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この素晴らしいギター部に金賞を!

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朝早く、やはり校門付近に鳴り響いていたのは、吹奏楽部の朝練ではなく、はたまた空手部の鬼の脚力赤松監修の走り込みの掛け声でもなく、ギター部の署名運動だった。
「ねぇ、無空くん、署名してかない?この前のライブすごかったらしいじゃん!」
「そんなんもあったなぁ。別にいいけど」
「なにそれ?」
「なんで小森がいんだよ!」
と言いながらこっちに来る三人組がやってきた。
「署名運動に参加お願いしまーす!」
「ほいよ、これでいいか?」
「はい!あと…頬、大丈夫ですか?それに何故か制服も汚れてますし…」
「あぁ、ええっと、そのぉ…ちょぅっと猫を追いかけていてな」
「?、はぁ」
「まぁ、音守くん?署名、頑張ってね」
「なんで僕の名字知ってんですか?」
ん、と無空は自分の胸を指差した。
「あぁ、名札ですか」
「まぁ、頑張んなよ」
「はい、署名ありがとうございます!」
「はいはい」
そう言うと無空達は校舎へと足を運んだ。






署名人数、三百二十四人
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「さて、あんたたち、一週間後…正確には三日後の金曜日にコンサート、というか大会が控えてるわ。まぁ一人一人課題はあると思うけど頑張って頂戴」
「はい!ありがとうございました!」
「なのー」
「はい、お疲れ様」
「所で先生!」
「何よ、弦。今日ジムに行きたいんだけど」
「どうせ長く続かないだろ!そんな事よりどっちなんですか?コンサート?それとも大会?どっちですか?」
「うーん…そうねぇ、どっちもどっちって感じかな?優越をつける音楽会?って言ったらわかりやすいかしら?」
「(´-ω-`)はぁ?」
「取り敢えず、当日になったらわかるわ!」
匙を投げたな…とこの場にいる全員が思った。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
時が過ぎるのは速いもので三日後、とあるホール前に眩魏達は集合していた。
「さて、とうとう本番よ、とその前に、座席と演奏するときの席順、それと待機場所の説明をするからよく覚えておいてね」
「はい!」
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
ホール内、眩魏達の席はステージが見やすく、とてもじゃないが、いい場所だった。
「ところで平井先輩」
「どうした星柳?」
「大会ってことは賞とかもでるんですよね?」
「あぁ、でるよ。金賞、銀賞、銅賞の三つが基本だね。違うのはスポーツなどの大会の賞とちがって、金賞や銀賞が一組だけじゃないってことだな」
「じゃあ採点基準は?」
「色々あるが代表的なもので言うと、ギターの技術や持ち方、チューニングの速さ、チューニングの音の大きさやギターの扱いなど多岐にわたる」
と一通り説明し終えた所でブーという開演の合図が流れた。
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番外編の拳奴の読み方ですが(けんど)です!
意味は拳の奴隷という意味で、まぁ、闘技場で戦わされる奴隷のことです。今も昔もいたかわかりませんが、生暖かく許してください!
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