36 / 36
終章
最終話 のこされたもの
しおりを挟む
アイシャを巡る争いが起きてから、十数年の月日が流れた。
いずれ王太子となるだろう王子を生んだアイシャは、今や名実ともにトゥルティエールの正妃だった。
彼の他にも三人の子を持つアイシャはますます艶やかに美しくなっていた。
「母上、またハーメイ領にお出かけになられるのですか?」
「ええ。少し留守をしますけれど、頼みますよ。ウィルター」
アイシャの言葉に、しかし今年十三になったウィルターは不満そうな顔をした。
「毎年、母上はこの日にはハーメイ領に出かけられますね」
「ええ、そうよ。わたしにとって大事な方の命日なの。だから申し訳ないけれど、出かけることは許してほしいわ」
息子の不機嫌に、アイシャは少し困ったように眉を下げた。
吟遊詩人達にいろいろと詠われているルドガーのアイシャ略奪の顛末をこの王子も幼少から知っている。
だが、父王を尊敬する息子は、アイシャが前の夫のことで思い煩うような行動には以前から反発していた。
「……なんでも母上の以前の夫君の命日だそうですね。……もしかして母上は父王よりもその方を愛されていたのですか?」
ウィルターにそう言われて、アイシャは瞳を見開いた。
それを是と受け取ったのかウィルターはますます不機嫌な顔になる。
このままでは、難しい年頃の息子に愛されない子供だと誤解されてしまうかもしれないとアイシャは危惧して、とうとう自分の正直な想いを打ち明けることにした。
「……いいえ、わたしは幼い頃から陛下を愛していました」
「でしたら、なぜ父王にそのことをおっしゃらないのです。父王は母上に憎まれていると常々言われておられます」
憤慨したようにウィルターに言われて、アイシャは苦く微笑んだ。
──確かに伝えれば、楽にはなるのかもしれない。
でも、これはなんの咎もない人達を死に追いやったわたしと陛下の罪。
「……けれど、ハーメイの方とは政略結婚だったのだけれど、彼はわたしをとても愛してくれたの。それに彼の他にハーメイの民も犠牲になりました。ですから、わたしのために亡くなられたその方やハーメイの民のためにも、わたしはこの想いを告げてはならないのです。たぶん一生、わたしは陛下にこの想いを告げることはないでしょうね」
これは陛下には内緒にね、と言うアイシャに、ウィルターは口を噤んだ。
十数年もそれを口にしなかった母の意志が堅いことを理解したからだ。
難しい顔で黙り込んだ王子を宥めながらも、やがてアイシャは魔術師を連れてトゥルティエールの一部となったハーメイ領へと出かけていった。
「父王。母上はハーメイ領に出かけて行きましたよ」
国王の執務室で、ウィルターはルドガーに報告した。
「そうか。……そういえば、今日はかの王の命日か」
あれから毎年、アイシャはハーメイの王達が眠る霊廟に花束を添えに出かけていく。
目的は彼女のかつての夫、カルラートの墓参りだ。
それを耳にする度に、未だにアイシャは彼を愛しているのかと、ルドガーは身が焦がされるような思いがする。そして、今でもカルラートに斬りつけられた傷が疼いた。
ルドガーが苦悩を顔に出したことで、ウィルターは黙っていてくれとアイシャに口止めされたことをつい口にしてしまった。
「ご心配なさらなくとも、母上は誠に父王を愛されていますよ」
ルドガーは自分の息子の言葉に目を瞠った。
どういうことだと問いつめると、彼はしまったという顔をした後、仕方なさそうにアイシャの言葉を伝えた。
──なんということだ。
ルドガーは衝撃のあまり、目元を片手で覆って椅子にもたれかかった。
それでは、アイシャは自分のことをずっと愛していたというのか。
自分がただ素直に想いを伝えていれば、なんの障害もない恋だったのだ。
それなのに、ただの嫉妬心からなんの罪もないかの王やハーメイの民を苦境に追いやり、死なせてしまった。
そう考えれば、アイシャが罪の意識を持って、自分に頑ななまでに心を開いてくれないのも理解できる気がした。
「……そうか」
しかし、後悔してももうかの王はこの世にはいない。
ルドガーは今はハーメイ領にいるであろうアイシャに思いをはせたまま、そのまま黙り込んだ。
「アイシャ様、こちらでございます」
