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第27話
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井伊直政・島左近を先頭に津久見と島森はゆっくりと、三重塔の階段を降りる。
(おい、津久見…!)
(ん?)
(どうする気や?)
(考えてる。)
小声でやり取りをする。
「では、殿。本殿にて、決定事項をお伝え下さいませ。」
と、直政は階段を降りきり、振り返って言う。
「うむ。」
家康のように島森は言う。
一同、真禅院の奥の間に戻り、座る。
三成、家康を上座に座らせ、下座に家臣が並ぶ。
三成方:島左近・横山喜内・平岡
家康方:井伊直政・本多忠勝・本多正信
緊張感が奥の間に広がる。
「殿。それで治部殿とはどのように?」
正信が切り出した。
「…。」
島森は、口をつぐみ、津久見に助けを求めるように見る。
その視線を感じると津久見は口を開いた。
「今、内府殿とお話し、此度の戦の件…」
皆息を飲んで聞き入る。
「両軍和議する事となりました。」
「なに!?」
「何と!」
皆、声を荒げる。
「亡き太閤様は、戦の無い世を作るために、信長様の意志を継ぎ、天下を収めてまいりました。我々はただ、戦の無い世を秀頼様を中心に作っていきたいと考えております。」
「待たれい!それでは、豊臣家へ不満を持った諸大名を以下にする気じゃ!」
正信が食らいつく。
「正信さん。聞いてください。」
「さん?治部殿どういうことじゃ。」
「戦をすれば、人が死ぬ。その武士にも家族がいる。またそこに悲しみが生まれる。まさに負の連鎖です。」
「それが戦の世じゃ。我々もその戦を無くすために戦っておるのじゃ。同じ大義名分の元戦っておるのに、豊臣家を中心に天下泰平を望む!?現にお主に不満を持って、我が軍の傘下に入った、大名もおるのじゃぞ!」
「それは貴方たちの調略によって、恩賞目当てに寝返った者も多いはず。黒田長政殿を中心に暗躍されておったようで…」
「むむむ…。」
「また、私の至らぬ所に不満を持っている諸大名家もいるのも重々承知しております。」
(ぬぬぬ…。聞いておる治部とは違うぞ…。)
正信は、何度か、三成に会ったことはあった。それに、諸将からその高慢な態度について不満を聞く事も少なくなかった。
また、それを利用して、家康を天下人にしようとしていた。
しかし、今、目の前にいるのは本当にあの石田三成なのか?と思うほど、その物言い、態度。
(殿は、どう考えておるのじゃ…)
と、家康を見る。
家康は、目を瞑って聞いているだけであった。
実際は、津久見に全てを託し、委ねている。
(津久見…頼む…。)
また、沈黙が覆う。
そこに2人の伝令が走って来た。
2人は奥の間の手前で、片膝を付き報告が入る。
一人目は
「伝令!東軍、福島正則隊前進を開始!」
と、
「何!!正則め、痺れを切らしたか!!」
直政が叫ぶ。
そこに2人目の伝令が言う
「伝令!西軍吉川広家隊、関ヶ原に向け進軍を開始!」
「何じゃと!!あの空弁当め!」
次は左近が叫ぶ。
(まずい。このままではまた戦が…)
津久見は額から冷や汗が出るのを感じた。
そこにある男の声が発せられた。
「正信。」
「!!!!!!!!」
「正信!」
「はっ!」
なんと、家康がやっと口を開いたのである。
一同、次の言葉を待つ。
「これは、治部殿と話し決めたことじゃ。急ぎ兵を退く。まずは清州城へじゃ。」
(島森…!)
「時間が無い。正信。これは決定事項じゃ。忠勝・直政!すぐに触れを出せ!」
今朝からの家康ではなかった。その威に押され二人はひれ伏し、返事をする。
「はは!!では!」
と、二人は出て行く。
「左近!わが軍は一旦大垣城じゃ!触れを出せ!」
「と、殿!」
「いけ!時間がない!」
「…。は!!」
左近は
(もうここまで来てしまったら、やるしかないか)
喜内と、平岡にまず大谷吉継の所へ行き、吉継の力を借りて大垣撤退の触れを出すように指示を出した。
「かしこまりました!」
二人は出て行く。
部屋には左近と正信を含め4人が残った。
「さあ、これでどうにか時間が稼げます。でも、そんなに時間がありません!」
「うむ。治部殿の言う通りじゃ。」
島森が言う。
(家康役…うまくなってきたな…)
と、少し笑った。
「では、我々の話し合った内容ですが…。」
ここに、日本最大の戦・関ヶ原の戦いがまさかの休戦協定へと進み、今後の日本の勢力図を大きく変わる会議が始まるのであった。
第27話 完
(おい、津久見…!)
