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修学旅行ってこんなんじゃないよね
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期末試験を終えた俺たちは、浮かれていた。
「アメリカの次は東京か…旅行続きだな」
修学旅行と言うべきか、それとも航海旅行とでも言うべきか。どっちにしろ、俺達は学校のイベントで東京に行くことになっている。
「そうですね。けど私、東京って初めてなんですよ!」
と珍しく永久保が目を輝かせていた。よっぽど東京に行きたいんだろう。
「ん?なんか嬉しそうだな。なにかその日イベントでもあんのか?」
「いえ、特に無いです」
なんじゃそりゃ。
「なんじゃそりゃ」
「海に沈んでもなお都市としての機能を保っていられる。それだけでワクワクしませんか?」
「んー。しねぇな」
残念ながら俺は政治経済に興味がない。多分、大島らへんならこの話についていけるだろう。
「まぁ、一週間後だし。気長に待とうぜ?」
一週間なんてのは案外速くに終わる物だった。真っ暗な海の中、俺達は東京に向かっていた。
「海ってやっぱり広いねぇ」
なんて呑気なことを言っていると、これまでの経験上、よろしく無い事が起こる事が多々ある。今回はそんなこと無ければいいのだが…。
『艦長よ。なんか変な音がするぞ?』
水測員の吉岡翔(かける)の声が伝声管から響いてきた。
「変な音?なんじゃそりゃ」
『わかんねぇ。多分潜水艦の類のもんだろうな』
おいおいおいおい!滅茶苦茶やべぇじゃねぇか!
「総員、対潜戦闘用意!急げ!機関さん、前進微速!」
ジリリリと出来れば聞きたくないベルが鳴った。
今の状況を整理しよう。
①修学旅行だひゃっほーい!
②潜水艦らしい水中音
③対潜戦闘用意
この三つの出来事を終えた今、この時。俺は、否、俺達は困惑していた。
「翔、音紋照合は?」
『間違い。潜水艦だ。うちの学校の』
「は?」
『正しくは無人潜水艇、だな。恐らく伊201だろう』
伊201とは、海洋高校の潜水艇の中で一番古い物だ。無人潜水艇と言う名の通り、操作は全て遠隔操作で行われる優れもの。魚雷も数十本搭載可能。まさにチート級の強さだが、その反面、その部品などは特注品が多く、コストもかかり、量産は出来ず。最終的には、同型艦は一隻しか作られず、しかもこの伊201は去年退役したばかりだ。
『艦長、学校から入電!『修学旅行を楽しめ』だそうです』
あの校長は一体何を考えているのだろう?
「つまり、修学旅行って名前の対潜訓練ってのとね」
はぁ、と永久保がため息をついた。
『発射音二!魚雷、左百度!』
「第五戦速!取り舵一杯!」
「とーりかーじ!」
「水雷員、短魚雷発射準備!」
珍しく柳原が吠えた。
『雷跡を確認!!衝突コースから外れました!』
と松井が言い終わった瞬間、大きな水柱が二つ艦尾方向で爆発した。
残り八つ。
「!もどーせー!面舵一杯!」
右に大きく曲がっていることが体でわかった。
『発射音二!右舷九十度!』
「ちょこまかと!取り舵一杯!というか八の字走行はじめー!」
今度は左に曲がる。
『艦長、学校から入電。「敵潜水艦を沈めろ」だそうです』
ちっ、面倒くさい。なんて、思っていると、柳原から声をかけられたら。
「短魚雷、うっていい?」
上目遣いで言われた。そう言えば、ここ最近水雷戦をやっていない。
「撃ってください」
艦橋がざわめいた。なんせ、そう言ったのが普段は優しい永久保だったからだ。
「…永久保さん?」
「いいから撃ってください。柳原さん。別に怒ってません。東京見学が潰されたからって怒ってませんよ?ねぇ、艦長?」
と言う彼女の額には青筋が浮き上がっていた。
「う、うん…そうだね…。た、短魚雷、こーげきはじめー…」
「え?えーっと…短魚雷発射管、発射はじめ!」
普通の発射管とは違い、ちっさな音がした。
『短魚雷、発射おわり!』
恐らく、今短魚雷がちょこまかと動いて潜水艦を追っかけてるんだろう。恐ろしいもんだ。
『水中音を確認した!敵潜水艇を撃沈したもよう!対潜戦闘用具おさめてもいいよ』
「よっしゃあ!総員、対潜戦闘用具おさめ!」
「それと、尾賀さん。学校に打電してください。『帰ったらお話があります。校長を校長室に縛り付けていてください。』って」
『え、う、うん』
電信員の尾賀優奈(ゆうな)も困惑していた。そして、永久保は艦内電話のもとへと歩いていく。今、彼女は受話器を取った。
「こちら、瑞雪副艦長。永久保です」
『こ、こちら海洋高校校長、むつ…』
「校長室にいてください。絶対ですよ?」
ガシャン。
しばしの沈黙。
「…南無三」
果たして、校長は大丈夫なのだろうか?
