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第二部3章 皇女降嫁?白き生花で紡がれし花冠の章
*誰だって、大切なものを失うのは怖い②
しおりを挟むソファ下、毛足のある敷き布が敷かれた床に俺とバルドはもつれるように横になる。
ちょうど俺が被ってきた毛布が下になり、思ったより痛くはない。
「ん、ぅ…バルド、待っ…!ベッ、ド」
「そこまで、今は待てん…」
一分一秒も惜しいとでも言いたげに、忙しないキスの合間、途切れ途切れに訴えたが却下された。
「ふっ、、んぅッ!!」
突如走った刺激に、唇を塞がれたまま呻く。
夜着の布越しに、薄い肉をやんわり撫でるように揉まれ、両胸の尖りを指で転がすように撫で回され押し潰されたからだ。
爪で引っ掻くようにカリカリされ、体がビクビクッと魚のように跳ねた。
布越しというもどかしさと物足りなさに、腰がイジイジしてくる。
ど、しよ……足りない。
してほしい事は分かってる。ただ、口に出すのがどうしても羞恥が勝つし……それを求めるのは躊躇われ…
足の間もじんわりしてきて、思わず足を擦り合わせた。
「ん、ん!ぷ…あ!バ、バルド!」
「足りないか?」
「ッッ!最低だ!分かってるんじゃないか!?」
「……イヴァンに何もされてないか?」
「何もされてないし!何だよ、お仕置きなしって言ったクセに!!」
「仕置きじゃねぇだろ?」
「でも!!……だって…ッッ」
全然してくれない。生温い刺激しか与えられなくて、正直な体は不満を訴えている。
「今回は俺にも落ち度がある。だから、お前を責めはしねぇ…ただ、それでも気にはなる」
上から覆い被さられ、目線が合う。
「ズルい…卑怯だろ?そ、んな……」
視線が切ない。愛しくて仕方ないとでも言いたげなそれに、あまりの恥ずかしさに顔が熱くなる。
もう、どうしてこうあけすけかな?この世界の者たちは隠そうともしない。
「お前から与えてもらう為だ。ズルくも卑怯にもなるし、なれる」
「言ってて恥ずくない?」
「ないな。欲しいもんを欲しいと言って、何が恥だ?」
う、わ~~………
かっこいいよ。
言い切ったよ。
さすがだよ、おうぢさま。
何か、いろいろ理由付けしてる俺がカッコ悪いな……
「アヤは……俺が欲しくないか?欲しいのは、欲しがってるのは俺だけか?」
「そ、れは……!」
「俺は欲しい…身体中、俺が触れてないところはないってくらいに、体だけじゃなく、心も。お前が恥ずかしいって感じる心も、俺に触れられて嬉しいって感じる心も、お前の何もかも全て。お前は、俺のものなんだって、感じさせてくれねぇか?」
全力で口説かれた。
さすがにここまで言われてしまうと…まぁ、はっきり言って悪い気はしない。
男だろうと女だろうと、求められるのは嬉しいものだ。
「いつも、じゃないからな?」
「うん?」
「今日は…そ、の…俺も、そんな気分、なだけで」
「……あぁ、分かってる。で?」
最初は分からなかったバルドも、俺が言わんとする事が分かったらしく、嬉しそうに笑う。
もう、マジでズルいって……この顔、反則!
俺がさせてる、俺の言葉一つでそうなるって…そう思っただけで………
起き上がり、座り込んだバルドの膝を両足で挟むように立て膝立ち。肩に手を置いた。
俺の方が少しバルドを見下ろす形になる。
「アヤ………」
「だ、から……も、ズルいってば!」
わざとか?わざとだろ?
そんな甘ったるい呼び方……これだから、自分の容姿の威力を知ってる奴は。
「どうするか?姫……」
「姫じゃねってぇの!も、黙って、目閉じろ!」
「仰せのままに…」
クツクツ喉奥で笑い、バルドが目を閉じる。
あぁ、ほ~んと、無駄なまでにイケメンだ!言えば調子に乗りまくるだろうから、言わねぇけど!!
心臓!ドキドキすんな!やっぱ、自分からは何度やっても慣れない。
女の子を相手にしたシミュレーションは何回もやった。まさか、現実は男相手。
しかも、俺が女の子役とか…?いまだに信じらんないけど。
でも………
バルドの頬を両手でやんわり挟み上向かせる。
甘いけど、ちゃんと男らしくてキリッとした容姿。
どうやら、俺も………
「……す、きだよ…?だから、バルドが、ほし…ぃ」
ゆっくりと口付け告げた言葉の語尾は、言い切らぬ内に、喜悦に勇む皇子の奪うようなキスと舌に絡め取られて消えていった。
*ちょっぴり強引ありの甘々いちゃラブになりそうです。次回は完全☆付きになりそうです。
糖蜜高波注意報!(笑)お好きな方も苦手な方もあわせてご注意を!!
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