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『マイクロビキニアーマーの女勇者 対 アナルバイブ男爵:Re-Birth』
第十四話:『第七の星「瑤」 ― 瑤島光の終焉(前編)』
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「……国木田の、おじさまが……?」
私は、お兄ちゃんから手渡された一通の古い捜査資料を見て、言葉を失った。
そこには、20年前の天城家の火災現場で、冷徹な瞳をして炎を見つめる若き日の国木田の姿が写っていた。
私の記憶にある彼は、いつもお菓子を届けてくれる、警察幹部の優しい「おじさま」だった。だが、お兄ちゃんの語る真実は、その偽りの笑顔を完膚なきまでに叩き壊した。
「……あの日、両親を殺し、家に火を放ったのは国木田だ。奴は異世界の魔王……アナルバイブ男爵と契約し、現世の死人の魂をあちらへ送り、代わりに魔王たちの核をこちらの世界に招き入れた。奴にとってこの国は、異世界の力を利用するための巨大な実験場に過ぎない」
「そんな……。じゃあ、私が異世界に飛ばされたのも、お兄ちゃんが殺人鬼と呼ばれているのも、全部……」
「……ああ。すべては国木田と、最後の一人……瑤島光による筋書きだ」
お兄ちゃんは、これまでの戦いで使い古された「検眼枠(テストフレーム)」を、かつてないほど鋭い手付きで装着した。
「瑠璃、行くぞ。……瑤島光(ようじま ひかり)は、新宿の雑踏のど真ん中で待っている。……奴の正体は、お前がかつて倒した、あの男爵の転生体だ」
カチャリ、と冷たい音が鳴る。その奥にある瞳には、20年分の殺意が凝縮されていた。
ネオンが輝く新宿、歌舞伎町。
人混みの中に、一際異彩を放つ美女が立っていた。瑤島光。
漆黒のドレスを纏い、手には禍々しく振動するクリスタルの杖……いや、それは異世界で見た「あの呪具」の形状そのものだった。
「オホホホ! お久しぶりね、勇者ラピスラズリ。……いえ、今は天城瑠璃だったかしら?」
光が口を開いた瞬間、周囲に立ち込める空気の質が変わった。
死を司る第七の星。彼女が杖をひと振りするだけで、周囲の通行人たちが糸の切れた人形のように崩れ落ちていく。
「あんた……! 女の姿になっても、その下劣な魔力は変わらないわね!!」
「あら、失礼ね。これでもこちらの世界では『最高の快楽(死)』を届ける救世主として崇められているのよ。……さあ、国木田が用意したこの最高の舞台で、あなたたちの惨めな死を演じてちょうだい!」
「――瑠璃! コートを脱げ!! 奴の死の波動を相殺できるのは、お前の『生の脈動(はじらい)』だけだ!!」
お兄ちゃんの叫びに合わせ、私は人混みのど真ん中で、迷いなくコートを投げ捨てた。
瞬間、歌舞伎町のビルボードよりも眩い黄金の光が炸裂した。
「原子的マイクロビキニ」が、最終形態へと移行する。もはや布の概念はなく、恥じらいの感情そのものが、私の肌をギリギリで覆う「羞恥の光膜」と化していた。
「――っ、はぅううううううう!! 見ないで! 新宿のど真ん中で、こんな、こんな……街頭ビジョンより破廉恥な格好の私を、誰も見ないでぇぇぇぇ!!」
ドゴォォォォォォォォン!!
私の羞恥心が限界を突破し、半径数百メートルの「死の波動」を熱烈な「生のオーラ」で上書きした。
崩れ落ちていた人々が、私のあまりの露出の強烈さに、顔を真っ赤にして「な、なんだあの娘……!?」と意識を取り戻していく。
「バカな!? 私の『死の振動(デス・バイブレーション)』が、……ただの公然わいせつ紛いのオーラに防がれるなんて……っ!!」
「――公然わいせつじゃないわよ! 勇者ラピスラズリ、……天城瑠璃の、魂の叫びよぉぉぉぉ!!」
私は、お兄ちゃんの検眼枠が導き出した「最短の軌道」を突風のように駆け抜けた。
だが、瑤島光の力はこれまでの六人とは比較にならない。
彼女が杖を突き出すと、アスファルトを突き破って、異世界の魔物たちが次々と召喚される。
「お兄ちゃん! 数が多すぎるよ!!」
「……案ずるな。……ピントはすでに、奴の『心臓』に合っている。……瑠璃、お前はただ……奴の視線を釘付けにしろ。……最高に、……はしたなくなれ」
「――っ、わかったわよ!! お兄ちゃんのためなら、……私、……もっと……もっと……恥ずかしくなってやるんだからぁぁぁ!!」
私は、新宿の街角で、これまでのどの戦いよりも過激な「誘惑のポーズ」をとった。
羞恥心が太陽のように輝き、瑤島光の魔力を、その根底から狂わせていく。
