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第3章 ラシルフ 騒風と騒乱の風編
*オレ様皇太子様の側近は女王様?
*読んでも読まんでも大丈夫です(^◇^;)
セレスト=カーディナル。二十四歳。
クレイドル皇太子、グレインバルド=ルーク=クレイドル付き、筆頭側近近衛長官兼、護衛長官。
淡いスミレ色の髪に、ライラックブルーの瞳の青年。
美人と言える容姿と、性格から、陰で付いたアダ名は………………
セレストは、目の前にあったソレを思い切り蹴りつけた。
「いだぁーーーーーーッッ!!だ、誰だ?!何しやが…
セ、セレスト!何だよ、何で蹴るんだよ?痛いだろ」
「やかましい!痛いのは、貴様のケツ蹴った俺の足だ」
腕組みし目を眇めて睨めつけるセレストに、蹴られた男は、セレストより一回り以上は大きい体をビクビクと小さくさせた。
全身黒で統一させた、男。
イアン=フリーズ。セレストより二歳上の二十六歳。近衛副官兼護衛副官。セレストの補佐。
暗めの赤髪に、マゼンダ色の目の男として整った容姿の男前。だが、今は情けなくも目の前の人物の前で、様子を伺うようにビクついている。
「城の警備、城門、城壁、裏門。一体全体どうなってる?」
「は?何の事だ?んなの、交代制で切らさないよう…」
「城から、光の魔導が抜け出した」
「光の魔導って…殿下がお連れになったって噂のか?
え?抜け出した?城からか?」
「そうだ。しかも、二回目だ。把握は?」
腕組みしたセレストの指が、トントンと二の腕を叩いている。イライラしている仕草。
「できてない……」
「だろうな。二回とも、裏門から抜け出てる。警備はどうなってる?」
「三人配備……「させてたんだろう?」
遮るように言うセレスト。口元には薄く笑み。イアンは、ゴクリと緊張から飲み込む。
「光が抜け出した時間、三人とも私用で勝手に持ち場を離れたそうだ。これを何て言うか分かるか?」
「え~~っと……」
「職務怠慢だ。そのせいで、光は城抜け。しかも、ラシルフにどうも攫われたらしい」
「は?嘘だろっっ?!」
「それは、俺が言いたい言葉だ。事の重大性が理解できたか?」
セレストの眉間に縦じわが刻まれ、イアンは益々体が小さくなる。警備全体は、イアンの管轄だ。セレストは主に、グレインバルドについている為、イアンが全体の指揮をとる。
「持ち場を離れた三人は、俺から注意しておいた。俺はこれから、殿下とラシルフに外交という名の殴り込みだ。暫く、帰れない」
三人がどんな注意を受けたのか、イアンは聞くのも怖かったが、それより、続いた言葉の方に焦った。
「帰れないって!休日は?次の休日、約束してただろ?!」
「なしだな。それどころじゃない」
「セレスト~、そりゃ、ないだろう~」
「うるさい。恨むんなら、自分の職務怠慢を恨め」
フンと鼻であしらわれ、イアンはガックリ肩を落とす。
「セレストはいいのか?休日、俺、楽しみにしてて」
「別に。休日がなくなるのは辛いが、別の日に取り直せばいいだけだ」
「じゃあ、帰ったら約束……「するのは、お前次第だな」
ツンとしたまま返すセレストに、イアンはザーッと青くなる。約束を反故にする余地があると言われたも同然だからだ。
未だ腕組みしたままのセレストの腰を、イアンは慌てて抱き寄せた。拒まれはしないが、腕組みは解かれない。
「どうしたらいい?どうすれば、約束し直してくれるんだ?」
デカい体の男前が、情けなくも必死に言い募る。
「俺が殿下と帰るまで、しっかり警備するんだな。入城はもちろんのこと、退城も。部下の不始末は上官の俺の責任だ。だからそれはとる。当然だからな。が、副官のお前だけ何も無しじゃ俺の腹の虫が治らん!俺がいない間、しっかり反省しろ!」
腕組みが解かれ、イアンの首にスルリと腕が回される。
顔には、ふんわりと見るものをうっとりさせる、綺麗で妖艶とも取れる美しい微笑み。
細い腰を抱き寄せようとしたイアンの動きは、耳に吹き込まれたセレストの言葉に固まった。
「俺が帰るまでにまた何かしら不備があれば、差し当たって、休日の約束は無しだな。不備の大きさによっては、この先一生の約束は無し、お前との付き合いも考えるかもしれん。分かったら、血反吐吐く勢いでしっかり働け!」
固まったイアンの腕から抜け出し、セレストはその場から立ち去った。
