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第1話
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「そうか。友達が今から彩さんに来て欲しいと」
上半身ハダカの東雲は、冷静にそう言うと彩の顔をクールな目でじっと見つめる。
「それで、彩さんはどうしたいのかな?」
それは、まるで彩を試すかのような口ぶりだ。
そう……よりによって、翔さんといい雰囲気になり、さあこれからというときに、である。
私だって、もうあっちのスイッチが入っちゃってるから、止まらないよ~。
でも、親友のアズサが助けを求めているのに、放ってはおけないし。
ああ、どうすればいいんだろう。
……いや、やっぱり答えは決まってる。悩むことなんかじゃない。
「翔さん……ごめんなさい。アズサは親友なんです……」
すると東雲は、ふっと口元に笑みをこぼした。
「行かさない、と言ったら?」
「えっ……」
すると東雲は、いきなり彩の腰に手を回してぐっと抱き寄せた。
そしてクールな表情を崩さないまま、強引に激しいキスへと流れ込む。
「ん……」
ああ、だめ。
とろけてしまいそう……。
まるでアイスみたいに。
そうだ、アイスが食べたいっ! 練乳風味のアイスにたっぷりの小豆やフルーツが奇跡の融合を遂げた大好物のシロクマくんアイスが食べたいっ!!
はっ……キスの最中に、いったい何を考えているんだ、私ってば。
長いキスを終えると、東雲はまるで何事もなかったように彩のからだを解放し、ソファに歩み寄って置かれた自分のスーツを探る。
そして、ポケットから長財布を出した。
「その親友の家は、ここからどのくらいかかるの?」
はっと、彩は我に返る。
「ええと、電車で30分くらいです」
「それじゃ遅いな。この時間ならタクシーのほうが早い」
東雲は財布から1万円札を取り出すと、彩にすっとそれを差し出す。
「ほら、これを使ってくれ」
「いえいえっ、そんな! 自分で出しますからっ!」
「いいから。俺たちは交際してるんだ。気にするな」
確かに彩の財布の中身とスマホの電子マネーは、すっからかんである。
それはお金を手に入れたとたん、それはすぐさま食べ物に交換されて胃袋に直行するからだ。
「さあ、受け取って」
「……じゃあ、すみませんっ。次回、必ず返しますからっ!」
ああ……翔さんに本当に申し訳ないよ……。
◇
東雲の言ったとおり、アズサの家にはタクシーで、あっという間に到着した。
アズサの家は、2LDKの賃貸アパート。
そこで純也くんと、もう5年も同棲生活を続けている。
アズサの部屋のチャイムを何度も押したが、なんの反応もない。
どうしたんだろう……まさか……。
最悪の予感が、彩の頭のなかをぐるぐると駆け巡る。
「アズサ! アズサ!!」
あせってドアをどんどん叩いたが、やはり反応はない。
ふと、ドアノブを回したら……あっさりとドアが開いた。
カギ、かけてなかったんだ。
「アズサ!」
息を切らしてアズサの部屋に飛び込む。
そこには目を疑うような光景が、待ち受けていた。
上半身ハダカの東雲は、冷静にそう言うと彩の顔をクールな目でじっと見つめる。
「それで、彩さんはどうしたいのかな?」
それは、まるで彩を試すかのような口ぶりだ。
そう……よりによって、翔さんといい雰囲気になり、さあこれからというときに、である。
私だって、もうあっちのスイッチが入っちゃってるから、止まらないよ~。
でも、親友のアズサが助けを求めているのに、放ってはおけないし。
ああ、どうすればいいんだろう。
……いや、やっぱり答えは決まってる。悩むことなんかじゃない。
「翔さん……ごめんなさい。アズサは親友なんです……」
すると東雲は、ふっと口元に笑みをこぼした。
「行かさない、と言ったら?」
「えっ……」
すると東雲は、いきなり彩の腰に手を回してぐっと抱き寄せた。
そしてクールな表情を崩さないまま、強引に激しいキスへと流れ込む。
「ん……」
ああ、だめ。
とろけてしまいそう……。
まるでアイスみたいに。
そうだ、アイスが食べたいっ! 練乳風味のアイスにたっぷりの小豆やフルーツが奇跡の融合を遂げた大好物のシロクマくんアイスが食べたいっ!!
はっ……キスの最中に、いったい何を考えているんだ、私ってば。
長いキスを終えると、東雲はまるで何事もなかったように彩のからだを解放し、ソファに歩み寄って置かれた自分のスーツを探る。
そして、ポケットから長財布を出した。
「その親友の家は、ここからどのくらいかかるの?」
はっと、彩は我に返る。
「ええと、電車で30分くらいです」
「それじゃ遅いな。この時間ならタクシーのほうが早い」
東雲は財布から1万円札を取り出すと、彩にすっとそれを差し出す。
「ほら、これを使ってくれ」
「いえいえっ、そんな! 自分で出しますからっ!」
「いいから。俺たちは交際してるんだ。気にするな」
確かに彩の財布の中身とスマホの電子マネーは、すっからかんである。
それはお金を手に入れたとたん、それはすぐさま食べ物に交換されて胃袋に直行するからだ。
「さあ、受け取って」
「……じゃあ、すみませんっ。次回、必ず返しますからっ!」
ああ……翔さんに本当に申し訳ないよ……。
◇
東雲の言ったとおり、アズサの家にはタクシーで、あっという間に到着した。
アズサの家は、2LDKの賃貸アパート。
そこで純也くんと、もう5年も同棲生活を続けている。
アズサの部屋のチャイムを何度も押したが、なんの反応もない。
どうしたんだろう……まさか……。
最悪の予感が、彩の頭のなかをぐるぐると駆け巡る。
「アズサ! アズサ!!」
あせってドアをどんどん叩いたが、やはり反応はない。
ふと、ドアノブを回したら……あっさりとドアが開いた。
カギ、かけてなかったんだ。
「アズサ!」
息を切らしてアズサの部屋に飛び込む。
そこには目を疑うような光景が、待ち受けていた。
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