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社会科見学
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社会科見学当日。
僕はどきどきしながら、屋敷の玄関先に居た。
ちなみに、現在外は少し明るいぐらい。夕方。人間がまだ活動する時間帯だ。
「薫?大丈夫かい?眩しくないかい?」
必要ならと、サングラスを出してくれた。
そんなのを付けていたら、初めての光景を目に焼き付けられない!と思い断った。
「薫、気をつけて行ってくるんだよ?」
父上、母上が玄関まで来て、見送りをしてくれた。
「はい!」
「じゃあ、行ってこようか」
こくんと頷き、屋敷の外に出た。
屋敷の外には、馬と、それに繋がれている箱のようなものが……何これ?
「研究所までは少し距離があるから、馬車に乗っていくよ」
馬車!?あの、馬が引いてくれるという!?
初めて見る馬車に感動しながら、乗り込む。
馬車の中でも、通る道をずっと眺めて伯父上を質問攻めしていた。
「先生!あれは!?」
「ああ、あれは、」
そんな僕を馬鹿にすることなく、一つ一つ丁寧に答えてくれた。
そんな事が体感で10分ぐらい続いた後に、馬車が止まった。
「もう着いたんですか?」
驚いていると、扉が開いた。
「薫、手を」
伯父上が先に降りて、手を差し出してくれた。まるで、女性をエスコートするかのように……
そんなことを気にせずに、手を取り降りる。
「お待ちしておりました。樹央様」
ビクッと身体が揺れた。
まさか、誰か待っているとは思わなかった。
「大丈夫、うちの研究者の尊だよ。尊、私の客人だ。今日は研究所の中を案内しに来たから皆にもそう伝えてくれ」
伯父上が紹介してくれた。尊と言う人物は、いかにも研究者と言うような白衣を着ていた。
その顔もやはり整っていて、吸血鬼なのか……?
「失礼致しました。初めまして、薫と申します。本日は、お邪魔致します」
胸に手を当てて、お辞儀をする。
伯父上は、それを見て頷いていた。
僕が挨拶を先にするのは間違っていなかったみたいだ。
伯父上が僕のことを名前まで言わなかったのは、玖央を名乗るかは自分で決めろと言うのとなのだろう。
玖央の名を出すと、楽しめなくなるため外では出さないことにした。
「ご丁寧にありがとうございます。先程も紹介ありましたように、尊です。色々見て行ってください」
にこっと笑われると、少しほっとした。
なんせ、今日初めて外に出たと言うとの挨拶も伯父上以外にするのは初めてだ。
「それじゃあ、中に入ろうか?」
建物の方に顔を向けると、とても大きな建物だった。そう言えば、研究所に行くことばかりで聞いていなかったけれどここは、国の管理の元研究をしているのだろうか?
「あら、樹央先生おはようございます。お客様ですか?」
「おはようございます。ゆっくりして行ってくださいね」
「先生」
建物に入ると、色んな方から声をかけられた。特に、伯父上だが。
「ここ央帝国立研究所は、その名の通り、国の管理下にあります。研究内容は部署によって分けられています。主に、吸血鬼と人間が研究されています」
国の管理下なのか、と思いながらメモを取る。国家公務員になるから国から給料が出るのか。
「ちなみに、世界でもここだけですが職員が吸血鬼と人間とそして混血。3種類の生物がここ研究所では勤務しています」
吸血鬼だけではないのか!?
「!!!」
そういえば、人間にも混血にも会った事はない。存在すると、本や先生に聞いただけだ。
「ちなみに、私は人間です」
そう、尊さんは言った。
「そうなんですか!?僕、人間にも混血にも会ったことが無くて…見分け方とかあるんですか?」
尊さんが人間……わからない!てっきり、吸血鬼かと思った……
「そうですね…この建物内であれば、ここに勤務している者達は、このように首から名前が書いてあるIDを掛けているのですが。そのストラップの色を見て見分けることが出来ます」
尊さんが首から掛けている物を見る。
青色がストラップだ。
ということは、青が人間。
伯父上は、赤を付けている。
ここに入る前に渡されたIDのストラップは、赤だ。
吸血鬼は、赤みたい。
「青が人間で、赤が吸血鬼ですか?混血は……」
うーんと考え込む。
さっき、他の色を見たような……
ああ、
「混血は、紫ですか?」
「素晴らしい。そうです。薫さん、ここの建物以外で見分ける方法は、なんだと思いますか?」
外に出ると、みんながみんな分かりやすくストラップを付けている訳では無い。
「薫、まず吸血鬼の特徴からなら分かるんじゃないかな?」
あ、そっか。それなら、答えられると頷いた。
「吸血鬼ですと、牙がある。吸血衝動がある時に目が赤くなる。能力がある。夜行性?でしょうか?」
他にあったかな?
