眩魏(くらぎ)!一楽章

たらしゅー放送局

文字の大きさ
6 / 42

悔しいは上手くなるための特効薬

しおりを挟む
まるで世界が変わっていた。昨日までの日常とは何か違う、教室に入った時に向けられたら目は、まさに迫害の目だった。
(ギター部ってこんなに嫌われてんのかよ…)
狂ってしまった今日を眩魏は生きていた。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪「さて、今日から『基礎練』に入るが…どうした?元気がないけど大丈夫か?」
平井先輩の呼びかけも聞かず、ただ眩魏はボーっとしていた。
「眩魏、眩魏!」
「ひゃい!」
「もしかして見えない壁がある!みたいなことを体験したのか?」
「…はい…」
この学校ではギター部は差別の対象。差別覚悟で入部したが、やはり心にくるものがあった。
「やはりな。だがどう足掻こうとこの差別からは逃れなれない。」
「けど、打開策はあるでしょう?!どうしてしないんですか?」
「『人気のない部活はこの学校にいらない。』それがルールだ。部員がいれば別だが…そのためにもお前がうまくなって演奏会を多く開かないとな。」
「はい…頑張ります!」
「そのいきだ。さて、今日の練習は『チューニング』だ。ギターの初歩の初歩だ。」
「ちゅーにんぐ?遊○王ですか?」
「別にスターダストド○ゴンは出てこないぞ。日本語で言うと調弦だ。これをしなければ本当に汚い音楽になる。」
「へぇ~」
「チューニングはこの『チューナー』という機械を使う。この機械を付けて弦を鳴らすとアルファベットがでてくる。そのアルファベットは手前から順番に、
E
A
D
G
B
Eだ。最後のEは、はじめのEの一オクターブ上だ。チューナーには、ゲージのようなものがあるから、そのゲージのちょうど真ん中に合わせてくれ。合わせ方はさきっちょの摘まむ所を手前に回したり、逆に回したりしてあわせるんだ。」
「やってみます。」
♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩
一分後
♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩♩
「出来ました!」
「はやいな!初めてでこれは速い。弦楽器をやったことがあるのか?」
「はい、昔にウクレレを少々。けどこの作業チューニングっていうんですね。調弦って言ってました」
「呼び方はどっちでもいい。しかし、ウクレレとギターはまるで別物だ。ましてやクラシックギターはネックがでかく、押さえにくい事で有名だ。」
「確かに言われてみれば。」
そう、クラシックギターはネック(フレッドのある所)は横にでかく、押さえにくい。そこで挫折した者もいるほどだ。
「けど、多分イケる気がします。」
「ほう、強気だな。なら次は『音階』だな」
「音階?」
「そう、音の階段と書いて音階。これが出来なければ恐らく楽譜を読んでも弾けないだろう。」
『キーンコーンカーンコーン×2』
「お、もうこんな時間か。仕方ない、続きは明日にしよう。」
「はい!ありがとうございました!」
「おう、さようなら。」
そう言うとボロボロの、しかしどこか落ち着きのある部室に背を向けて帰って行った。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「眩魏くん、ギター部に入ったんだって!ウケるんですけどw」
「マジそれな!何であんなところ選んだんだろうな?」
(あんな所っていうな。)
「汚いし、弱小だし、良いところなんて無いじゃんw」
(確かに汚いし弱小だ。けどおまえらは先輩の演奏を聞いたことあるか?!聞いてから言ってくれ!)
「じゃあ、眩魏くん弾けるの?」
(それは…)
「弾けないの?弾けもしないのにいってんだ!先輩の影にこそこそ隠れて恥ずかしくないの?」
(…)
「眩魏、お前本当にダサいなw」
「ほんまになw汚物は消毒しないとなw」
ボカ!ドス!バギ!
痛々しい音が教室に響いた。
「やめろや、この分からず屋どもが!!!!」
そう言って眩魏は目を覚ました。
「はぁ、はぁ、クソ!」
悔しい。裏で何か言われていたり、部活の事をバカにされることより、今、自分が部活の為に何も出来ない事が悔しいかった。何も弾けず、
出来る事はチューニングぐらいの自分が。
「はは、最悪な目覚めだな…今日。」
思わず苦笑いが零れてしまった。と、どうじに、これまで以上に頑張ろう。そう思っていた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件

こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。 ・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。 ・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。 ・物静かで儚げな美術部員。 ・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。 ・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。 拓海の生活はどうなるのか!?

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

二十年以上無視してきた夫が、今さら文通を申し込んできました

小豆缶
恋愛
「お願いです。文通から始めてもらえませんか?」 二十年以上会話もなかった夫――この国の王が、ある日突然そう言ってきた。 第一王妃マリアは、公爵家出身の正妃。だが夫はかつて、寵愛する第三王妃の話のみを信じ、彼女を殴ったことがある。その事件が原因で、マリアは男性恐怖症が悪化して、夫と二人きりでは会話すらできなくなっていた。 それから二十年。 第三王妃はとある事故で亡くなり、夫は反省したらしい。だからといって――今さら夫婦関係をやり直したいと言われても遅すぎる。 なのに王は諦めない。毎日の手紙。花を一輪。夜食の差し入れ。 不器用すぎる求愛に振り回されるうち、マリアの中で止まっていた感情が少しずつ動き始める。 これは、冷えきった政略夫婦が「文通」からやり直す恋の話。 ※本作は「存在されていないことにされていた管理ギフトの少女王宮で真の家族に出会う」のスピンオフですが、単体で読めます。

処理中です...