残されたのは、白く灰と化したイアンのみであった。
合掌ーーーーーーーー。
セレスト=カーディナル。二十四歳。
クレイドル皇太子、グレインバルド=ルーク=クレイドル付き、筆頭側近近衛長官兼、護衛長官。
淡いスミレ色の髪に、ライラックブルーの瞳の青年。
美人と言える容姿と、性格から、陰で付いたアダ名は………………
セレストは、目の前にあったソレを思い切り蹴りつけた。
「いだぁーーーーーーッッ!!だ、誰だ?!何しやが…
セ、セレスト!何だよ、何で蹴るんだよ?痛いだろ」
「やかましい!痛いのは、貴様のケツ蹴った俺の足だ」
腕組みし目を眇めて睨めつけるセレストに、蹴られた男は、セレストより一回り以上は大きい体をビクビクと小さくさせた。
全身黒で統一させた、男。
イアン=フリーズ。セレストより二歳上の二十六歳。近衛副官兼護衛副官。セレストの補佐。
暗めの赤髪に、マゼンダ色の目の男として整った容姿の男前。だが、今は情けなくも目の前の人物の前で、様子を伺うようにビクついている。
「城の警備、城門、城壁、裏門。一体全体どうなってる?」
「は?何の事だ?んなの、交代制で切らさないよう…」
「城から、光の魔導が抜け出した」
「光の魔導って…殿下がお連れになったって噂のか?
え?抜け出した?城からか?」
「そうだ。しかも、二回目だ。把握は?」
腕組みしたセレストの指が、トントンと二の腕を叩いている。イライラしている仕草。
「できてない……」
「だろうな。二回とも、裏門から抜け出てる。警備はどうなってる?」
「三人配備……「させてたんだろう?」
遮るように言うセレスト。口元には薄く笑み。イアンは、ゴクリと緊張から飲み込む。
「光が抜け出した時間、三人とも私用で勝手に持ち場を離れたそうだ。これを何て言うか分かるか?」
「え~~っと……」
「職務怠慢だ。そのせいで、光は城抜け。しかも、ラシルフにどうも攫われたらしい」
「は?嘘だろっっ?!」
「それは、俺が言いたい言葉だ。事の重大性が理解できたか?」
セレストの眉間に縦じわが刻まれ、イアンは益々体が小さくなる。警備全体は、イアンの管轄だ。セレストは主に、グレインバルドについている為、イアンが全体の指揮をとる。
「持ち場を離れた三人は、俺から注意しておいた。俺はこれから、殿下とラシルフに外交という名の殴り込みだ。暫く、帰れない」
三人がどんな注意を受けたのか、イアンは聞くのも怖かったが、それより、続いた言葉の方に焦った。
「帰れないって!休日は?次の休日、約束してただろ?!」
「なしだな。それどころじゃない」
「セレスト~、そりゃ、ないだろう~」
「うるさい。恨むんなら、自分の職務怠慢を恨め」
フンと鼻であしらわれ、イアンはガックリ肩を落とす。
「セレストはいいのか?休日、俺、楽しみにしてて」
「別に。休日がなくなるのは辛いが、別の日に取り直せばいいだけだ」
「じゃあ、帰ったら約束……「するのは、お前次第だな」
ツンとしたまま返すセレストに、イアンはザーッと青くなる。約束を反故にする余地があると言われたも同然だからだ。
未だ腕組みしたままのセレストの腰を、イアンは慌てて抱き寄せた。拒まれはしないが、腕組みは解かれない。
「どうしたらいい?どうすれば、約束し直してくれるんだ?」
デカい体の男前が、情けなくも必死に言い募る。
「俺が殿下と帰るまで、しっかり警備するんだな。入城はもちろんのこと、退城も。部下の不始末は上官の俺の責任だ。だからそれはとる。当然だからな。が、副官のお前だけ何も無しじゃ俺の腹の虫が治らん!俺がいない間、しっかり反省しろ!」
腕組みが解かれ、イアンの首にスルリと腕が回される。
顔には、ふんわりと見るものをうっとりさせる、綺麗で妖艶とも取れる美しい微笑み。
細い腰を抱き寄せようとしたイアンの動きは、耳に吹き込まれたセレストの言葉に固まった。
「俺が帰るまでにまた何かしら不備があれば、差し当たって、休日の約束は無しだな。不備の大きさによっては、この先一生の約束は無し、お前との付き合いも考えるかもしれん。分かったら、血反吐吐く勢いでしっかり働け!」
固まったイアンの腕から抜け出し、セレストはその場から立ち去った。
残されたのは、白く灰と化したイアンのみであった。
合掌ーーーーーーーー。
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