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1作られた世界の中で
1.6
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6月20日午前二時。少し明るくなったビル街を静かに装甲車が進む。テスバニアでは普段通りの光景だ。
コーナー「もしかして、シュピルミウムの時期に合わせた方がよかったのかな」
パルミトン「去年はもう種まいていたのに今年は例年通りなのかも。式典からもう3日も経ってるし今更変えないよ」
ヘルシーク「政府の中にスパイが紛れ込んでいたとかないよな、もしいたら計画自体やばいんじゃ」
パルミトン「もしいたらとっくの昔に解決してると思うよ」
そんな会話に少し苛ついているようなミルを横目に見る。
装甲車内に防護シートが展開され運転席と実働隊の降りる助手席を分断する。
パルミトン「対象のビルまで残り700mミル?センチマシンとの通信はできてる?
ネット回線、衛星通信も遮断して」
ミル「各種機器の通信状態はチェック完了です。個人の装備もOKです」
ビル正面に到着するとセンチマシンによってビル全体の電力が止められる。パルミトンとコーナー以外が降りて大きなガラス製のドアを開ける。ドアの隙間をサイドを掠りながら装甲車が通過する。
ミル「ヘルシーク、ミサイルお願い」
ヘルシーク「行きます!」
大型のコンテナを床に置き床、壁、天井に照準が合わさっていることを確認した後、スイッチが押されミサイルが発射する。
アビル「ミルさんうしろに」
ミサイルの射出とずれたタイミングで中央廊下正面で盾を構えて後ろにいるミルを守るような体制に入る。爆破の確認ができた後、後ろにいたミルが入口の捜索に入る。
ミル「床に入口らしきものを確認。侵入します」
滑り込むようにがれきの隙間に入り込むが、なぜかヘルメットが見えたままである。
アビル「まだ入れないか?ヘルシーク追加で火薬を」
ミル「まって今出る。精密調査をお願いします」
パルミトン「ヘルシーク、コーナーさんと交代して。あと換気装置を持って行って」
交代の指示を出した後、パルミトンは装甲車とビルを覆うセンチマシンを操作して、一階部分を完全に封鎖した。
コーナー「この精密機械の量ビルの構造体ではないですね。ですが現代の技術と同格?」
ミル「奥に続く通路はあるの?」
小柄なコーナーでさえも体の向きを変えるのに一苦労な空間で周囲の壁と、床を照明で照らしている。爆破したというのに内部のモニターなどに破損は見られない。かすかな機械音がするだけだ。
コーナー「通路は今のところありません。ただ、紙が印刷されてきました。ちょっと上げてもらってもいいですか」
ミルに紙を渡すと俺の手を借りて穴から出てくる。
コーナー「詳しい調査には上位の演算装置が必要です。エンペラーかテスバニアに依頼しないと」
パルミトン「了解です。いま取り出せるだけ全部のデータを保存しておいてください」
コーナーは俺に「またお願い」と言うとまた穴に入っていった。
ミル「パルさん外の様子はどうですか?」
パルミトン「警察が集まった市民の規制に入っているわ。エンペラーから追加の機械の手配を依頼している」
コーナー「外せそうな機械を外してみましたが、この機械の層は10cmぐらいみたいです。それと通路はありませんが、床のマイナスモールドが気になります。」
ミル「エレベーターとかの可能性はどう?」
アビル「爆破で開通できそうか」
コーナー「いやー爆破はいまはやめてください。周りの機械壊したくないんです。エレベーターか調べるにしても今持ってきている工具じゃ開けれそうにないので一度体制を立て直すためにも戻ったほうがよいかもしれません」
ミル「どうします?戻りますか?」
パルミトン「外の人に聞いてみるから少し待って」
ヘルシーク「ミルからもらった紙だが、内容を確認したら緯度経度を表しているっぽいぞ」
ミルが座標を聞きかけたところでパルミトンから制止がかかる。
パルミトン「その話はあとで。外に出れるかの判断をエンペラーの上層部に問い合わせてもらっているからもう少し待って」
数分後に壁がノックされてパルミトンが応答する。
パルミトン「1時間後に情報1班の人と交代できるけど内部の警備の面から外には出れないみたい必要な人や機材は要望があれば持ってくるって。新しい人が入ってくる前に聞くけどさっきの座標はどこを指していたの?」
ヘルシーク「ツーベ その中央を指している」
アビル「やっぱり出てきたか」
ミル「汚染区域。オカルト好きにはかないませんね」
パルミトン「次は国外か」
ヘルシーク「俺たちはテスバニアから派遣されたから国外に行くとなれば力は貸せなくなるな」
アビル「今すぐじゃないし、この装置の解析も1週間は最低でもかかりそうだし」
外部から連絡が入りパルミトンが再度対応する。
パルミトン「情報1班の人到着したって。機材の搬入終わったら交代ね」
コーナー「わたし一緒に調べたいので残っていきます」
ミル「わたしも少しだけ残ります。先に帰ってもらって大丈夫ですよ」
複数の機材が室内に運び込まれる中開閉される扉の隙間から周辺市民の声が聞こえる。
おそらくこれらの機材をもってしても得られる情報は僅かだろう。
ツーベという土地そのものがシーレンスに匹敵する謎なのだから。
⑧ツーベ 旧名 ツーベ国。200年前女神ガフスと男神セテスの戦いにてセテスが最後まで支配していたとされる地域。男神セテスが去る際にこの地域に唾を吐いたことにより汚染区域に指定され侵入が硬く禁止されている。
コーナー「もしかして、シュピルミウムの時期に合わせた方がよかったのかな」
パルミトン「去年はもう種まいていたのに今年は例年通りなのかも。式典からもう3日も経ってるし今更変えないよ」
ヘルシーク「政府の中にスパイが紛れ込んでいたとかないよな、もしいたら計画自体やばいんじゃ」
パルミトン「もしいたらとっくの昔に解決してると思うよ」
そんな会話に少し苛ついているようなミルを横目に見る。
装甲車内に防護シートが展開され運転席と実働隊の降りる助手席を分断する。
パルミトン「対象のビルまで残り700mミル?センチマシンとの通信はできてる?