霊廟の守護者に案内されて、アイシャはカルラートの墓参りに来ていた。
一年に一度だけルドガーに許されたその弔い。
だが、アイシャにとってはそれだけでも充分ありがたかった。
アイシャが花束を持って一年ぶりにハーメイ王家の霊廟の中を歩いていくと、カルラートの墓標の前に幾分かやつれたが、見知った男性が立っているのが見えた。
「……オルグレン?」
それはかつてのハーメイ宰相の姿だった。
この十数年の内に彼はめっきり老け込んだらしく、老人といっても差し障りないような風体になっていた。
「アイシャ様、ますますお綺麗になられて。……陛下も久しぶりにあなた様にお会いになられて、さぞお喜びになられていることでしょう」
「ありがとう。……そうだといいのだけれど」
そう言うと、アイシャはカルラートの墓標の前に献花した。
しばらくアイシャが膝を折って祈りを捧げた後、オルグレンは苦難を乗り越えた者だけが見せる穏やかな表情で言った。
「……アイシャ様にはとても感謝しているのです」
それにアイシャは驚いて立ち上がり、彼を凝視した。
「なにを言っているのです。わたしがハーメイに来なければカルラートは死なずに済んだのですよ?」
「それでも、アイシャ様はわたくし共やハーメイの民を守ってくださいました。アイシャ様やガルディアの口添えがなければとうの昔に我々は粛正されていたでしょうから」
心から感謝されている目で見られて、アイシャは居心地の悪さに彼から目を逸らした。
アイシャがルドガーに意見したことは確かだった。それによって、カルラートにごく近い親族は、ハーメイ公爵として領土はそのままに治めてはいる。
「……それはガルディアの存在が大きいでしょう。きっと、わたしではどうにもなりませんでしたよ」
「いいえ。やはり、アイシャ様のおかげでございます。さすが陛下が命をかけて選んだお方でございます」
否定してもきっぱりと言い切る老人に、アイシャはなぜだか泣きたくなってしまった。
──ああ。なぜ、この人達はこんなにも優しいのだろう。
わたしは今でもカルラートではなく、陛下を愛すという罪を犯しているというのに。
涙がアイシャの頬を伝う。
カルラートの墓標の前で、彼の最期の言葉が思い起こされた。
──アイシャ、愛している。
罪なく亡くなったハーメイ王国、最後の王カルラート。
優しすぎるくらい、優しかった人。
あなたを愛せたらどんなに良かっただろう。
「アイシャ様……」
オルグレンが突然泣きだしたアイシャに困ったような顔をした。けれど、彼女の涙は止まらなかった。
「短い間でしたが、陛下はとても幸せだったと思いますよ。アイシャ様を愛されていた陛下はとても生き生きされていましたから」
慰めるようなその言葉に、しかしアイシャは子供のように泣きじゃくってしまう。
「ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい……」
あなたを死なせてしまってごめんなさい。
あなたを愛せなくてごめんなさい。
もう一度、アイシャはカルラートの墓前にひざまずく。
そして、困り果てている老人の前で、アイシャは長い間泣いていたのであった。
それから数年後、ハーメイ公爵領はルドガーによって、ハーメイ公国として独立を許されることになる。
一度領土としたものを手放すことに決めた彼の心の内は誰も知らない。
アイシャとルドガー、そしてカルラートの恋の歌は、数多くの吟遊詩人に長く詠われたが、それについては未だに触れられないままである──
<了>
いずれ王太子となるだろう王子を生んだアイシャは、今や名実ともにトゥルティエールの正妃だった。
彼の他にも三人の子を持つアイシャはますます艶やかに美しくなっていた。
「母上、またハーメイ領にお出かけになられるのですか?」
「ええ。少し留守をしますけれど、頼みますよ。ウィルター」
アイシャの言葉に、しかし今年十三になったウィルターは不満そうな顔をした。
「毎年、母上はこの日にはハーメイ領に出かけられますね」
「ええ、そうよ。わたしにとって大事な方の命日なの。だから申し訳ないけれど、出かけることは許してほしいわ」
息子の不機嫌に、アイシャは少し困ったように眉を下げた。