轟々と新幹線は唸っていた。目の前には珍しく私服の永久保がいる。
今、俺達は長崎からはるばる東京に行く途中だ。
理由は単純。永久保が帰港してすぐさま校長室へ直行。校長に説教。校長の八つ当りで責任が俺に回ってきて(艦長だからだそうだ)、この夏休みを利用し東京見学へと駆り出されていた。
「なんで俺なんだよ」
「いいじゃない。丁度あなたにも東京の凄さを教えてあげるわ」
知りたくねぇよ、このやろー!と不意に叫んでしまった。
*操艦、号令に間違いがある場合があります。
あと、なんだかんだ瑞雪の構造がわからない人もいるので、艤装をここに書いておきます。
主砲
十二・七サンチ砲三基六門
雷装
六十一サンチ三連装発射管三基
六八式三百二十四ミリ短魚雷発射管
です。ちなみに、機関銃などは一応吹雪のやつと同じです。
では、これからもお楽しみください。
あと、更新遅れてすみませんでした。
「アメリカの次は東京か…旅行続きだな」
修学旅行と言うべきか、それとも航海旅行とでも言うべきか。どっちにしろ、俺達は学校のイベントで東京に行くことになっている。
「そうですね。けど私、東京って初めてなんですよ!」
と珍しく永久保が目を輝かせていた。よっぽど東京に行きたいんだろう。
「ん?なんか嬉しそうだな。なにかその日イベントでもあんのか?」
「いえ、特に無いです」
なんじゃそりゃ。
「なんじゃそりゃ」
「海に沈んでもなお都市としての機能を保っていられる。それだけでワクワクしませんか?」
「んー。しねぇな」
残念ながら俺は政治経済に興味がない。多分、大島らへんならこの話についていけるだろう。
「まぁ、一週間後だし。気長に待とうぜ?」
一週間なんてのは案外速くに終わる物だった。真っ暗な海の中、俺達は東京に向かっていた。
「海ってやっぱり広いねぇ」
なんて呑気なことを言っていると、これまでの経験上、よろしく無い事が起こる事が多々ある。今回はそんなこと無ければいいのだが…。
『艦長よ。なんか変な音がするぞ?』
水測員の吉岡翔(かける)の声が伝声管から響いてきた。
「変な音?なんじゃそりゃ」
『わかんねぇ。多分潜水艦の類のもんだろうな』
おいおいおいおい!滅茶苦茶やべぇじゃねぇか!
「総員、対潜戦闘用意!急げ!機関さん、前進微速!」
ジリリリと出来れば聞きたくないベルが鳴った。
今の状況を整理しよう。
①修学旅行だひゃっほーい!