「――国木田。……そして瑤島。……お前たちの描いた20年の悪夢、……ここで『永久に切除』する」
そしてその背後、ビルの影から、死神のような速度でお兄ちゃんが躍り出た。
私は、お兄ちゃんから手渡された一通の古い捜査資料を見て、言葉を失った。
そこには、20年前の天城家の火災現場で、冷徹な瞳をして炎を見つめる若き日の国木田の姿が写っていた。
私の記憶にある彼は、いつもお菓子を届けてくれる、警察幹部の優しい「おじさま」だった。だが、お兄ちゃんの語る真実は、その偽りの笑顔を完膚なきまでに叩き壊した。
「……あの日、両親を殺し、家に火を放ったのは国木田だ。奴は異世界の魔王……アナルバイブ男爵と契約し、現世の死人の魂をあちらへ送り、代わりに魔王たちの核をこちらの世界に招き入れた。奴にとってこの国は、異世界の力を利用するための巨大な実験場に過ぎない」
「そんな……。じゃあ、私が異世界に飛ばされたのも、お兄ちゃんが殺人鬼と呼ばれているのも、全部……」
「……ああ。すべては国木田と、最後の一人……瑤島光による筋書きだ」
お兄ちゃんは、これまでの戦いで使い古された「検眼枠(テストフレーム)」を、かつてないほど鋭い手付きで装着した。
「瑠璃、行くぞ。……瑤島光(ようじま ひかり)は、新宿の雑踏のど真ん中で待っている。……奴の正体は、お前がかつて倒した、あの男爵の転生体だ」
カチャリ、と冷たい音が鳴る。その奥にある瞳には、20年分の殺意が凝縮されていた。
ネオンが輝く新宿、歌舞伎町。
人混みの中に、一際異彩を放つ美女が立っていた。瑤島光。
漆黒のドレスを纏い、手には禍々しく振動するクリスタルの杖……いや、それは異世界で見た「あの呪具」の形状そのものだった。
「オホホホ! お久しぶりね、勇者ラピスラズリ。……いえ、今は天城瑠璃だったかしら?」
光が口を開いた瞬間、周囲に立ち込める空気の質が変わった。
死を司る第七の星。彼女が杖をひと振りするだけで、周囲の通行人たちが糸の切れた人形のように崩れ落ちていく。
「あんた……! 女の姿になっても、その下劣な魔力は変わらないわね!!」
「あら、失礼ね。これでもこちらの世界では『最高の快楽(死)』を届ける救世主として崇められているのよ。……さあ、国木田が用意したこの最高の舞台で、あなたたちの惨めな死を演じてちょうだい!」
「――瑠璃! コートを脱げ!! 奴の死の波動を相殺できるのは、お前の『生の脈動(はじらい)』だけだ!!」
お兄ちゃんの叫びに合わせ、私は人混みのど真ん中で、迷いなくコートを投げ捨てた。
瞬間、歌舞伎町のビルボードよりも眩い黄金の光が炸裂した。
「原子的マイクロビキニ」が、最終形態へと移行する。もはや布の概念はなく、恥じらいの感情そのものが、私の肌をギリギリで覆う「羞恥の光膜」と化していた。
「――っ、はぅううううううう!! 見ないで! 新宿のど真ん中で、こんな、こんな……街頭ビジョンより破廉恥な格好の私を、誰も見ないでぇぇぇぇ!!」
ドゴォォォォォォォォン!!
私の羞恥心が限界を突破し、半径数百メートルの「死の波動」を熱烈な「生のオーラ」で上書きした。
崩れ落ちていた人々が、私のあまりの露出の強烈さに、顔を真っ赤にして「な、なんだあの娘……!?」と意識を取り戻していく。
「バカな!? 私の『死の振動(デス・バイブレーション)』が、……ただの公然わいせつ紛いのオーラに防がれるなんて……っ!!」
「――公然わいせつじゃないわよ! 勇者ラピスラズリ、……天城瑠璃の、魂の叫びよぉぉぉぉ!!」
私は、お兄ちゃんの検眼枠が導き出した「最短の軌道」を突風のように駆け抜けた。
だが、瑤島光の力はこれまでの六人とは比較にならない。
彼女が杖を突き出すと、アスファルトを突き破って、異世界の魔物たちが次々と召喚される。
「お兄ちゃん! 数が多すぎるよ!!」
「……案ずるな。……ピントはすでに、奴の『心臓』に合っている。……瑠璃、お前はただ……奴の視線を釘付けにしろ。……最高に、……はしたなくなれ」
「――っ、わかったわよ!! お兄ちゃんのためなら、……私、……もっと……もっと……恥ずかしくなってやるんだからぁぁぁ!!」
私は、新宿の街角で、これまでのどの戦いよりも過激な「誘惑のポーズ」をとった。
羞恥心が太陽のように輝き、瑤島光の魔力を、その根底から狂わせていく。
「――国木田。……そして瑤島。……お前たちの描いた20年の悪夢、……ここで『永久に切除』する」
そしてその背後、ビルの影から、死神のような速度でお兄ちゃんが躍り出た。
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