未来星人ぷぷるん VS 強襲! スク水星人 , 激神!! ブルマー星人 , 烈戦!!!女児服星人 , 未来星人絶滅計画!!!!

あめの みかな

文字の大きさ
46 / 51

第46話「覚醒マヒル、止まらぬ力」前編

しおりを挟む
「さあ、選んで。レイタ」

ポニ神イテイルの笑みは、悪しき女神のそれだった。
そこにはもうマルブの面影はなかった。
彼女の人格や魂のようなものは、もうその体の中にはいないのだろう。

「わたしとウルとルゥの側について、ぷぷるんとマヒルを殺して、ミズキを生き返らせる? わたしと一緒に新たな宇宙の創造主になってくれる?
 それともぷぷるんとマヒルの側について、わたしたちを殺す? でも、ふたりを守りきれるかな? 大切なお馴染みを目の前で殺されてみる?
 わたしはどっちでもいいよ。過程は違っても、君はわたしと共に創造主になる。結果は同じだよ」

まるで女○転生だなとレイタは思った。
秩序を選ぶか混沌を選ぶかを、彼は今迫られている。
ゲームと違うのは、どちらも選ばないという中庸という選択肢がないことと、提示された選択肢はどちらも混沌でしかないということだろうか。

だが、ミズキについては、それ以外にも手はあった。

写真に写る人や物を、指でつまんで写真の外に取り出すことができる人物がいる。
取り出された人や物は、本物そっくりのイミテーションとなる。DNAが同じなだけの一卵性双生児やクローンと違って、指紋や網膜まで完全に同じイミテーションを作ることができる。人格や記憶さえも引き継ぐ。
そんなギフトを持つ人物をレイタは知っていた。

神名 詩という、ぷぷるんを少し大人にしたような、瓜二つの顔をした女性だ。
一緒に彼の前に現れた鶴房ナノカや秋月ピノアという少女と違い、彼女の髪や瞳の色は黒だったけれど。

その人がレイタのイミテーションを作ってくれたから、未来星の星の核と一体化するのはレイタではなく、イミテーションになっていた。
一度しか会ったことはない。どこに住んでいるかもわからない。連絡先も知らない。おまけに、彼女の存在やそのギフトが本物であることを知っているのは、レイタとぷぷるんだけだ。

スマホの中には、いつだったか皆で撮った写真がある。
彼女ともう一度会うことができれば、プリントアウトした写真から、ミズキのイミテーションを生み出してもらうことができる。

ミズキのことさえどうにかすることが出来れば、ウルやルゥと戦わずに済む。
目の前にいるポニ神イテイルをどうにかするだけでいい。

「ぷぷるん、キンリンシチョーソンは……シャチホコ型ビットは何機残ってる?」

「奥の手のアマシを入れて6機なのだ……」

「半分以上残ってるな。どこまで飛ばせる? カメラはついてるか? 神名 詩って人のこと、覚えてるか? 探せるか?」

「地球のどこにでも飛ばせるのだ……カメラもついてるし、自動操縦に切り換えれば、ぷぷるんのドッペルゲンガーを見つけることくらい簡単なのだ……」

「すぐにやってくれ。みんなで撮った写真が、LINEのグループチャットにあるはずだ。コンビニかうちか、どこでもいいから写真をプリントアウトすれば……」

「なるほどなのだ。あいつに頼めば、ミズキのイミテーションを作ってもらえるのだ」

ぷぷるんはようやくレイタの言わんとしていることがわかったらしい。

「でも、簡単だけど時間がかかるのだ……今すぐに見つけるのは無理なのだ……何日かかるかわからないのだ……」

それに、そんなギフトを持つ地球人がいると話したところで、ウルやルゥは信じてはくれないだろう。
ふたりに話せば、イテイルも神名 詩の存在を知ることになる。彼女の身に危険がおよぶ可能性があった。

「そうか……とりあえず、探してくれ」

「わかったのだ。ビームが撃てなくなっただけの子もいるから、8機飛ばすのだ……どうせ、ウルたちにこの子たちは使えないのだ……」

「あのポニ神ってやつに気づかれないようにやってくれ」

今はウルやルゥと戦うしかなくても、命までは奪う必要はない。無力化することさえできればいい。
先にイテイルを始末してしまえば、ミズキを甦らせることは不可能になる。ふたりと戦わずにすむかもしれない。
最悪、ふたりを死なせてしまっても、神名 詩さえ見つけることができれば、スク水星三姉妹をみんなイミテーションとして甦らせることができる。
イテイルに体を乗っ取られる前のマルブもだ。

まるで「大丈夫だ、ド○ゴンボールで生きけえれる」と言って、仲間の家族を見捨てるような発言をしたクズ○ットだ、とレイタは自嘲した。
彼もレイタも現状で出来ることを最優先にしていただけなのだが、その思考はよく言えばドライ、悪く言えばサイコパスだった。

それにしても、女○転生だのド○ゴンボールだの、こんなときにまで現状をゲームや漫画にたとえてしまうのは、自分でも悪い癖だなと思った。

「やめて! これ以上、レイちゃんを巻き込まないでっ!」

レイタは必死で知恵を絞ったが、そのせいでマヒルの中で何かがはじけつつあることに気づくことができなかった。

悲鳴のような叫びとともに、マヒルの身体が光に包まれる。
三つ編みがほどけ、髪が逆立ち、瞳が光を宿し、空間そのものが揺らいだ。
まるで、スーパーサイ……いや、もう漫画にたとえるはやめよう。