ネット回線、衛星通信も遮断して」
ミル「各種機器の通信状態はチェック完了です。個人の装備もOKです」
ビル正面に到着するとセンチマシンによってビル全体の電力が止められる。パルミトンとコーナー以外が降りて大きなガラス製のドアを開ける。ドアの隙間をサイドを掠りながら装甲車が通過する。
ミル「ヘルシーク、ミサイルお願い」
ヘルシーク「行きます!」
大型のコンテナを床に置き床、壁、天井に照準が合わさっていることを確認した後、スイッチが押されミサイルが発射する。
アビル「ミルさんうしろに」
ミサイルの射出とずれたタイミングで中央廊下正面で盾を構えて後ろにいるミルを守るような体制に入る。爆破の確認ができた後、後ろにいたミルが入口の捜索に入る。
ミル「床に入口らしきものを確認。侵入します」
滑り込むようにがれきの隙間に入り込むが、なぜかヘルメットが見えたままである。
アビル「まだ入れないか?ヘルシーク追加で火薬を」
ミル「まって今出る。精密調査をお願いします」
パルミトン「ヘルシーク、コーナーさんと交代して。あと換気装置を持って行って」
交代の指示を出した後、パルミトンは装甲車とビルを覆うセンチマシンを操作して、一階部分を完全に封鎖した。
コーナー「この精密機械の量ビルの構造体ではないですね。ですが現代の技術と同格?」
ミル「奥に続く通路はあるの?」
小柄なコーナーでさえも体の向きを変えるのに一苦労な空間で周囲の壁と、床を照明で照らしている。爆破したというのに内部のモニターなどに破損は見られない。かすかな機械音がするだけだ。
コーナー「通路は今のところありません。ただ、紙が印刷されてきました。ちょっと上げてもらってもいいですか」
ミルに紙を渡すと俺の手を借りて穴から出てくる。
コーナー「詳しい調査には上位の演算装置が必要です。エンペラーかテスバニアに依頼しないと」
パルミトン「了解です。いま取り出せるだけ全部のデータを保存しておいてください」
コーナーは俺に「またお願い」と言うとまた穴に入っていった。
ミル「パルさん外の様子はどうですか?」
パルミトン「警察が集まった市民の規制に入っているわ。エンペラーから追加の機械の手配を依頼している」
コーナー「外せそうな機械を外してみましたが、この機械の層は10cmぐらいみたいです。それと通路はありませんが、床のマイナスモールドが気になります。」
ミル「エレベーターとかの可能性はどう?」
アビル「爆破で開通できそうか」
コーナー「いやー爆破はいまはやめてください。周りの機械壊したくないんです。エレベーターか調べるにしても今持ってきている工具じゃ開けれそうにないので一度体制を立て直すためにも戻ったほうがよいかもしれません」
ミル「どうします?戻りますか?」
パルミトン「外の人に聞いてみるから少し待って」
ヘルシーク「ミルからもらった紙だが、内容を確認したら緯度経度を表しているっぽいぞ」
ミルが座標を聞きかけたところでパルミトンから制止がかかる。
パルミトン「その話はあとで。外に出れるかの判断をエンペラーの上層部に問い合わせてもらっているからもう少し待って」
数分後に壁がノックされてパルミトンが応答する。
パルミトン「1時間後に情報1班の人と交代できるけど内部の警備の面から外には出れないみたい必要な人や機材は要望があれば持ってくるって。新しい人が入ってくる前に聞くけどさっきの座標はどこを指していたの?」
ヘルシーク「ツーベ その中央を指している」
アビル「やっぱり出てきたか」
ミル「汚染区域。オカルト好きにはかないませんね」
パルミトン「次は国外か」
ヘルシーク「俺たちはテスバニアから派遣されたから国外に行くとなれば力は貸せなくなるな」
アビル「今すぐじゃないし、この装置の解析も1週間は最低でもかかりそうだし」
外部から連絡が入りパルミトンが再度対応する。
パルミトン「情報1班の人到着したって。機材の搬入終わったら交代ね」
コーナー「わたし一緒に調べたいので残っていきます」
ミル「わたしも少しだけ残ります。先に帰ってもらって大丈夫ですよ」
複数の機材が室内に運び込まれる中開閉される扉の隙間から周辺市民の声が聞こえる。
おそらくこれらの機材をもってしても得られる情報は僅かだろう。
ツーベという土地そのものがシーレンスに匹敵する謎なのだから。
⑧ツーベ 旧名 ツーベ国。200年前女神ガフスと男神セテスの戦いにてセテスが最後まで支配していたとされる地域。男神セテスが去る際にこの地域に唾を吐いたことにより汚染区域に指定され侵入が硬く禁止されている。
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