民衛隊ー可能性のある未来ー

たらしゅー放送局

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笑顔の訳を聞かせて

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準警戒態勢とは、大本営事務所の管轄下の土地を巡回、捜査する対応の事だ。旧国会議事堂跡大本営事務所の場合、管轄下は東京都全て。東京都にまんべんなく配置された事務所から、民衛隊が出動する。
@@@@@@@@@@@
「異常ねぇな」
「そうね」
十二時。昼食をとるために公園へと足を運んだ。流石に夏場に黒のスーツは暑い。
自衛隊とは違い、街中での戦闘が多い民衛隊は街に溶け込むような服装を求められる。理由は一般の人をびびらせないためだ。全身フル装備で迷彩服を着ている自衛官が街を闊歩していたらなにがあったか不安になるのと同じで、市民に不安を与えないよう、前を開けた状態でスーツを着ている。イメージとしてはSPの人を想像して貰うとありがたい。右肩には、階級章がついている。
「あ、そうだ。スポンサーからの伝言。期待してるよっだってさ」
「ちぇ、期待されても困る」
スポンサーとは、銃器を一定量無料で提供してくれる会社の事だ。勿論、それ以上を求めるなら金は払わなければならない。毎月政府から補助金として70万貰うが、大抵50万ぐらいはプラスの分で消えてゆく。因みに大本営事務所からの給料は年収600万、公務員と殆ど同じだ。 
「まぁね、節約すれば補助金は給料に出来るしね」
といって未海はハンバーガーにかぶりついた。ともとも、黒髪ポニーテールで少し童顔な彼女がハンバーガーを食べると小動物に見えてくる。
「ほんと、お前よく食うな」
「ええ、食べなきゃ戦えないわ。薙ももっと食べなさいよ」
といって俺の袋入りサラダを指差した。
「いいだろ?サラダぐらい!」
「そうね、薙は野菜好きだもんね」
んんー、と未海は背伸びをした。
「ねぇ、薙」
「?なんだ?」
「もしかしたら戦場になるかもしれないのにどうしてあの子達笑ってるんだろうね」
その目は鬼ごっこをする子供たちを見ていた。
「さぁな、あの事を知らないって訳じゃないだろうけど」
俺も子供たちを目で追いかける。
「そうね、知らない訳がないわ。ニュースで特番やってるしね。…私はね、薙。信頼されてるんだと思うんだ。私達」
遠い蒼空をみて未海は言った。一体いつからこんな悟りを開き始めるようになったんだろうか、話を聞く身にもなれ。
「期待ねぇ」
「そう、私達って守る側の人間でしょ?守られる側の人は私達に縋っている。だからああやって遊んでられるんだと私は思うわ」
「そうだな」
「そう考えると私たちって案外すごい人たちよね」
「まぁな」
こいつの受け答えは面倒くさい。
「さ、昼休みは終わり。ほら行くよ」
といって未海は黒色のワゴン車のもとに向かった。
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