5 / 37
レニドールSide
失恋
しおりを挟む
俺はこの時人生で一番やさぐれていた。そう、あれは魔王討伐を言い渡された日の一週間前だった……。
ルーファスはその日夕方までの通常勤務で、上がるところを偶然見かけた。
俺は城を抜け出して、ルーファスを食事にでも誘おうかと思い、追いかけた。
それが良くなかった……。
王都中央広場の噴水で誰かと待ち合わせしていたらしいルーファスは、待ち合わせ相手を見つけると微笑み、二人で歩き出す。
相手の男を見ると騎士団の事務員で、物凄く美人と評判の男だった。ミルクティー色の柔らかそうな艶のある髪の毛に、二重の切れ長の薄い青色の眼の彼は、評判どおりの中性的な美人顔。
なんとなく感じる嫌な雰囲気を無視して二人の後を追いかける。二人が姿を消したのは高級宿だった……。
食事をするだけではないのは明らかで。
付き合っているのか、身体だけの関係なのかはわからない。でも、思い返すと訓練の合間に、二人が親しげに会話しているところを何度も見かけていた。
俺には性的な事を言わないし、匂わせないルーファスは、知らない所でやることはやっていたのだ……。
閨教育も逃げ回っている俺は、色んなことを知らなすぎた。
これからルーファスはあの男を抱く……。
ルーファスはどんな風に触るのか。あの男はどんな風に抱かれるのか……。
ルーファスとはかなり親しい間柄だと自負していたから、何かしら好意を寄せられていたら誘われたかもしれない。しかし色気のある話すらされた事なかった。今更ながら俺はルーファスの範疇外なんだと痛感した。
家族も、友人も、愛する人さえもすべて俺には手に入れられない。心臓が軋む様に痛む。悲しみと絶望で、俺は暫くそこに立ち尽くしていた。
失恋のショックで暫く何もする気がなれない所に、あの神託の話だ。弱り目に祟り目でやさぐれたくもなる。
死にに行くなら最期くらいは愛する人に見送られたいと、その時は思ったんだよ!
でも、冷静になって思い返してみると、ルーファスに好かれるような事を俺はしてきただろうか?泣いては慰められて、稽古も一緒にしてくれて……。うん、手の掛かる弟だな、これ。
そういうわけで帰りの旅で頑張ってアピールして、恋愛対象にしてもらう!
「殿下、この辺りはあまりいい食事処と宿は無さそうですが……」
俺は内心意気込んでいると、ルーファスは思案げに村を見渡す。
「うん? まあ辺境の端の村だからなぁ。宿があって食事がでるならそれだけでありがたいよ。王家の手形貰ってるけど、国民の税だし金はあまり使いたくない」
「……はぁ……殿下は本当に……」
ルーファスは眉間を揉む。あれ、なんか呆れてる?まあ、公爵家次男のルーファスは鄙びた宿なんか嫌だよなあ。
「ルーファスが嫌なら大きい街まで駆けてもいいけど」
「……いえ、野宿の疲れも蓄積されてるので、贅沢は言わずここで一泊しましょう」
「へへっ隣国の食事楽しみなんだよな。鄙びた村でも」
「ふふっでは宿の前に食事に行きましょうか」
俺はさり気なくルーファスの手を繋いで歩き出すと、ルーファスの手が一瞬ピクリと止まった。
驚かせたかな?
鄙びた食事処でも一応隣国料理なので、珍しいし、美味しかった。旅の開放感に任せて普段は絶対にできない皿をシェアしたり、あーんをしたのだった。
教わった恋愛テクニックを今日から駆使していくぜ!
ルーファスはその日夕方までの通常勤務で、上がるところを偶然見かけた。
俺は城を抜け出して、ルーファスを食事にでも誘おうかと思い、追いかけた。
それが良くなかった……。
王都中央広場の噴水で誰かと待ち合わせしていたらしいルーファスは、待ち合わせ相手を見つけると微笑み、二人で歩き出す。
相手の男を見ると騎士団の事務員で、物凄く美人と評判の男だった。ミルクティー色の柔らかそうな艶のある髪の毛に、二重の切れ長の薄い青色の眼の彼は、評判どおりの中性的な美人顔。
なんとなく感じる嫌な雰囲気を無視して二人の後を追いかける。二人が姿を消したのは高級宿だった……。
食事をするだけではないのは明らかで。
付き合っているのか、身体だけの関係なのかはわからない。でも、思い返すと訓練の合間に、二人が親しげに会話しているところを何度も見かけていた。
俺には性的な事を言わないし、匂わせないルーファスは、知らない所でやることはやっていたのだ……。
閨教育も逃げ回っている俺は、色んなことを知らなすぎた。
これからルーファスはあの男を抱く……。
ルーファスはどんな風に触るのか。あの男はどんな風に抱かれるのか……。
ルーファスとはかなり親しい間柄だと自負していたから、何かしら好意を寄せられていたら誘われたかもしれない。しかし色気のある話すらされた事なかった。今更ながら俺はルーファスの範疇外なんだと痛感した。
家族も、友人も、愛する人さえもすべて俺には手に入れられない。心臓が軋む様に痛む。悲しみと絶望で、俺は暫くそこに立ち尽くしていた。
失恋のショックで暫く何もする気がなれない所に、あの神託の話だ。弱り目に祟り目でやさぐれたくもなる。
死にに行くなら最期くらいは愛する人に見送られたいと、その時は思ったんだよ!
でも、冷静になって思い返してみると、ルーファスに好かれるような事を俺はしてきただろうか?泣いては慰められて、稽古も一緒にしてくれて……。うん、手の掛かる弟だな、これ。
そういうわけで帰りの旅で頑張ってアピールして、恋愛対象にしてもらう!
「殿下、この辺りはあまりいい食事処と宿は無さそうですが……」
俺は内心意気込んでいると、ルーファスは思案げに村を見渡す。
「うん? まあ辺境の端の村だからなぁ。宿があって食事がでるならそれだけでありがたいよ。王家の手形貰ってるけど、国民の税だし金はあまり使いたくない」
「……はぁ……殿下は本当に……」
ルーファスは眉間を揉む。あれ、なんか呆れてる?まあ、公爵家次男のルーファスは鄙びた宿なんか嫌だよなあ。
「ルーファスが嫌なら大きい街まで駆けてもいいけど」
「……いえ、野宿の疲れも蓄積されてるので、贅沢は言わずここで一泊しましょう」
「へへっ隣国の食事楽しみなんだよな。鄙びた村でも」
「ふふっでは宿の前に食事に行きましょうか」
俺はさり気なくルーファスの手を繋いで歩き出すと、ルーファスの手が一瞬ピクリと止まった。
驚かせたかな?
鄙びた食事処でも一応隣国料理なので、珍しいし、美味しかった。旅の開放感に任せて普段は絶対にできない皿をシェアしたり、あーんをしたのだった。
教わった恋愛テクニックを今日から駆使していくぜ!
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる