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24.愚かな令嬢のヒストリエ1~ユリア~
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わたしはユリア・シルフィーニ。
前世でプレイした十八禁乙女ゲーム『ドキドキ☆愛されプリンセス』のヒロインなの。
ピンクの髪と瞳の超可愛い癒し系で、攻略対象に愛されまくるご令嬢。
男爵令嬢だからたいして贅沢はできないけど、嫌な勉強はしなくていいし、遊んで暮らせるし最高だよね!
でも、わたしの美貌でお金持ちのイケメン捕まえられれば、おいしいお菓子や料理食べ放題、素敵なドレスにアクセサリーも贅沢し放題!
うん、逆ハーして、攻略者対象者達に貢がせるのも悪くないかも。
そ・れ・に、エッチイベントは絶対外せないわ。
イケメン達にさんざんエロいことされて、とろけちゃいそうに気持ちよくなっちゃうの。きゃあ、ユリア恥ずかしいっ♡
スチルにはなかったけど、複数プレイも良さそうだな~。うん、絶対逆ハーしよう。
そのためには、攻略頑張らないとね!
……そう思ったけど、肝心の攻略対象に全然会えない! なんでよ!
お父様が言うには、「うちのような貧乏男爵家ではそうそう爵位の高い方にはお会いできないよ」ってことらしいけど、わたしはこの世界のヒロインよ! 攻略対象者の方から会いに来るべきじゃないの!
痺れを切らしたわたしは、家から出て王城に向かったわ。
そしたら、城に着いたわたしを見下ろした門番が、「なんだ、侍女希望か」なんて失礼なこと言うじゃない!
わたしはヒロインよ! ここは、「ようこそいらっしゃました」って、丁重にお通しするところでしょ! 第三王子のジェシー様攻略できたら、こんなモブ辞めさせてやるんだから!
とはいえ、俺様のジェシー様って、あんまり好みじゃないんだよね……立場も微妙だし。この国には既に王太子様がいるし、王様にはなれなそう。
でもま、ジェシー様も王子様だから贅沢はできるだろうし、その繋がりで王太子様も狙えるかも。そして兄弟でわたしの奪い合い……きゃっ、愛されすぎて困っちゃう♡
でも、やっぱり『愛プリ』人気ナンバーワンのオーティス様を一番に攻略したいかなあ~。
オーティス様は侯爵家子息だけど、悪役令嬢であるクローディアのわがままで無理矢理護衛騎士をさせられていた『愛プリ』一の美形。
騎士だけあって女性には傍目優しいけど、悪役令嬢クローディアからの酷い仕打ちで心を凍らせているという設定なのよ。
でもユリアと出会ったオーティス様は、その美しい心に触れて、凍った心を徐々に溶かし、ついには悪役令嬢を一緒に断罪するの。
待ってて、オーティス様! 今ヒロインのユリアちゃんがあなたの心を溶かしてあげるからね!
「……い。……は……かなのか?」
はっ! いけないいけない。イケメンな攻略対象のこと考えてて、目の前のモブのこと忘れてた。
「え? ごめん、聞いてなかった」
貴族令嬢の猫を被れなくて思わず素で言っちゃったけど、わたしはヒロインだから大丈夫だよね。
なのに、モブの門番がむっとするのはなんなのよ。わたしはこんなに可愛いんだから、少しはデレデレしろ。
「きちんと身分を証明してもらわなければ通すことはできない。男爵家の令嬢というのは確かなのか、と言ったんだ」
「そんなのシルフィーニ家の馬車で来たんだから分かるでしょ! 目ぇ付いてんの?」
「……それでは身分の証明にならない。馬車は盗んだものとも考えられるからな」
この門番使えなさすぎでしょ! 頭悪すぎ! たかがモブのくせして、ヒロインのわたしの邪魔をするなんて生意気よ!
「じゃあ、お父様に確認してよ! それまでここを動かないから!」
「……少し待っていろ」
能面みたいな顔をして、愛想なく答えた門番にわたしはむかついた。
なんなのこの門番、わたしは貴族令嬢なのに態度悪すぎ! 絶対にジェシー様に言いつけてやるわ!
なんだかんだとかなり待たされて、ようやく城に入ることができたわ。まったくお役所仕事って嫌よね!
わたしは門番とは別の騎士に案内されて、なぜか侍女長とかいうのに会うことになってしまったんだけど、まあ攻略対象に会うためなら我慢してやるわ。
……ああ、めんどくさい。ゲームでは悪役令嬢の家の舞踏会で会うはずなのに!
そう思って高そうな赤い絨毯の敷かれた廊下を歩いてたんだけど、急にわたしを案内していた騎士が立ち止まった。
……ちょっと、ぶつかりそうになったじゃない。気をつけてよ! 可愛いユリアちゃんの鼻でもぶつけたら大変よ。ヒロインは鼻血ブーしちゃ駄目なのよ!
騎士に一言文句を言ってやろうかと思って口を開きかけたら、その視線の先にとんでもない美形がいることに気がついたの。
キラキラのハニーブロンドに海みたいな深いブルーアイ。
美しすぎる顔はまさに王子様のよう。
そして体は乙女の憧れ、細マッチョ。
その場を圧倒する存在感でこちらに歩いてくるその姿は、きびきびしていて超かっこいい!
