王子の凱旋

小野あやか

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レニドールSide2

R 意地悪

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明るい浴室にて、ルーファスは俺の身体を隅々と清めていった。
「あっルー……ファス……っやっ恥ずかしい……」
昨日は本当に何もかもが恥ずかしかったが、明るい浴室で身体を見られながら洗われるのもまた恥ずかしい。
「閨はこういう浴室での楽しみ方があるんですよ。泡がぬるぬるして気持ちいいでしょう?」
「ん……きもち、い……けど……あっあっ」
石鹸の泡を纏わせた手で陰茎を扱かれ、あっという間にイッてしまった。快感と浴室の湿度や温度で頭がぽやんとする。少し落ち着いてから、俺もルーファスの陰茎をいじり始めた。
立ったルーファスの前に跪き、陰茎を口に含み口淫する。ルーファスにご奉仕しているようで、なんだかゾクゾクして、結構興奮する。
昨日教えられた通りに動かしたり、自分なりにされたら気持ちいい所を舌を使いながら口で扱く。浅くしたり深く咥えたりを暫く繰り返す。
「……っ殿下、こんな短期間で上達するとは……っそろそろイキそうなので、離していいですよ」
「んんっ中に出ひていぃよ」
「……っん、っく……」
ルーファスは俺の口の中へドクドクと吐き出し、頬を高潮させ壮絶な色気を振りまきながら息をつく。精子を飲み込み、早くこの男に貫かれたいと気持ちが逸る。
「口淫も上達しましたし、次はベッドでおねだりの仕方の勉強しましょうね」
浴室を出てルーファスは俺をベッドへ促す。
「お、おねだり……?」
「ええ、男はおねだりされると、それに応えたくなるのですよ」
「…………っん……」
また何か恥ずかしい事をしようとしてる……。
二人ベッドへ上がると、ルーファスはさわさわと指先で身体を撫でる。
「殿下はどこを触られるのが好きで、どうされるのが好きですか? それを口に出してお願いして下さい」
「えっ、あー……言わなきゃだめなの……?」
「ええ、言わなければ何処がいいのか分からないですから」
 ルーファスはふにふにと俺の唇を指で弄ぶ。
「…………えっと……耳の中、舐められるの、好き……んんっぁっふぁ……」
好きな所を言った途端、耳の中に舌を入れられ舐められた。
「他には?」
「あっはぅぅ……、ち、乳首……舌先で、舐められるの……あぁっす、吸われるのも、す、き……あぁっあっ……はぁっ」
ルーファスはおねだり通りの場所を舐めたり吸ったりして、ビクンビクンと身体が揺れてしまう。
「……それから、どうされたいですか?」
「あ……ぅ……、挿れて……欲しぃ……」
こんな事を言わなければいけないなんて……。
閨は本当に、俺には難易度が高すぎる! 
恥ずかしすぎて顔が赤くなり、俯いて語尾が掠れる。
「殿下、何を、何処に挿れて欲しいのですか? 口や指を使って教えて下さい」
「えっえぇっ!? ゆ、指……」
さらに難易度が高くなった!! 
俯いて、そろりそろりと指を孔に添えた。
「……えっと、ここに……ルーファスのそれを……挿れて……」
「それとは?」
「っ」
やっぱりルーファスはベッドの中じゃ意地悪だ! 
騎士団事務員にもこんな事してるのか!? 他の人達もしているのか!? 
「ルーファス意地悪だ……っ本当にこんな事……閨でやらなきゃ、いけないのか……?」 
「皆していることですよ」
ルーファスはしれっと言うが、何か嘘くさい。 
まさか……本当は本命がいるのに、俺の閨教育をしなきゃいけないから、憂さ晴らしされてる!?
「…………本当に……? じゃあレイジに聞いてみる」
「………………は? まさか……これから行くとかではないですよね……?」
「……ルーファス、恥ずかしいことたくさんするし……意地悪だし……。俺、初めてだから本当なのか嘘なのか、分からないし……。レイジに聞けば分かるかな……と」
ルーファスの雰囲気がガラリと変わった。目が座っているような……。こんな態度されたのは初めてで、身がすくむ。
「…………へぇ……。殿下は私が教えている最中に、あの男の所へ行って……教えを乞おうと……」
別に今行こうなどとは思ってなかった。後日艶話の一環として聞こうと思っていただけで……。
「だって、レイジは意地悪とかしなさそうだし……」


「っ!! 殿下だから意地悪したくなるんですよっ!!」
「……………………ぇ…………」
俺だから意地悪したくなる……って……。それって……やっぱり嫌がらせとか、憂さ晴らし…………。
どうしよう……立ち直れないくらいショックだ……。
顔から血の気が引き、ボロリと涙が溢れ落ちる。
「あっ違っいや、違くない……っですが、そういう意味ではっ!!」
「ごめ…………そんなに……迷惑に思われてると……っ思ってなかっ……ぐすっ」
辛すぎてさすがに今日はここには居られない。ベッドを抜け出して服を取りにいく。
「違っっ殿下っ何処に行かれるのですっ」
「…………何処だっていいだろ……お前に迷惑かけてるんなら、いない方がいいだろ……」
「…………まさか、本当にあの男の所へ行くのですか……?」
クローゼットに手をかけると、ルーファスは底冷えするような冷淡な目と声を出す。
「だったら?」
別に行く気はないけど、ルーファスに意地悪され、冷淡な態度を取られ、心がボロボロに傷つきすぎての精一杯の虚勢だ。
「────貴方はっ抱いてもらえれば誰でもいいのですかっ!?」
 吐き捨てるように言葉を向ける。
「………………なに、そ、そんなの……」
思ったこともなかった。確かに花街に行こうと思った時もあったけど、ルーファスを知ってしまったから、そんなの無理だ。
「殿下は短期間で随分淫乱になられた」
ルーファスに皮肉げに微笑まれ、身体が動かない。
そんな俺の手を強引に引っ張り、ベッドに押し倒した。
「先程のおねだり通り、私のを挿れてあげますよっ」
「や、やだっ! 嫌々するくらいならしなくていいっ!」
もうこれ以上心を傷つけないでくれ……。
そんな思いも彼は気づかず、陰茎を捩じ込んできた。

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