのか与えないのかを、わたしたちは訊いてるんだよ?」
それならそうと最初からちゃんと説明してほしかった。
「詩ちゃんなら、自我も記憶もないけど、ギフトだけはちゃんと持ってるレイタくんを作れるんだ。たぶん、その方がいいと思う」
いくら自我も記憶もないレイタの形をした器のようなイミテーションだとしても、星の核と一体化する、ただそれだけのために産み出され、宇宙が滅亡するそのときまで孤独に過ごすもうひとりの自分を、レイタは不憫だなと思った。
「ギフトだけを取り出すとか、俺の先祖が飲んだっていう『不老不死の秘薬』にまで戻して取り出したりはできないのか?」
「……できません。ギフトは写真に映るものではありませんし、不老不死の秘薬も、秘薬の状態で写真に写っていれば別ですが。たとえあなたのご先祖様がこの写真に写っていたとしても、それは無理なんです……」
「記憶がなければ、たとえイミテーションが自我に目覚めたりしても、あんたとはまったく別の人格になるし、でもギフトは持ってるから勝手に未来星の核と一体化するはずだし、自分はそういう存在だって諦めるだけなんじゃないかな」
そうだとしても、やはり不憫だった。
「お、お願いするのだ……」
ぷぷるんは腹の底から絞り出したような声でそう言った。
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