「素晴らしいですね。さすが、樹央先生の愛弟子ですね」
尊さんは、にこっと笑った。
愛弟子!?
僕は目をカッ!と開いて、動揺する。
どちらかと言えば、教え子だと思う。
百歩譲って弟子はわかるけれど、愛弟子は行き過ぎなのでは……伯父上にも失礼になるのでは……?と思いちらっと伯父上を見ると伯父上も固まっていた。
伯父上?
「せ、先生?」
その声にはっとした顔をした。伯父上。
大丈夫だろうか?
「尊……愛弟子って?」
困惑しながらもなんとか、尊さんに答えを求めていた。
「あ、違いましたか?毎日のように、薫さんの話を研究所内でされるのでてっきり愛弟子かと思いましたよ。それは失礼致しました。……で、結局何になるんですか?」
「おい!尊!」
僕の話?……え、失敗した話とかしているのだろうか?
「先生……僕の話とは……?」
真っ青になりながら恐る恐る聞いてみる。その顔を見た伯父上は、またはっとした。
「薫!違うんだ!変な話とかしてないよ!?」
凄く焦っている伯父上を見るのは初めてだ。変な話じゃない。では、何の話をしているのだろうか?
「樹央先生、それでは誤解されますよ。薫さん、ここの研究者に聞いたら誰もが答えてくれますので、後で聞いてみてください。ちなみに、私が良く聞かされていたのは努力家でとても素直で可愛い甥っ子だと聞いてますよ」
尊さんが、僕の手を取り教えてくれた。
そんなことを?伯父上が??
甥だと言うことも言っていたんだ。
だから、玖央の名前は出さなかったのか…
「お、伯父上……」
思わず、先生ではなく伯父上と呼んでしまった。
「薫……尊が言ったことは本当のことだよ。薫が私を先生と慕ってくれているのは知っている。けれど、自分の立場で慕っていると言うことを口にすると私が迷惑すると思っているだろう?」
伯父上は、しゃがんで僕の目線になって話し出した。
「……っ」
なんでも知っていて、僕に対して変わらない態度で接してくれる伯父上を何より尊敬してきた。
それでも、僕は言っていない。そして、言うことが出来ない理由さえも誰にも言ったことがない。
一体、いつから気づいていたのだろうか?
「迷惑だなんて思うわけないじゃないか。こんなに可愛い甥っ子を突き放したりしないさ。薫は、心の中に色々と溜め込んでしまうだろう?子どもなんだ、もう少し口に出していいんだ。わがままも言っていいんだよ」
_________________。
「わがままも言っていいんだよ」
薫が誰よりも気遣いが出来て、先を読んで考えて行動するのが出来ると思う。
普通、この歳頃の子は、そんなことすら考えないだろう。
大人に甘えたくても、迷惑がかかると思って諦めてしまうような子だ。
薫は下を向いて動かなくなった。
「薫?どうし、!?」
顔を覗き込むと、ボロボロと涙を流して泣いていた。
「樹央先生……薫さんを泣かせるなんて……」
じとっとした目で尊が見てくる。
いや、違う!!
いや、違わないけれど。
ここは、笑顔で返してくれると思ったんだ。
「す、すまない。薫、至らないことを言っただろうか?」
オロオロしながら薫の頬にハンカチを当てる。
「ち、がっ…」
何か話そうとしてくれているけれど涙が止まらないようで言葉にならない。
そして、もっと泣き方が酷くなっているような……
手で目を擦っているいるが、目が腫れないだろうか?
「樹央先生?どうされたんですか?」
「あれ?どうしたんですか?」
「先生……もしかして泣かせたんですか、?!」こんなに小さい子を……
と、ぞろぞろと職員達が集まって来た。
いや、だから誤解だ!
「樹央先生、とりあえず執務室へ行きましょう。このままですと、先生が泣かせたという言葉だけが2転3転して噂が流れますよ 」
は!そうだ!