吟遊詩人達にいろいろと詠われているルドガーのアイシャ略奪の顛末をこの王子も幼少から知っている。
だが、父王を尊敬する息子は、アイシャが前の夫のことで思い煩うような行動には以前から反発していた。
「……なんでも母上の以前の夫君の命日だそうですね。……もしかして母上は父王よりもその方を愛されていたのですか?」
ウィルターにそう言われて、アイシャは瞳を見開いた。
それを是と受け取ったのかウィルターはますます不機嫌な顔になる。
このままでは、難しい年頃の息子に愛されない子供だと誤解されてしまうかもしれないとアイシャは危惧して、とうとう自分の正直な想いを打ち明けることにした。
「……いいえ、わたしは幼い頃から陛下を愛していました」
「でしたら、なぜ父王にそのことをおっしゃらないのです。父王は母上に憎まれていると常々言われておられます」
憤慨したようにウィルターに言われて、アイシャは苦く微笑んだ。
──確かに伝えれば、楽にはなるのかもしれない。
でも、これはなんの咎もない人達を死に追いやったわたしと陛下の罪。
「……けれど、ハーメイの方とは政略結婚だったのだけれど、彼はわたしをとても愛してくれたの。それに彼の他にハーメイの民も犠牲になりました。ですから、わたしのために亡くなられたその方やハーメイの民のためにも、わたしはこの想いを告げてはならないのです。たぶん一生、わたしは陛下にこの想いを告げることはないでしょうね」
これは陛下には内緒にね、と言うアイシャに、ウィルターは口を噤んだ。
十数年もそれを口にしなかった母の意志が堅いことを理解したからだ。
難しい顔で黙り込んだ王子を宥めながらも、やがてアイシャは魔術師を連れてトゥルティエールの一部となったハーメイ領へと出かけていった。
「父王。母上はハーメイ領に出かけて行きましたよ」
国王の執務室で、ウィルターはルドガーに報告した。
「そうか。……そういえば、今日はかの王の命日か」
あれから毎年、アイシャはハーメイの王達が眠る霊廟に花束を添えに出かけていく。
目的は彼女のかつての夫、カルラートの墓参りだ。
それを耳にする度に、未だにアイシャは彼を愛しているのかと、ルドガーは身が焦がされるような思いがする。そして、今でもカルラートに斬りつけられた傷が疼いた。
ルドガーが苦悩を顔に出したことで、ウィルターは黙っていてくれとアイシャに口止めされたことをつい口にしてしまった。
「ご心配なさらなくとも、母上は誠に父王を愛されていますよ」
ルドガーは自分の息子の言葉に目を瞠った。
どういうことだと問いつめると、彼はしまったという顔をした後、仕方なさそうにアイシャの言葉を伝えた。
──なんということだ。
ルドガーは衝撃のあまり、目元を片手で覆って椅子にもたれかかった。
それでは、アイシャは自分のことをずっと愛していたというのか。
自分がただ素直に想いを伝えていれば、なんの障害もない恋だったのだ。
それなのに、ただの嫉妬心からなんの罪もないかの王やハーメイの民を苦境に追いやり、死なせてしまった。
そう考えれば、アイシャが罪の意識を持って、自分に頑ななまでに心を開いてくれないのも理解できる気がした。
「……そうか」
しかし、後悔してももうかの王はこの世にはいない。
ルドガーは今はハーメイ領にいるであろうアイシャに思いをはせたまま、そのまま黙り込んだ。
「アイシャ様、こちらでございます」
霊廟の守護者に案内されて、アイシャはカルラートの墓参りに来ていた。
一年に一度だけルドガーに許されたその弔い。
だが、アイシャにとってはそれだけでも充分ありがたかった。
アイシャが花束を持って一年ぶりにハーメイ王家の霊廟の中を歩いていくと、カルラートの墓標の前に幾分かやつれたが、見知った男性が立っているのが見えた。
「……オルグレン?」
それはかつてのハーメイ宰相の姿だった。
この十数年の内に彼はめっきり老け込んだらしく、老人といっても差し障りないような風体になっていた。
「アイシャ様、ますますお綺麗になられて。……陛下も久しぶりにあなた様にお会いになられて、さぞお喜びになられていることでしょう」
「ありがとう。……そうだといいのだけれど」
そう言うと、アイシャはカルラートの墓標の前に献花した。