(ん?)
(どうする気や?)
(考えてる。)
小声でやり取りをする。
「では、殿。本殿にて、決定事項をお伝え下さいませ。」
と、直政は階段を降りきり、振り返って言う。
「うむ。」
家康のように島森は言う。
一同、真禅院の奥の間に戻り、座る。
三成、家康を上座に座らせ、下座に家臣が並ぶ。
三成方:島左近・横山喜内・平岡
家康方:井伊直政・本多忠勝・本多正信
緊張感が奥の間に広がる。
「殿。それで治部殿とはどのように?」
正信が切り出した。
「…。」
島森は、口をつぐみ、津久見に助けを求めるように見る。
その視線を感じると津久見は口を開いた。
「今、内府殿とお話し、此度の戦の件…」
皆息を飲んで聞き入る。
「両軍和議する事となりました。」
「なに!?」
「何と!」
皆、声を荒げる。
「亡き太閤様は、戦の無い世を作るために、信長様の意志を継ぎ、天下を収めてまいりました。我々はただ、戦の無い世を秀頼様を中心に作っていきたいと考えております。」
「待たれい!それでは、豊臣家へ不満を持った諸大名を以下にする気じゃ!」
正信が食らいつく。
「正信さん。聞いてください。」
「さん?治部殿どういうことじゃ。」
「戦をすれば、人が死ぬ。その武士にも家族がいる。またそこに悲しみが生まれる。まさに負の連鎖です。」
「それが戦の世じゃ。我々もその戦を無くすために戦っておるのじゃ。同じ大義名分の元戦っておるのに、豊臣家を中心に天下泰平を望む!?現にお主に不満を持って、我が軍の傘下に入った、大名もおるのじゃぞ!」
「それは貴方たちの調略によって、恩賞目当てに寝返った者も多いはず。黒田長政殿を中心に暗躍されておったようで…」
「むむむ…。」
「また、私の至らぬ所に不満を持っている諸大名家もいるのも重々承知しております。」
(ぬぬぬ…。聞いておる治部とは違うぞ…。)
正信は、何度か、三成に会ったことはあった。それに、諸将からその高慢な態度について不満を聞く事も少なくなかった。
また、それを利用して、家康を天下人にしようとしていた。
しかし、今、目の前にいるのは本当にあの石田三成なのか?と思うほど、その物言い、態度。
(殿は、どう考えておるのじゃ…)
と、家康を見る。
家康は、目を瞑って聞いているだけであった。
実際は、津久見に全てを託し、委ねている。
(津久見…頼む…。)
また、沈黙が覆う。
そこに2人の伝令が走って来た。
2人は奥の間の手前で、片膝を付き報告が入る。
一人目は
「伝令!東軍、福島正則隊前進を開始!」
と、
「何!!正則め、痺れを切らしたか!!」
直政が叫ぶ。
そこに2人目の伝令が言う
「伝令!西軍吉川広家隊、関ヶ原に向け進軍を開始!」
「何じゃと!!あの空弁当め!」
次は左近が叫ぶ。
(まずい。このままではまた戦が…)
津久見は額から冷や汗が出るのを感じた。
そこにある男の声が発せられた。
「正信。」
「!!!!!!!!」
「正信!」
「はっ!」
なんと、家康がやっと口を開いたのである。
一同、次の言葉を待つ。
「これは、治部殿と話し決めたことじゃ。急ぎ兵を退く。まずは清州城へじゃ。」
(島森…!)
「時間が無い。正信。これは決定事項じゃ。忠勝・直政!すぐに触れを出せ!」
今朝からの家康ではなかった。その威に押され二人はひれ伏し、返事をする。
「はは!!では!」
と、二人は出て行く。
「左近!わが軍は一旦大垣城じゃ!触れを出せ!」
「と、殿!」
「いけ!時間がない!」
「…。は!!」
左近は
(もうここまで来てしまったら、やるしかないか)
喜内と、平岡にまず大谷吉継の所へ行き、吉継の力を借りて大垣撤退の触れを出すように指示を出した。
「かしこまりました!」
二人は出て行く。
部屋には左近と正信を含め4人が残った。
「さあ、これでどうにか時間が稼げます。でも、そんなに時間がありません!」
「うむ。治部殿の言う通りじゃ。」
島森が言う。
(家康役…うまくなってきたな…)
と、少し笑った。
「では、我々の話し合った内容ですが…。」
ここに、日本最大の戦・関ヶ原の戦いがまさかの休戦協定へと進み、今後の日本の勢力図を大きく変わる会議が始まるのであった。
第27話 完
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