「な、なに……!?」

イテイルが、一歩退いた。

マヒルの背中から立ちのぼるのは、燃えさかる神々しき炎。
それは、自己進化の炎だった。

「マヒルに何が起きているのだ……? 5倍以上のエネルギーゲインがあるのだ……」

ダメだった。レイタがやめても、ぷぷるんが息をするようにアニメやゲームにたとえてしまう。

マヒルは幼い頃から何度レイタの手に触れてきたかわからない。
最近はほとんど、いや、まったくしなくなっていたが、幼い頃はいつも手を繋いで歩いていた。

あぁ、だからか、とレイタは思った。
アリフの力を皆に分け与えることも、零多の力を使うこともできなくなっていた彼に、戦う力を分け与えてくれたのはマヒルだった。

レイタは無意識のうちに、幼い頃からずっとマヒルに自己進化を促し続けていたのだ。
今、彼の目の前にいるマヒルは、ふたりの幼い頃の思い出が形を成した結果だった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ダンジョン学園サブカル同好会の日常

くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。 まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。 しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。 一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。

退く理由ある探索者

ソイラテ
ファンタジー
正面から挑んだ探索者は、だいたい帰ってこない。 東京にダンジョンが出現した世界。 危険度は低〜中、初心者向け――そう説明される場所でさえ、死者はゼロではなかった。 金は必要だ。 だが、死ぬつもりはない。 強くもなく、装備も足りない主人公が選んだのは、 勝つ方法ではなく、「退く理由」を積み上げること。 一本道を避け、引き返せる余地を残し、 生きて帰る確率を、ほんの少しだけ上げていく。 これは、無双しない探索者が、 現代日本のダンジョンで“生き残る”ための物語。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

まだ見ぬ未来へ駆け抜けて!

小林汐希
ライト文芸
2年5組の生徒:松本花菜(17歳 高校2年生) 2年5組の担任:長谷川啓太(23歳 教師歴1年目) 幼い頃から、様々な悩みを抱えながら過ごしてきた花菜。 それは幼い頃に父との離別を経験した家庭環境だったり、小学校の最後に作ってしまった体の古傷であったり。 学校外の時間を一人で過ごすことになった彼女の唯一、かつ絶対的な味方でいてくれたのが、近所に住む啓太お兄ちゃんだった。 しかし年の離れた二人の関係では仕方ないとはいえ、啓太の大学進学や環境変化とともに、その時間は終わりを迎えてしまう。 ふさぎ込む花菜を前に、啓太は最後に「必ず迎えに来る」という言葉を残して街を離れた。 言葉を受け取った花菜は、自分を泣かせないための慰めだったという諦めも入りつつ、一方で微かな希望として心の中で温め続けていた。 数年の時を経て二人が再び顔を合わせたものの、もはや運命の意地悪とでもいうべき「担任教師と生徒」という関係。 最初は様子伺いだったけれど、往時の気持ちが変わっていないことを再確認してからは、「一人じゃない」と嬉しいこと・辛いことも乗り越えていく二人には少しずつ背中を押してくれる味方も増えていく。 再会した当初は「おとなしい終末的運命キャラ」になっていた花菜も次第に自信を取り戻し、新米教師の啓太も花菜のサポートを裏で受けつつ堂々と教壇に立ち続けた。 そんな互いを支えあった二人の前に開けた世界は……。 たった一つだけの約束を胸に、嬉しいときは一緒に喜び、悲しいときは支えあって走り抜けた二人の物語です。

現代社会とダンジョンの共生~華の無いダンジョン生活

シン
ファンタジー
 世界中に色々な歪みを引き起こした第二次世界大戦。  大日本帝国は敗戦国となり、国際的な制約を受けながらも復興に勤しんだ。  GHQの占領統治が終了した直後、高度経済成長に呼応するかのように全国にダンジョンが誕生した。  ダンジョンにはモンスターと呼ばれる魔物が生息しており危険な場所だが、貴重な鉱物やモンスター由来の素材や食材が入手出来る、夢の様な場所でもあった。  そのダンジョンからモンスターと戦い、資源を持ち帰る者を探索者と呼ばれ、当時は一攫千金を目論む卑しい職業と呼ばれていたが、現代では国と国民のお腹とサイフを支える立派な職業に昇華した。  探索者は極稀にダンジョン内で発見されるスキルオーブから特殊な能力を得る者が居たが、基本的には身一つの状態でダンジョン探索をするのが普通だ。  そんなダンジョンの探索や、たまにご飯、たまに揉め事などの、華の無いダンジョン探索者のお話しです。  たまに有り得ない方向に話が飛びます。    一話短めです。

《カクヨム様で15000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う

なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。 スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、 ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。 弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、 満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。 そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは―― 拾ってきた野良の黒猫“クロ”。 だが命の灯が消えかけた夜、 その黒猫は正体を現す。 クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在―― しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。 力を失われ、語ることすら封じられたクロは、 復讐を果たすための契約者を探していた。 クロは瀕死のソラと契約し、 彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。 唯一のスキル《アイテムボックス》。 そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、 弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。 だがその裏で、 クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、 復讐の道を静かに歩み始めていた。 これは―― “最弱”と“最凶”が手を取り合い、 未来をやり直す物語

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

【悲報】現代ダンジョン時代、俺の職業がLv.1チンピラ【詰み】

道雪ちゃん
ファンタジー
2024年の年末、世界中に突如ダンジョンが出現した。 大学生・三上ひよりも探索者になることを決意するが、与えられた職業は――世界で一人しかいないユニーク職「Lv.1チンピラ」。 周囲からは笑われ、初期スキルもほとんど役に立たない。 それでも、生き残るためにはダンジョンに挑むしかない。 これは、ネット住民と世界におもちゃにされながらも、真面目に生き抜く青年の物語。 ※基本的にスレッド形式がメインです

処理中です...