しばらくアイシャが膝を折って祈りを捧げた後、オルグレンは苦難を乗り越えた者だけが見せる穏やかな表情で言った。
「……アイシャ様にはとても感謝しているのです」
それにアイシャは驚いて立ち上がり、彼を凝視した。
「なにを言っているのです。わたしがハーメイに来なければカルラートは死なずに済んだのですよ?」
「それでも、アイシャ様はわたくし共やハーメイの民を守ってくださいました。アイシャ様やガルディアの口添えがなければとうの昔に我々は粛正されていたでしょうから」
心から感謝されている目で見られて、アイシャは居心地の悪さに彼から目を逸らした。
アイシャがルドガーに意見したことは確かだった。それによって、カルラートにごく近い親族は、ハーメイ公爵として領土はそのままに治めてはいる。
「……それはガルディアの存在が大きいでしょう。きっと、わたしではどうにもなりませんでしたよ」
「いいえ。やはり、アイシャ様のおかげでございます。さすが陛下が命をかけて選んだお方でございます」
否定してもきっぱりと言い切る老人に、アイシャはなぜだか泣きたくなってしまった。
──ああ。なぜ、この人達はこんなにも優しいのだろう。
わたしは今でもカルラートではなく、陛下を愛すという罪を犯しているというのに。
涙がアイシャの頬を伝う。
カルラートの墓標の前で、彼の最期の言葉が思い起こされた。
──アイシャ、愛している。
罪なく亡くなったハーメイ王国、最後の王カルラート。
優しすぎるくらい、優しかった人。
あなたを愛せたらどんなに良かっただろう。
「アイシャ様……」
オルグレンが突然泣きだしたアイシャに困ったような顔をした。けれど、彼女の涙は止まらなかった。
「短い間でしたが、陛下はとても幸せだったと思いますよ。アイシャ様を愛されていた陛下はとても生き生きされていましたから」
慰めるようなその言葉に、しかしアイシャは子供のように泣きじゃくってしまう。
「ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい……」
あなたを死なせてしまってごめんなさい。
あなたを愛せなくてごめんなさい。
もう一度、アイシャはカルラートの墓前にひざまずく。
そして、困り果てている老人の前で、アイシャは長い間泣いていたのであった。
それから数年後、ハーメイ公爵領はルドガーによって、ハーメイ公国として独立を許されることになる。
一度領土としたものを手放すことに決めた彼の心の内は誰も知らない。
アイシャとルドガー、そしてカルラートの恋の歌は、数多くの吟遊詩人に長く詠われたが、それについては未だに触れられないままである──
<了>
3
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(4件)
あなたにおすすめの小説
人質姫と忘れんぼ王子
雪野 結莉
恋愛
何故か、同じ親から生まれた姉妹のはずなのに、第二王女の私は冷遇され、第一王女のお姉様ばかりが可愛がられる。
やりたいことすらやらせてもらえず、諦めた人生を送っていたが、戦争に負けてお金の為に私は売られることとなった。
お姉様は悠々と今まで通りの生活を送るのに…。
初めて投稿します。
書きたいシーンがあり、そのために書き始めました。
初めての投稿のため、何度も改稿するかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
小説家になろう様にも掲載しております。
読んでくださった方が、表紙を作ってくださいました。
新○文庫風に作ったそうです。
気に入っています(╹◡╹)
ヤンキー、悪役令嬢になる
山口三
恋愛
岸田和華(きしだわか)は異世界に飛ばされた。自分が読んでいた小説の悪役令嬢ジュリエットに憑依してしまったのだ。だが和華は短気でガサツで、中学高校と番を張ってたヤンキーだ。高貴な身分の貴族令嬢なんてガラじゃない。「舞踏会でダンス? 踊りなんて盆踊りしか知らないからっ」
一方、リアル世界に残された和華の中にはジュリエットが入っていて・・。
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