②潜水艦らしい水中音
③対潜戦闘用意
この三つの出来事を終えた今、この時。俺は、否、俺達は困惑していた。
「翔、音紋照合は?」
『間違い。潜水艦だ。うちの学校の』
「は?」
『正しくは無人潜水艇、だな。恐らく伊201だろう』
伊201とは、海洋高校の潜水艇の中で一番古い物だ。無人潜水艇と言う名の通り、操作は全て遠隔操作で行われる優れもの。魚雷も数十本搭載可能。まさにチート級の強さだが、その反面、その部品などは特注品が多く、コストもかかり、量産は出来ず。最終的には、同型艦は一隻しか作られず、しかもこの伊201は去年退役したばかりだ。
『艦長、学校から入電!『修学旅行を楽しめ』だそうです』
あの校長は一体何を考えているのだろう?
「つまり、修学旅行って名前の対潜訓練ってのとね」
はぁ、と永久保がため息をついた。
『発射音二!魚雷、左百度!』
「第五戦速!取り舵一杯!」
「とーりかーじ!」
「水雷員、短魚雷発射準備!」
珍しく柳原が吠えた。
『雷跡を確認!!衝突コースから外れました!』
と松井が言い終わった瞬間、大きな水柱が二つ艦尾方向で爆発した。
残り八つ。
「!もどーせー!面舵一杯!」
右に大きく曲がっていることが体でわかった。
『発射音二!右舷九十度!』
「ちょこまかと!取り舵一杯!というか八の字走行はじめー!」
今度は左に曲がる。
『艦長、学校から入電。「敵潜水艦を沈めろ」だそうです』
ちっ、面倒くさい。なんて、思っていると、柳原から声をかけられたら。
「短魚雷、うっていい?」
上目遣いで言われた。そう言えば、ここ最近水雷戦をやっていない。
「撃ってください」
艦橋がざわめいた。なんせ、そう言ったのが普段は優しい永久保だったからだ。
「…永久保さん?」
「いいから撃ってください。柳原さん。別に怒ってません。東京見学が潰されたからって怒ってませんよ?ねぇ、艦長?」
と言う彼女の額には青筋が浮き上がっていた。
「う、うん…そうだね…。た、短魚雷、こーげきはじめー…」
「え?えーっと…短魚雷発射管、発射はじめ!」
普通の発射管とは違い、ちっさな音がした。
『短魚雷、発射おわり!』
恐らく、今短魚雷がちょこまかと動いて潜水艦を追っかけてるんだろう。恐ろしいもんだ。
『水中音を確認した!敵潜水艇を撃沈したもよう!対潜戦闘用具おさめてもいいよ』
「よっしゃあ!総員、対潜戦闘用具おさめ!」
「それと、尾賀さん。学校に打電してください。『帰ったらお話があります。校長を校長室に縛り付けていてください。』って」
『え、う、うん』
電信員の尾賀優奈(ゆうな)も困惑していた。そして、永久保は艦内電話のもとへと歩いていく。今、彼女は受話器を取った。
「こちら、瑞雪副艦長。永久保です」
『こ、こちら海洋高校校長、むつ…』
「校長室にいてください。絶対ですよ?」
ガシャン。
しばしの沈黙。
「…南無三」
果たして、校長は大丈夫なのだろうか?
轟々と新幹線は唸っていた。目の前には珍しく私服の永久保がいる。
今、俺達は長崎からはるばる東京に行く途中だ。
理由は単純。永久保が帰港してすぐさま校長室へ直行。校長に説教。校長の八つ当りで責任が俺に回ってきて(艦長だからだそうだ)、この夏休みを利用し東京見学へと駆り出されていた。
「なんで俺なんだよ」
「いいじゃない。丁度あなたにも東京の凄さを教えてあげるわ」
知りたくねぇよ、このやろー!と不意に叫んでしまった。
*操艦、号令に間違いがある場合があります。
あと、なんだかんだ瑞雪の構造がわからない人もいるので、艤装をここに書いておきます。
主砲
十二・七サンチ砲三基六門
雷装
六十一サンチ三連装発射管三基
六八式三百二十四ミリ短魚雷発射管
です。ちなみに、機関銃などは一応吹雪のやつと同じです。
では、これからもお楽しみください。
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