暗殺任務失敗したのが組織にバレて、処女なのにハニトラさせられることになりました。密かに思ってた先輩がHの指導役とか聞いてません!

甘酒ぬぬ

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第1章 指導編 初日

1-12 ……続き、してください。先輩 ★

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「歴戦の猛者には程遠いが、充分そそるよ。任務なんて忘れそうだ」

 フォウはリヤーナの耳にちゅっとくちづけ、縁にやわく歯を立てた。

「んっ……え……?」

 耳への刺激でリヤーナは反応が遅れる。
 ちょっとだけ嬉しいことを言ってもらえた気がしたが幻聴だろうか。

「ま、こんな感じやすいんじゃ、やりたい放題されるだけだけどな」

 フォウはべっと小さく舌を出し、指を浅くリヤーナの中へと沈めた。内壁の凹凸を一つ一つ確かめるように、じれったい速度で奥に入り込んでいく。

「はぁっ、あっ……はぁんっ! そこ、やっ……ん……ぁあっ!」

 自分でも知らない内側を指の腹で擦られた瞬間、リヤーナは今までとは種類の違う刺激に襲われた。
 頭は朦朧もうろうとしているのに、身体はうるさいくらいに脈打っている。フォウの指を追い出すためか、それとも捕まえておくためなのか、勝手に下腹部にぎゅっと力が入った。

「っ、ふ……こんなに濡れてるのに指一本でこのキツさか」

 フォウはリヤーナの腰をしっかりと抱え込んで固定し、指の抽送を始めた。指の動きに合わせてじゅぷっ、つぷっと水気を帯びた淫らな音が奏でられる。

「きゃぅっ! あっ、あっ……んん! っはぁ……ぅ……そんな音、させないで……」

 リヤーナは自由になった両手で耳を塞ぎ、いやいやと全身を揺らした。

「音については俺じゃなくてお前のせいだけどな」

 フォウはリヤーナに見えるように手を広げた。
 オイルよりも色がなく、てらてらとした液体がフォウの手首まで濡らし、指の間で細く糸を引いている。

「ちがっ……違うんです! わたし、あの……!」
「何がどう違うって?」

 再びフォウは濡れた指をリヤーナの中にうずめた。
 リヤーナの身体は最初よりも抵抗なく、フォウの指を奥まで受け入れる。

「ぁん……先輩……指導って、こんななんですか……?」
「まだ入口ですらねえよ。今はただ俺にいいようにされてるだけだろ。誘惑ってのは逆だ。表面上だけ相手の望む姿を見せて、頭は冷静に。そうして、相手を自分の思うままに動かさなきゃならない」

 指導役という立場に指名されるくらいなのだから、フォウには実際にそういった経験があるのだろう。
 リヤーナは心の奥底に疼くものを感じたが、フォウの愛撫によって一瞬にして上書きされてしまった。己のちょろさ加減が憎い。

「うぅんっ……そんなの、むりですよぉ……」
「だろうな。今はまだ俺に流されてろ」

 受け答えは素っ気ないのに、フォウの指使いはひどく優しかった。ほんの少しでもリヤーナが痛がるそぶりを見せると、すぐに動きを止めたり触り方を変えたりする。

「でも……流されるのも怖い、です。身体が熱くて、変で、自分がおかしくなりそうで」

 リヤーナはフォウの腕にしがみついた。

 任務について聞かされた時から混乱はしていたが、こうやってフォウに触れられてよりいっそうわけがわからなくなった。
 ずっと好きだった人に触れられて嬉しくもあれば、心のない相手に触れられてこんなにも乱れてしまっている自分が恥ずかしくもある。

 フォウにとってはしょせん任務の一環だ。任務がなければこんなことになりはしなかった。

「最初の相手が俺で悪かった。本当に好きな奴相手だったら、そんな不安もなかったろ」

 沈んだ声で呟き、フォウはリヤーナの身体を抱きしめた。言葉だけでは伝えきれない何かを込めるような強さだった。

「先輩……そうじゃないんです。そうじゃ、ないんです」

 リヤーナは大きく首を横に振る。

 またフォウに余計な気を遣わせてしまった。
 悪いのは任務を失敗した自分と、「妹」でしかないのにフォウを好きになった自分のせいだ。だがそのことを伝えても余計にフォウを困らせるだけだろう。

 リヤーナは心を決め、フォウと向き合った。

「……続き、してください。先輩」

 金茶の瞳をしっかりと見て、伝える。

「おべっかでも忖度そんたくでもなんでもないです。私は、最初がフォウ先輩で良かったと思っています。本当に」

「……は、はは。今のは、結構きたな」

 フォウは気弱に笑うと、リヤーナの肩に額を乗せた。

「先輩?」

 声をかけた次の瞬間、フォウが顔を上げた。
 怖いくらい真剣な眼差しだった。逃げたいのに逃げられない。肉食獣ににらまれた草食獣はきっとこんな気持ちだろう。

 噛みつくような荒々しさで唇が重ねられた。
 うっすらと煙草の香りがする。その香りが、紛れもなくフォウとキスをしているのだとリヤーナに知らしめた。

 フォウはわずらわしそうにシャツのボタンをはずし、無造作に脱ぎ捨てる。

 長いキスにぼんやりとしている間に、リヤーナは押し倒されてた。裸の胸が重なる。混じり合った熱が心地良い。愛撫されていた時ほどの刺激はないが、胸が温かなもので満ちていく。

 リヤーナがおずおずとフォウの背中に腕をまわすと、ちゃんとしがみついていろと言わんばかりに腕をつかまれた。抱き潰すつもりでぎゅっと腕をまわし直すと、今度はフォウにふっと笑われた。

「お前にあそこまで言わせたんだ。失望させないようにしないとな」

 するりと髪紐がほどけ、フォウの黒い髪がリヤーナの頬にかかる。

 二度目のキスは、柔らかかった。唇を食まれ、舌先でくすぐられる。

「ぁ……ん……」

 気持ち良さにリヤーナが喘ぐと、隙間から舌に忍び込まれた。舌を擦り合わせ、じっとりと一方的にねぶられる。ぴちゃ、ぴちゃと離れるのを惜しむ水音が興奮を掻き立てた。

「はぁ……頭、くらくら、します……」

 唇が離れ、リヤーナは心置きなく空気を吸い込む。

「息継ぎしないからだろ」

 フォウはいっさい呼吸を乱していない。

「そんなの、いつするんですか」
「いつだろうな」
「もったいぶらないで教えてくださいよ。先輩の役目でしょ」

 平然としているフォウが憎らしく、リヤーナは唇をとがらせた。

「細かいことはまた今度教えてやるよ」

 いつもの意地悪な笑みを浮かべ、フォウは人差し指でリヤーナのとがった唇を押し込む。

「それより、今はさっきの続きをしなきゃならないからな」
「つづき……」

『……続き、してください。先輩』

 またも自分の発言によって墓穴を掘ったことをリヤーナは思い知らされた。
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