皇帝とおばちゃん姫の恋物語
ひとみん
恋愛
二階堂有里は52歳の主婦。ある日事故に巻き込まれ死んじゃったけど、女神様に拾われある人のお世話係を頼まれ第二の人生を送る事に。
そこは異世界で、年若いアルフォンス皇帝陛下が治めるユリアナ帝国へと降り立つ。
てっきり子供のお世話だと思っていたら、なんとその皇帝陛下のお世話をすることに。
まぁ、異世界での息子と思えば・・・と生活し始めるけれど、周りはただのお世話係とは見てくれない。
女神様に若返らせてもらったけれど、これといって何の能力もない中身はただのおばちゃんの、ほんわか恋愛物語です。
幸せの在処
紅子
恋愛
自分の命を代償に、私は、私の持つ特殊な固有スキルを使ったのに、なぜか、過去に時を逆行していた。戻った世界は、前とは違う世界のようで・・・・。私の命も、大好きな貴方と一緒に居られる幸せも、貴方が私にくれたもの。だから、この世界の再構築の日まで、大切に丁寧に日々を生きてゆく、貴方の隣で。
毎日00:00に更新します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
憧れと結婚〜田舎令嬢エマの幸福な事情〜
帆々
恋愛
エマは牧歌的な地域で育った令嬢だ。
父を亡くし、館は経済的に恵まれない。姉のダイアナは家庭教師の仕事のため家を出ていた。
そんな事情を裕福な幼なじみにからかわれる日々。
「いつも同じドレスね」。「また自分で縫ったのね、偉いわ」。「わたしだったらとても我慢できないわ」————。
決まった嫌味を流すことにも慣れている。
彼女の楽しみは仲良しの姉から届く手紙だ。
穏やかで静かな暮らしを送る彼女は、ある時レオと知り合う。近くの邸に滞在する名門の紳士だった。ハンサムで素敵な彼にエマは思わず恋心を抱く。
レオも彼女のことを気に入ったようだった。二人は親しく時間を過ごすようになる。
「邸に招待するよ。ぜひ家族に紹介したい」
熱い言葉をもらう。レオは他の女性には冷たい。優しいのは彼女だけだ。周囲も認め、彼女は彼に深く恋するように。
しかし、思いがけない出来事が知らされる。
「どうして?」
エマには出来事が信じられなかった。信じたくない。
レオの心だけを信じようとするが、事態は変化していって————。
魔法も魔術も出て来ない異世界恋愛物語です。古風な恋愛ものをお好きな方にお読みいただけたら嬉しいです。
ハッピーエンドをお約束しております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。
【コミカライズ決定】魔力ゼロの子爵令嬢は王太子殿下のキス係
ayame@コミカライズ決定
恋愛
【ネトコン12受賞&コミカライズ決定です!】私、ユーファミア・リブレは、魔力が溢れるこの世界で、子爵家という貴族の一員でありながら魔力を持たずに生まれた。平民でも貴族でも、程度の差はあれど、誰もが有しているはずの魔力がゼロ。けれど優しい両親と歳の離れた後継ぎの弟に囲まれ、贅沢ではないものの、それなりに幸せな暮らしを送っていた。そんなささやかな生活も、12歳のとき父が災害に巻き込まれて亡くなったことで一変する。領地を復興させるにも先立つものがなく、没落を覚悟したそのとき、王家から思わぬ打診を受けた。高すぎる魔力のせいで身体に異常をきたしているカーティス王太子殿下の治療に協力してほしいというものだ。魔力ゼロの自分は役立たずでこのまま穀潰し生活を送るか修道院にでも入るしかない立場。家族と領民を守れるならと申し出を受け、王宮に伺候した私。そして告げられた仕事内容は、カーティス王太子殿下の体内で暴走する魔力をキスを通して吸収する役目だったーーー。_______________
【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
めっちゃ泣きました。
素晴らしい作品をありがとうございます。
読み終わったあと、泣いてしまいました。
ジーンと心に染み入る物語でした。
読ませていただいて有難うございました。
読んでいただきありがとうございます!
今の作風とは真逆の作品ですが、少しでも心に残ることができたなら幸いです。