「薫、少し我慢してくれっ」
薫を抱き抱える。いわゆる抱っこ状態。
「っ!」
樹央は知らない。2、3日、
『子どもを泣かせた上、誘拐した』という疑惑を研究所の者達から疑いの目を向けられることを……
僕はどきどきしながら、屋敷の玄関先に居た。
ちなみに、現在外は少し明るいぐらい。夕方。人間がまだ活動する時間帯だ。
「薫?大丈夫かい?眩しくないかい?」
必要ならと、サングラスを出してくれた。
そんなのを付けていたら、初めての光景を目に焼き付けられない!と思い断った。
「薫、気をつけて行ってくるんだよ?」
父上、母上が玄関まで来て、見送りをしてくれた。
「はい!」
「じゃあ、行ってこようか」
こくんと頷き、屋敷の外に出た。
屋敷の外には、馬と、それに繋がれている箱のようなものが……何これ?
「研究所までは少し距離があるから、馬車に乗っていくよ」
馬車!?あの、馬が引いてくれるという!?
初めて見る馬車に感動しながら、乗り込む。
馬車の中でも、通る道をずっと眺めて伯父上を質問攻めしていた。
「先生!あれは!?」
「ああ、あれは、」
そんな僕を馬鹿にすることなく、一つ一つ丁寧に答えてくれた。
そんな事が体感で10分ぐらい続いた後に、馬車が止まった。
「もう着いたんですか?」
驚いていると、扉が開いた。
「薫、手を」
伯父上が先に降りて、手を差し出してくれた。まるで、女性をエスコートするかのように……
そんなことを気にせずに、手を取り降りる。
「お待ちしておりました。樹央様」
ビクッと身体が揺れた。
まさか、誰か待っているとは思わなかった。
「大丈夫、うちの研究者の尊だよ。尊、私の客人だ。今日は研究所の中を案内しに来たから皆にもそう伝えてくれ」
伯父上が紹介してくれた。尊と言う人物は、いかにも研究者と言うような白衣を着ていた。
その顔もやはり整っていて、吸血鬼なのか……?
「失礼致しました。初めまして、薫と申します。本日は、お邪魔致します」
胸に手を当てて、お辞儀をする。
伯父上は、それを見て頷いていた。
僕が挨拶を先にするのは間違っていなかったみたいだ。
伯父上が僕のことを名前まで言わなかったのは、玖央を名乗るかは自分で決めろと言うのとなのだろう。
玖央の名を出すと、楽しめなくなるため外では出さないことにした。
「ご丁寧にありがとうございます。先程も紹介ありましたように、尊です。色々見て行ってください」
にこっと笑われると、少しほっとした。
なんせ、今日初めて外に出たと言うとの挨拶も伯父上以外にするのは初めてだ。
「それじゃあ、中に入ろうか?」
建物の方に顔を向けると、とても大きな建物だった。そう言えば、研究所に行くことばかりで聞いていなかったけれどここは、国の管理の元研究をしているのだろうか?
「あら、樹央先生おはようございます。お客様ですか?」
「おはようございます。ゆっくりして行ってくださいね」
「先生」
建物に入ると、色んな方から声をかけられた。特に、伯父上だが。
「ここ央帝国立研究所は、その名の通り、国の管理下にあります。研究内容は部署によって分けられています。主に、吸血鬼と人間が研究されています」
国の管理下なのか、と思いながらメモを取る。国家公務員になるから国から給料が出るのか。
「ちなみに、世界でもここだけですが職員が吸血鬼と人間とそして混血。3種類の生物がここ研究所では勤務しています」
吸血鬼だけではないのか!?
「!!!」
そういえば、人間にも混血にも会った事はない。存在すると、本や先生に聞いただけだ。
「ちなみに、私は人間です」
そう、尊さんは言った。
「そうなんですか!?僕、人間にも混血にも会ったことが無くて…見分け方とかあるんですか?」
尊さんが人間……わからない!てっきり、吸血鬼かと思った……
「そうですね…この建物内であれば、ここに勤務している者達は、このように首から名前が書いてあるIDを掛けているのですが。そのストラップの色を見て見分けることが出来ます」
尊さんが首から掛けている物を見る。
青色がストラップだ。
ということは、青が人間。
伯父上は、赤を付けている。
ここに入る前に渡されたIDのストラップは、赤だ。
吸血鬼は、赤みたい。
「青が人間で、赤が吸血鬼ですか?混血は……」
うーんと考え込む。
さっき、他の色を見たような……
ああ、
「混血は、紫ですか?」
「素晴らしい。そうです。薫さん、ここの建物以外で見分ける方法は、なんだと思いますか?」
外に出ると、みんながみんな分かりやすくストラップを付けている訳では無い。
「薫、まず吸血鬼の特徴からなら分かるんじゃないかな?」
あ、そっか。それなら、答えられると頷いた。
「吸血鬼ですと、牙がある。吸血衝動がある時に目が赤くなる。能力がある。夜行性?でしょうか?」
他にあったかな?
