王子の凱旋

小野あやか

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凱旋後

R 凱旋後の日常 ルーファスSide

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陛下への謁見後、殿下は辺境伯を賜る事となり、これからは殿下の伴侶となるべく、私も付随して諸々の引き継ぎをしなければならない。

「ルーファス様!」
騎士団に赴くと後ろから声を掛けられた。魔王討伐前まで身体の関係を持っていた、騎士団事務員として勤務しているエルンだ。
騎士団員に人気の中性的で儚げな美貌のエルンは、ミルクティー色の髪を靡かて微笑みながらこちらへやってくる。その様子に通りがかりの騎士団員達は見惚れている。私の好みではないが。

「エルン、久しぶりだな」
「魔王討伐成功おめでとうございます。そしてありがとうございます」
「……魔王討伐はレニドール殿下だけの偉業だ。お礼なら殿下がここに来た時に伝えてくれ。喜ぶと思う」
本当に私は討伐で役立てたのか、甚だ疑問だ。
「私みたいな一介の事務員がレニドール殿下とお話するなんておこがましいですよ」
身分など気にされない殿下だが、まあこれが普通の態度だ。エルンは子爵家だから。

久しぶりに再会した私達は今後の話をするため、人気のない中庭へ移動した。
「ルーファス様、レニドール殿下と想いが通じ合ったようでよかったですね」
エルンはこちらを向いて微笑む。
「……昨日の事なのにもう伝わっているのか……」
「ははっ王宮の噂話は風のような速度で伝わりますからね」
「王宮には下世話な風の精霊がいるようだな」
噂話が大好きな下世話な勤め人達につい苦い表情になる。
「そんな顔しないでもっと幸せそうな顔して下さいよ。それで、お話があるんですよね」
「あ、ああ。エルン、今までお互い合理的な理由とはいえ、身体の関係を結んでくれてありがとう。殿下と恋人同士なったのでこの関係を終了して欲しい」
「ふふっわかってますよ。本当によかったです。私を後ろから攻めるときいつも殿下、殿下ってうわ言の用に呟いてましたからね。ルーファス様の切ない想いが通じ合ってよかったです」
「なっ!」
私はそんな事をしていたのか! 
あまり覚えていないということは無意識に……。恐ろしい。あまりの痴態に顔が赤くなってしまった。恥ずかしくて思わず手で顔を覆う。
「その、それは、失礼な事をして本当にすまなかった……。エルンもどうか想う相手と幸せになって欲しい」
「……そうですね、私も頑張ってみようかな……」
誰を思い浮かべているかはわからないが、エルンは切なそうに微笑む。儚げに見えるが芯がしっかりした精神の強い男だ。エルンが頑張るなら望みは叶えられそうだが、根拠はないのでなにも言わないでおく。

エルンと別れた後は副隊長の後任へ今日の分の引き継ぎを済まし、騎士団兵舎の自室へ向かう。泊まるためではなく、荷物の整理をするためだ。
一日では終わらないので、引き継ぎをしながら部屋の整理も始めていかなければならない。夜は王宮の殿下の部屋に泊まるようお誘いされた。
昨日までは一ヶ月ほど毎日殿下と過ごせて夢のようだったし、幸せだった。毎日一緒に過ごしていたのにもかかわらず、今日も早く殿下の部屋に行きたい。手早く済ませなければ!
廊下を足早に抜け自室前へ近づくと、扉の前には……会いたくて仕方なかった殿下が! 
俯いて扉に寄りかかっていた殿下は、私に気づくと瞳を揺らし、こちらへやってきた。

「……ごめん……会いたくて、待ちきれなくて来ちゃった……」
迷惑だった? と言うような不安そうな顔でこちらを見上げている。理性の限界が突破した。
「っレニ!」
私は殿下の手を取り、急いで自室へ引き込んだ。整理なんてそんなものは事後すればいい! 殿下を抱きしめ唇を貪った。
「……ふっぅ……ルー……」
キスが少し落ち着いたところで殿下はトロンとした表情の後、獰猛な目つきになると、私をベッドへ押し倒した。殿下は手早く服を脱ぎ捨て、押し倒した私の服を脱がしていく。
「レニ……」
「黙って」
身じろぎする私を制し、殿下は私の首すじや胸の突起へ舌を這わせていく。一体どうされたのか……? 疑問に思いつつも何だか積極的な様子に、嬉しさで舞い上がる。
「……っん……」
性感帯を舌で攻められ、ゾクゾクと感じてしまう。足の付根をキスしながら私の陰茎を優しく擦る。擦りながらペロペロと舐め、こちらをちらりと上目で見られる。その視線がなんとも挑発的であり、匂い立つ色気でもうたまらない! 陰茎がさらに大きくなり、今すぐ殿下を激しく責め立てたい。
殿下と入れ替わろうと、身体を触ろうとすると、
「ん、ちょっと待って……」
そう言って殿下は持参した潤滑剤を指に馴染ませ、自身で孔を解し始めた。
「……ん……んん……」
私の目の前でご自分で自身の孔を……! 
眼福過ぎる! これは魔王討伐に参加した私への褒賞なのだろうか。食入るように見ていると私の視線に気が付き、恥ずかしそうに身じろぎする。そして殿下はゆっくりと私の陰茎の上に腰を下ろしていく。
「……レニ……」
「……ちょっとまだ、キツかったな」
中程まで入ったところで殿下は少し苦しそうに腰を進めるのを止めた。それから慣らすようにゆっくりと小刻みに抽送する。
殿下が自ら私に跨って腰を振るのは初めてだった。思い切り下から突上げたい衝動を、強靭な精神力で抑え込む。
せっかく殿下自ら挿れてくれて、動いてくれているのだから! 
苦しそうに顔を上気させながらぎこちなく腰を動かす様子が初々しくもあり、堪らなくもある。食入るように眺めるのは仕方ない事だろう。動いてもいないのに興奮で息が荒くなる。
「っあぁ……っレニ……っとても、気持ちいいです……」
「……ルー……」
殿下はずぷりと陰茎を全部納め、抽送しながら腰を動かす。もう欲が限界まできてしまい、下から突き上げた。
「あっあぁっんん……」
突き上げる度に私の上で乱れる殿下を見てさらに興奮し、激しく穿つ。身体を正常位にしてまたガツガツと激しく穿ち、精を放った。
殿下は荒い呼吸で顔や身体を上気させ、呆然とするが、
「ルー……もっと、いっぱい欲しい……」
「………………」

同僚達が仕事をして休む騎士団兵舎の、いつも寝起きしている自室の広くないベッドに、私の精を孔から溢れさせている、そんな殿下がいるのだ。
殿下の初めてを奪った鄙びた宿での情交も堪らなく興奮したが、無骨な兵舎自室での情交もまた同じように興奮してしまった! 
私の部屋のベッドで麗しの殿下が乱れている! 
ただでさえ物凄い興奮状態なのに、おねだりをされてしまっては今日も止まることができない。
激しくベッドを軋ませ、私は一晩中殿下を貪った……。


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