わたしはここで迷うことなく確信した。
『愛プリ』人気ナンバーワン攻略対象者、オーティス様来た──!!
前世でプレイした十八禁乙女ゲーム『ドキドキ☆愛されプリンセス』のヒロインなの。
ピンクの髪と瞳の超可愛い癒し系で、攻略対象に愛されまくるご令嬢。
男爵令嬢だからたいして贅沢はできないけど、嫌な勉強はしなくていいし、遊んで暮らせるし最高だよね!
でも、わたしの美貌でお金持ちのイケメン捕まえられれば、おいしいお菓子や料理食べ放題、素敵なドレスにアクセサリーも贅沢し放題!
うん、逆ハーして、攻略者対象者達に貢がせるのも悪くないかも。
そ・れ・に、エッチイベントは絶対外せないわ。
イケメン達にさんざんエロいことされて、とろけちゃいそうに気持ちよくなっちゃうの。きゃあ、ユリア恥ずかしいっ♡
スチルにはなかったけど、複数プレイも良さそうだな~。うん、絶対逆ハーしよう。
そのためには、攻略頑張らないとね!
……そう思ったけど、肝心の攻略対象に全然会えない! なんでよ!
お父様が言うには、「うちのような貧乏男爵家ではそうそう爵位の高い方にはお会いできないよ」ってことらしいけど、わたしはこの世界のヒロインよ! 攻略対象者の方から会いに来るべきじゃないの!
痺れを切らしたわたしは、家から出て王城に向かったわ。
そしたら、城に着いたわたしを見下ろした門番が、「なんだ、侍女希望か」なんて失礼なこと言うじゃない!
わたしはヒロインよ! ここは、「ようこそいらっしゃました」って、丁重にお通しするところでしょ! 第三王子のジェシー様攻略できたら、こんなモブ辞めさせてやるんだから!
とはいえ、俺様のジェシー様って、あんまり好みじゃないんだよね……立場も微妙だし。この国には既に王太子様がいるし、王様にはなれなそう。
でもま、ジェシー様も王子様だから贅沢はできるだろうし、その繋がりで王太子様も狙えるかも。そして兄弟でわたしの奪い合い……きゃっ、愛されすぎて困っちゃう♡
でも、やっぱり『愛プリ』人気ナンバーワンのオーティス様を一番に攻略したいかなあ~。
オーティス様は侯爵家子息だけど、悪役令嬢であるクローディアのわがままで無理矢理護衛騎士をさせられていた『愛プリ』一の美形。
騎士だけあって女性には傍目優しいけど、悪役令嬢クローディアからの酷い仕打ちで心を凍らせているという設定なのよ。
でもユリアと出会ったオーティス様は、その美しい心に触れて、凍った心を徐々に溶かし、ついには悪役令嬢を一緒に断罪するの。
待ってて、オーティス様! 今ヒロインのユリアちゃんがあなたの心を溶かしてあげるからね!
「……い。……は……かなのか?」
はっ! いけないいけない。イケメンな攻略対象のこと考えてて、目の前のモブのこと忘れてた。
「え? ごめん、聞いてなかった」
貴族令嬢の猫を被れなくて思わず素で言っちゃったけど、わたしはヒロインだから大丈夫だよね。
なのに、モブの門番がむっとするのはなんなのよ。わたしはこんなに可愛いんだから、少しはデレデレしろ。
「きちんと身分を証明してもらわなければ通すことはできない。男爵家の令嬢というのは確かなのか、と言ったんだ」
「そんなのシルフィーニ家の馬車で来たんだから分かるでしょ! 目ぇ付いてんの?」
「……それでは身分の証明にならない。馬車は盗んだものとも考えられるからな」
この門番使えなさすぎでしょ! 頭悪すぎ! たかがモブのくせして、ヒロインのわたしの邪魔をするなんて生意気よ!
「じゃあ、お父様に確認してよ! それまでここを動かないから!」
「……少し待っていろ」
能面みたいな顔をして、愛想なく答えた門番にわたしはむかついた。
なんなのこの門番、わたしは貴族令嬢なのに態度悪すぎ! 絶対にジェシー様に言いつけてやるわ!
なんだかんだとかなり待たされて、ようやく城に入ることができたわ。まったくお役所仕事って嫌よね!
わたしは門番とは別の騎士に案内されて、なぜか侍女長とかいうのに会うことになってしまったんだけど、まあ攻略対象に会うためなら我慢してやるわ。
……ああ、めんどくさい。ゲームでは悪役令嬢の家の舞踏会で会うはずなのに!
そう思って高そうな赤い絨毯の敷かれた廊下を歩いてたんだけど、急にわたしを案内していた騎士が立ち止まった。
……ちょっと、ぶつかりそうになったじゃない。気をつけてよ! 可愛いユリアちゃんの鼻でもぶつけたら大変よ。ヒロインは鼻血ブーしちゃ駄目なのよ!
騎士に一言文句を言ってやろうかと思って口を開きかけたら、その視線の先にとんでもない美形がいることに気がついたの。
キラキラのハニーブロンドに海みたいな深いブルーアイ。
美しすぎる顔はまさに王子様のよう。
そして体は乙女の憧れ、細マッチョ。
その場を圧倒する存在感でこちらに歩いてくるその姿は、きびきびしていて超かっこいい!
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