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ソロモンの悪夢再びって題名かっこいいよね?
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朝も早くに俺はドックに向かった。修理の終わった瑞雪を見に行くためだ。海洋高校は一年制。つまり、一年間だけしか学べない、この艦に乗れないのだ。この大会が終わり、最後に世界一周航海訓練を終えると卒業となる。後少ししか残されていないこの生活に、センチメンタルな気持ちになっていた。
「なっつんも見に来たの?」
なぜか横に柳原がいた。ついさっきまで気づかなかった。忍者か?お前は。
「お、おぅ。おはよう」
「ん、おはよ」
他には誰もいない。ドックの人もいない。つまり、二人きりだ。年頃の男女が二人きりとなると気まずいわけで。
「で、どうしてここにいんだ?まだ寝てていいんだぜ?」
取り敢えず、話題を変えてみる。すると、柳原はふふんと自慢げに胸を張った。
「それがね?ついに、やっと、デコイ魚雷が付いたんだよ!うちの艦に!」
そんなばかな、と思って改めて艦を見た。いたって何も変わらないように見える。
「あ、あれか」
左右両舷に付いている短魚雷発射管の後ろに、似たような三連装の発射管がこれまた両舷に付いていた。どうやらアレのことらしい。
「これを見に来たんだー!」
えへへと柳原が笑った。
「ふーん。あ、日の出だ」
水平線から、段々と暁から曙に変わっていき、やがてお天道様が脳天を覗かせた。それに波が光り、幻想的な風景となる。
パシャリ!と、スマホのシャッター音が聞こえた。
「えへへ」
またしても御来光に負けず劣らずの笑顔。眩しくて直視出来ない。
そんな時、遠くの宿舎から起床喇叭の音が高らかにこだましていた。
「もう寝れねぇな」
ふわぁー。と欠伸が出る。それが移ったのか、柳原も欠伸をした。
「ねぇ」
と柳原が俺に問いかけた。
「私達、もう卒業じゃない?」
「そうだな」
「進路とか決めてる?」
「そうだなぁ…」
曙に染まった空と海を眺め、答えた。
「この綺麗な海を護る仕事がしたい」
「えへへ、私も!」
と柳原は笑った。
「スコールか。またツイてない」
視界は最悪。朝までの天気が嘘のように、バケツがひっくり返されたような雨が降っていた。
俺達瑞雪は相も変わらず、輪形陣の端っこで走っていた。
『艦長!雨雲の範囲から抜けます』
松井からそう言われた直後、視界が急激に晴れた。
それと同時に、最悪な事もわかってしまった。
「対艦戦闘用意!急げ!」
駆逐艦三、巡洋艦二、戦艦二、空母二隻の敵艦隊がもう八キロ近くまで近くにおり、なおかつ、空母から航空機が発艦し始めていた。しかもさっきの視界不良のせいで陣形がバラバラ。正直、酷い状態だ。
「第一主砲、こーげきはじめー!」
「第一主砲、駆逐艦を狙えよ!うちーかたはじめー!」
どどん!と二発の弾が撃ち出された。他の艦も砲撃を開始している。
『命中弾なし!』
その時、横にいた駆逐艦、『翠雨(すいう)』の周りに水柱が立ち、やがて翠雨は止まってマストに白旗が上がった。
『翠雨、敵航空機の爆撃により主機を損傷したと思われます!』
これが航空機の力…凄まじい。
「主計、機関銃での対空射撃いけるか!?」
『今、佐々木君が叫びながら飛び出したわ。私も後を追う予定よ』
「頼む」
『了解!』
対空は心もとないが、一応確保した。問題は今のこの状態だ。陣形が崩れ、右往左往している今、敵から見たら俺達はただのデカ物だ。
「けど、ソロモン海戦みたいね」
と言う永久保の言葉に俺の頭はキレた。
「え、ちょ、永久保。もう一度言ってくれ」
「え?ソロモン沖海戦みたいだって言ったんだけど…」
それだ!
