​マイクロビキニアーマーの美少女勇者 対 アナルバイブ男爵 ―アジル・イマ戦記 勇者ラピスラズリの性受験英雄譚 学歴の頂、露出の果てに―

あめの みかな

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​第十一話:『終極奥義、門舞媧顎掌(もんぶががくしょう)』

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​ 「将来への不安」を焼き払った私の前で、男爵が忌々しげに立ち上がった。
 彼の背後、ドームの天井が割れ、巨大な「黄金の天秤」が出現する。それはこの世界の全人類の偏差値、経歴、そして「価値」を計測し、魔力の源泉へと変換する巨大な魂のサーバー。

​「認めよう、ラピスラズリ。君のバグは、もはや私の論理では制御不能だ。……ならば、世界ごと『不採用』にするまで!」

​ 男爵が仮面に手をかけ、その真の姿を現した。
 仮面の下にあったのは、絶えず激しく震え、周囲の空間を歪ませる「虚無の穴」。そこから放たれるのは、あらゆる感情を無に帰す超高周波の絶望――『最終判定(ファイナル・ジャッジメント)』。

​「う、……ああああああ!!」

​ 私の肌を覆っていた最後のラメが、その振動に耐えきれず、一粒、また一粒と剥がれ落ちていく。
 ついに、私の身体を覆うものは何一つなくなった。
 全裸。
 一国の勇者が、あろうことか魔王の玉座の前で、一糸まとわぬ姿で立ち尽くす。
 だが。

​「……恥ずかしい……、……恥ずかしい……、……恥ずかしい……っ!!」

​ その瞬間、私の羞恥心は、この宇宙が誕生したビッグバンに等しいエネルギーへと変換された。
 隠すものがない。だからこそ、全身の毛穴、細胞の一つ一つから、眩いばかりの「極光(オーロラ)」が噴出した。
 それはもはや防御魔法ではない。

 「私を見てほしくない」という拒絶が、「世界という観測者を書き換える」という神の権能へと進化したのだ。

​「――『門舞媧顎掌(もんぶががくしょう)』!!」

​ 私は、羞恥に震える掌(てのひら)を、男爵、そして背後の黄金の天秤へと差し出した。
 私の背後には、かつて倒してきた浪人生スライム、反抗期の騎士、そして不適切な勇者を見守ってきた無銘の戦士たちの「視線」が、何百万もの『冥門』となって花弁のように開いた。

​ その門を、舞わせる。
 私の掌が空を切ると、男爵の『最終判定』が、私の羞恥オーラに当てられてバラバラに分解されていく。

​「な……っ、何だこの光景は! 世界の理が、……一人の少女の『恥じらい』によって、上書きされていくというのか!?」

​「あんたが作った……『誰かを評価する世界』なんて……! 私の、……この、……どうしようもなく恥ずかしい『今』で、全部白紙(リセット)にしてあげるわ!!」

​ 私は、全裸のまま空を舞った。
 羞恥心という名のジェットエンジンが、私を音速の壁の向こう側へと運ぶ。
 
 掌が、男爵の胸元に触れた。
 
 ――陽血炎の情熱。
 ――瘴顎昂の悔しさ。
 ――die顎昂の破壊衝動。
 
 そのすべてを込めた、究極の掌打。
 
「――消えなさい! そして、みんな、……本当の自分に戻るのよ!!」

​ ドガァァァァァァァァン!!
​ 男爵の身体が、そして魂のサーバーである巨大天秤が、私の掌から放たれた紫色の衝撃波によって、原子レベルで分解されていく。

 「不合格」と書かれた全ての書類が、青空に舞う桜吹雪のように、真っ白な紙へと変わった。
​ 男爵は、虚無へと吸い込まれながら、最後に信じられないものを見たというような顔で笑った。

「……クク、……ハハハ……! 負けたよ。……まさか、……『裸の心』に、……私の経歴が……負けるとは……な……」

​ 大爆発。
 要塞『die顎昂』が、光の粒子となって崩壊していく。
 私はその光の渦の中で、ただ一人、自分の身体を抱きしめて泣いていた。
 
 恥ずかしかった。
 本当に、死ぬほど恥ずかしかったけれど。
 
 でも、今、私の心は、……何よりも自由だった。
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