ショートショートのお茶漬け

rara33

文字の大きさ
20 / 24

第20話 なっがーい鳥居

しおりを挟む
 あるところに、百年に一度と称される腕利きの宮大工がいた。
 国内で有名な由緒正しき神社の神主が、その宮大工に千本鳥居の建築を依頼した。

「霊験あらたかな聖地にふさわしい、荘厳な鳥居を建ててくれ。来訪者の願いが天まで届くような、立派な神門となるように」
「任せときな。俺の腕にかかれば、そのようなもの朝飯前よ」

 依頼後に、神主は持病でしばらく入院することとなった。
 一方、建築に取りかかった宮大工は、寝る暇も惜しんで作業に励んだ。
 そのかいあって、数週間後には無事に全工程が完了した。

 出来上がった鳥居はみな朝焼けのようにまぶしい朱色に塗られ、屋根となる笠木かさぎの両端は鳳凰ほうおうが羽根を広げたようなたたずまい。
 笠木を支える二柱の柱頭には金の台輪が燦爛さんらんときらめき、横に通されたぬきの中央には、神社の名前の彫られた大理石の神額が、額束がくづかに堂々と掲げられている。
 邪気など一瞬にして消え去るほどの神通力が、鳥居全体から発せられているようであった。

 やがて快復して退院した神主は、宮大工とともに千本鳥居の元へとやって来た。

「どうだい、見事なもんだろう?」

 そう言われた神主は、目の前に続く千本鳥居を見て激怒した。


「誰が縦につなげと言った!」

 天へとつながる梯子はしごのような長い鳥居を見上げて、神主は長いため息をついた。

 (了)

◎こんな千本鳥居があったら、むしろ見てみたいです。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...