「それだ!!ナイス永久保!」
そう言って俺は伝声管の蓋を開けた。
「電信員、各艦に伝えろ!『ソロモン海戦。我、夕立となる』って!」
『え?あ、はい!』
果たして、これだけのメッセージで伝わるのかはわからないが、有名な話しだし、通じるだろう。
「艦長、何する気ですか?」
と永久保が怒鳴りながら言った。
「だから夕立になるんだよ。俺らが」
時は第二次世界大戦。ソロモン海で行われた三回の内の一つ。第三次ソロモン海戦のことだ。陣形がバラバラになった日本海軍の前に敵艦隊が出現。すると、夕立と言う駆逐艦が前に出て手当たり次第に発砲したり、魚雷を撃ったりしてアメリカに大損害を出させた戦いだ。当然、永久保も知っているだろう。
「航海長、ジグザグ走行はじめ!機関、第五戦速まで出せるか?」
『了解した!』
「よっしゃ!川村。砲術員に伝えてくれ。全門撃てるタイミングが出来た。ただし、少しだけだ。その間、撃てる限り撃て!」
「了解した!大島、三田、渡辺!さっきの艦長の指示聞いてただろう。タイミングはお前らに任せる!目に付いた艦にありったけの弾ぶち込んでやれ!」
『了解!』
周りの艦もあの打電に気づいたのか、こちらに砲を旋回させている艦を狙い撃ちし始めた。
「行くぜ~。ソロモン作戦夕立作戦。開始だ!」
無人航空機が次々に海に落ち、艦の周りには水柱が立つ乱戦状態のこの海域を、瑞雪は駆けていった。
*操艦、号令に誤りがあるかもしれません。注意してください。
*相変わらず乱文です。すみません。反省はしています。
「なっつんも見に来たの?」
なぜか横に柳原がいた。ついさっきまで気づかなかった。忍者か?お前は。
「お、おぅ。おはよう」
「ん、おはよ」
他には誰もいない。ドックの人もいない。つまり、二人きりだ。年頃の男女が二人きりとなると気まずいわけで。
「で、どうしてここにいんだ?まだ寝てていいんだぜ?」
取り敢えず、話題を変えてみる。すると、柳原はふふんと自慢げに胸を張った。
「それがね?ついに、やっと、デコイ魚雷が付いたんだよ!うちの艦に!」
そんなばかな、と思って改めて艦を見た。いたって何も変わらないように見える。
「あ、あれか」
左右両舷に付いている短魚雷発射管の後ろに、似たような三連装の発射管がこれまた両舷に付いていた。どうやらアレのことらしい。
「これを見に来たんだー!」
えへへと柳原が笑った。
「ふーん。あ、日の出だ」
水平線から、段々と暁から曙に変わっていき、やがてお天道様が脳天を覗かせた。それに波が光り、幻想的な風景となる。
パシャリ!と、スマホのシャッター音が聞こえた。
「えへへ」
またしても御来光に負けず劣らずの笑顔。眩しくて直視出来ない。
そんな時、遠くの宿舎から起床喇叭の音が高らかにこだましていた。
「もう寝れねぇな」
ふわぁー。と欠伸が出る。それが移ったのか、柳原も欠伸をした。
「ねぇ」
と柳原が俺に問いかけた。
「私達、もう卒業じゃない?」
「そうだな」
「進路とか決めてる?」
「そうだなぁ…」
曙に染まった空と海を眺め、答えた。
「この綺麗な海を護る仕事がしたい」
「えへへ、私も!」
と柳原は笑った。
「スコールか。またツイてない」
視界は最悪。朝までの天気が嘘のように、バケツがひっくり返されたような雨が降っていた。
俺達瑞雪は相も変わらず、輪形陣の端っこで走っていた。
『艦長!雨雲の範囲から抜けます』
松井からそう言われた直後、視界が急激に晴れた。
それと同時に、最悪な事もわかってしまった。
「対艦戦闘用意!急げ!」
駆逐艦三、巡洋艦二、戦艦二、空母二隻の敵艦隊がもう八キロ近くまで近くにおり、なおかつ、空母から航空機が発艦し始めていた。しかもさっきの視界不良のせいで陣形がバラバラ。正直、酷い状態だ。
「第一主砲、こーげきはじめー!」
「第一主砲、駆逐艦を狙えよ!うちーかたはじめー!」
どどん!と二発の弾が撃ち出された。他の艦も砲撃を開始している。
『命中弾なし!』
その時、横にいた駆逐艦、『翠雨(すいう)』の周りに水柱が立ち、やがて翠雨は止まってマストに白旗が上がった。
『翠雨、敵航空機の爆撃により主機を損傷したと思われます!』
これが航空機の力…凄まじい。
「主計、機関銃での対空射撃いけるか!?」
『今、佐々木君が叫びながら飛び出したわ。私も後を追う予定よ』
「頼む」
『了解!』
対空は心もとないが、一応確保した。問題は今のこの状態だ。陣形が崩れ、右往左往している今、敵から見たら俺達はただのデカ物だ。
「けど、ソロモン海戦みたいね」
と言う永久保の言葉に俺の頭はキレた。
「え、ちょ、永久保。もう一度言ってくれ」
「え?ソロモン沖海戦みたいだって言ったんだけど…」
それだ!
「それだ!!ナイス永久保!」
そう言って俺は伝声管の蓋を開けた。
「電信員、各艦に伝えろ!『ソロモン海戦。我、夕立となる』って!」
『え?あ、はい!』
果たして、これだけのメッセージで伝わるのかはわからないが、有名な話しだし、通じるだろう。
「艦長、何する気ですか?」
と永久保が怒鳴りながら言った。
「だから夕立になるんだよ。俺らが」
時は第二次世界大戦。ソロモン海で行われた三回の内の一つ。第三次ソロモン海戦のことだ。陣形がバラバラになった日本海軍の前に敵艦隊が出現。すると、夕立と言う駆逐艦が前に出て手当たり次第に発砲したり、魚雷を撃ったりしてアメリカに大損害を出させた戦いだ。当然、永久保も知っているだろう。
「航海長、ジグザグ走行はじめ!機関、第五戦速まで出せるか?」
『了解した!』
「よっしゃ!川村。砲術員に伝えてくれ。全門撃てるタイミングが出来た。ただし、少しだけだ。その間、撃てる限り撃て!」
「了解した!大島、三田、渡辺!さっきの艦長の指示聞いてただろう。タイミングはお前らに任せる!目に付いた艦にありったけの弾ぶち込んでやれ!」
『了解!』
周りの艦もあの打電に気づいたのか、こちらに砲を旋回させている艦を狙い撃ちし始めた。
「行くぜ~。ソロモン作戦夕立作戦。開始だ!」
無人航空機が次々に海に落ち、艦の周りには水柱が立つ乱戦状態のこの海域を、瑞雪は駆けていった。
*操艦、号令に誤りがあるかもしれません。注意してください。
*相変わらず乱文です。すみません。反省はしています。
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