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第1話
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彩と入れ替わりに東雲が入ったバスルームからは、シャワーの水が流れる音が聞こえてくる。
バスローブ姿の彩は、からだが火照って、頭の中がぼーっとしていた。
それが熱いシャワーを浴びたせいなのか、極度の緊張のせいなのか……。
なんせ、こんなシチュエーションは、およそ10年ぶりである。
しかも、ここは超高級ホテルのスイートルーム。
お相手は、超イケメンの翔さん。
この10年、食べてばかりの人生で、他になんにもなかったことを思えば、今ここにいることが信じられない。
ああ……どうしよう。
こんな時なのに、おなかが減ってグーグー鳴っている。
なんせ今晩は無理して、お寿司をほんのちょっと食べただけだからなあ。
翔さんに抱かれている最中に、鳴り続けたらどうしよう……。
そうだ、かばんの中に非常用の菓子パンがあったはず。
今のうちに、食べてしまおう。
全然足りないけど、せめておなかが鳴るのを止めないとね~。
彩はこそこそとかばんを開けて、詰め込まれた菓子パンに手を伸ばす。
するとその時、かばんに一緒に入れてたスマホが鳴り出した。
あれ、ヤケクソ結婚相談所の鶴田さんからだ。
いったい、なんだろう?
いぶかしく思いながらも、スマホを耳に当てる。
「はい、杉本です」
すると、酷くあせったような鶴田の声が聞こえてきた。
『すすすすみません! つ、鶴田です……』
「鶴田さん、どうしました?」
『つ、つかぬ事をお聞きしますが……』
「はい?」
『いいい今、杉本様は、どちらにいらっしゃいますでしょうか?』
鶴田さんが、なんでそんなことを聞くんだろう?
「えっと、どうしてですか?」
『そ、それは……(じゃんじゃか、じゃんじゃか!)』
「すみません、なんだか周りがうるさくて聞き取れないんですけど」
『あ、ああっ、申し訳ございませんっ! さっき外人から買ったアイホンが急に鳴りだしてしまい……(じゃんじゃか、じゃんじゃか!!)……どうやっても、止まらないのです!』
「もしもし、鶴田さん?」
『ひいいっ……どうしよう……どんどん音が大きくなっていく……!(じゃんじゃか、じゃんじゃか!!!)』
鼓膜が破れそうな大音量とともに、いきなり通話が切れた。
いったい、なんの用だったんだ。鶴田さん……。
「彩さん。電話、誰から?」
その声に彩が振り返ると、シャワーを終えた東雲が立っていた。
彩と入れ替わりに東雲が入ったバスルームからは、シャワーの水が流れる音が聞こえてくる。
バスローブ姿の彩は、からだが火照って、頭の中がぼーっとしていた。
それが熱いシャワーを浴びたせいなのか、極度の緊張のせいなのか……。
なんせ、こんなシチュエーションは、およそ10年ぶりである。
しかも、ここは超高級ホテルのスイートルーム。
お相手は、超イケメンの翔さん。
この10年、食べてばかりの人生で、他になんにもなかったことを思えば、今ここにいることが信じられない。
ああ……どうしよう。
こんな時なのに、おなかが減ってグーグー鳴っている。
なんせ今晩は無理して、お寿司をほんのちょっと食べただけだからなあ。
翔さんに抱かれている最中に、鳴り続けたらどうしよう……。
そうだ、かばんの中に非常用の菓子パンがあったはず。
今のうちに、食べてしまおう。
全然足りないけど、せめておなかが鳴るのを止めないとね~。
彩はこそこそとかばんを開けて、詰め込まれた菓子パンに手を伸ばす。
するとその時、かばんに一緒に入れてたスマホが鳴り出した。
あれ、ヤケクソ結婚相談所の鶴田さんからだ。
いったい、なんだろう?
いぶかしく思いながらも、スマホを耳に当てる。
「はい、杉本です」
すると、酷くあせったような鶴田の声が聞こえてきた。
『すすすすみません! つ、鶴田です……』
「鶴田さん、どうしました?」
『つ、つかぬ事をお聞きしますが……』
「はい?」
『いいい今、杉本様は、どちらにいらっしゃいますでしょうか?』
鶴田さんが、なんでそんなことを聞くんだろう?
「えっと、どうしてですか?」
『そ、それは……(じゃんじゃか、じゃんじゃか!)』
「すみません、なんだか周りがうるさくて聞き取れないんですけど」
『あ、ああっ、申し訳ございませんっ! さっき外人から買ったアイホンが急に鳴りだしてしまい……(じゃんじゃか、じゃんじゃか!!)……どうやっても、止まらないのです!』
「もしもし、鶴田さん?」
『ひいいっ……どうしよう……どんどん音が大きくなっていく……!(じゃんじゃか、じゃんじゃか!!!)』
鼓膜が破れそうな大音量とともに、いきなり通話が切れた。
いったい、なんの用だったんだ。鶴田さん……。
「彩さん。電話、誰から?」
その声に彩が振り返ると、シャワーを終えた東雲が立っていた。
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