「素晴らしいですね。さすが、樹央先生の愛弟子ですね」
尊さんは、にこっと笑った。
愛弟子!?
僕は目をカッ!と開いて、動揺する。
どちらかと言えば、教え子だと思う。
百歩譲って弟子はわかるけれど、愛弟子は行き過ぎなのでは……伯父上にも失礼になるのでは……?と思いちらっと伯父上を見ると伯父上も固まっていた。
伯父上?
「せ、先生?」
その声にはっとした顔をした。伯父上。
大丈夫だろうか?
「尊……愛弟子って?」
困惑しながらもなんとか、尊さんに答えを求めていた。
「あ、違いましたか?毎日のように、薫さんの話を研究所内でされるのでてっきり愛弟子かと思いましたよ。それは失礼致しました。……で、結局何になるんですか?」
「おい!尊!」
僕の話?……え、失敗した話とかしているのだろうか?
「先生……僕の話とは……?」
真っ青になりながら恐る恐る聞いてみる。その顔を見た伯父上は、またはっとした。
「薫!違うんだ!変な話とかしてないよ!?」
凄く焦っている伯父上を見るのは初めてだ。変な話じゃない。では、何の話をしているのだろうか?
「樹央先生、それでは誤解されますよ。薫さん、ここの研究者に聞いたら誰もが答えてくれますので、後で聞いてみてください。ちなみに、私が良く聞かされていたのは努力家でとても素直で可愛い甥っ子だと聞いてますよ」
尊さんが、僕の手を取り教えてくれた。
そんなことを?伯父上が??
甥だと言うことも言っていたんだ。
だから、玖央の名前は出さなかったのか…
「お、伯父上……」
思わず、先生ではなく伯父上と呼んでしまった。
「薫……尊が言ったことは本当のことだよ。薫が私を先生と慕ってくれているのは知っている。けれど、自分の立場で慕っていると言うことを口にすると私が迷惑すると思っているだろう?」
伯父上は、しゃがんで僕の目線になって話し出した。
「……っ」
なんでも知っていて、僕に対して変わらない態度で接してくれる伯父上を何より尊敬してきた。
それでも、僕は言っていない。そして、言うことが出来ない理由さえも誰にも言ったことがない。
一体、いつから気づいていたのだろうか?
「迷惑だなんて思うわけないじゃないか。こんなに可愛い甥っ子を突き放したりしないさ。薫は、心の中に色々と溜め込んでしまうだろう?子どもなんだ、もう少し口に出していいんだ。わがままも言っていいんだよ」
_________________。
「わがままも言っていいんだよ」
薫が誰よりも気遣いが出来て、先を読んで考えて行動するのが出来ると思う。
普通、この歳頃の子は、そんなことすら考えないだろう。
大人に甘えたくても、迷惑がかかると思って諦めてしまうような子だ。
薫は下を向いて動かなくなった。
「薫?どうし、!?」
顔を覗き込むと、ボロボロと涙を流して泣いていた。
「樹央先生……薫さんを泣かせるなんて……」
じとっとした目で尊が見てくる。
いや、違う!!
いや、違わないけれど。
ここは、笑顔で返してくれると思ったんだ。
「す、すまない。薫、至らないことを言っただろうか?」
オロオロしながら薫の頬にハンカチを当てる。
「ち、がっ…」
何か話そうとしてくれているけれど涙が止まらないようで言葉にならない。
そして、もっと泣き方が酷くなっているような……
手で目を擦っているいるが、目が腫れないだろうか?
「樹央先生?どうされたんですか?」
「あれ?どうしたんですか?」
「先生……もしかして泣かせたんですか、?!」こんなに小さい子を……
と、ぞろぞろと職員達が集まって来た。
いや、だから誤解だ!
「樹央先生、とりあえず執務室へ行きましょう。このままですと、先生が泣かせたという言葉だけが2転3転して噂が流れますよ 」
は!そうだ!
「薫、少し我慢してくれっ」
薫を抱き抱える。いわゆる抱っこ状態。
「っ!」
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