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最後の地、シンガポールへ
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シンガポールと聞いて何をイメージするか。マーライオン。またはなんかビルの上にプールがあるやつ。俺もそれをイメージしていた。
しかし、まさかこんな場所に皆で来るとは思わなかった。いや、確かにマーライオンやプールとかのやつは行った。けど、まさかこんな場所に来るなんて…。大事な事だから似たようなことを二回言ってしまった。
「!」
初めての光景に俺は目を瞑った。
「艦長、こういうの初めてなんですか?」
決死の思いで目を開け、右を見ると何かを企んでいるような笑顔の永久保がいた。そこから逃げようにも、身体を器具で固定されている。
「大丈夫です。オチちれば楽になりますよ」
「ヒッ!」
ビクッと俺の身体が震え、再び目を瞑る。冗談じゃない。
「ふふ、かわいい…」
と言って俺の頬をつついてきた。
「さぁもうそろそろですよ?覚悟、決めてくださいね?」
そういわれた瞬間に一瞬の浮遊感。この身体の異常を確認するために目を開けたのが間違いだった。
「う、うわぁあああああああああああああああああああ!」
「きゃあああ!」
地獄行きの片道切符を無理矢理買わされ、俺は今、歓喜と悲鳴の入り混じる地獄行きの列車に乗らされていた。人々はその乗り物をこういう。
ーーー『ジェットコースター』と。ーーー
「ぁあー!二度と乗らねぇ!」
千鳥足になりながらも大声で叫んだ。それをみて現地の人や、乗組員達も笑っていやがる。
「なっつんの声、ここまで聞こえてたよ~」
と柳原まで茶化してきた。
俺達は今、ユニバーサルスタジオシンガポールに来ている。これは女子達の希望で、『最後ぐらい皆で楽しみましょう!』というコンセプトだそうだ。
「うっせ」
と冷たく言い放った。
遊園地の次は買い物だった。
こういう時の女子の目は野獣そのもので、店に入るや否や、風に吹かれて飛んでいくタンポポの綿毛みたいに散っていった。
残された男たちはそんな女子をみて引いていた。
「なんでこう女の買い物ってすげぇんだろうな」
佐々木の一言に全員が頷いた。
「まぁ、俺達は俺達で」
「楽しみますか?!」
大島と川村の提案に、全員が賛成した。
男だけの楽しみ。というとなんだかいかがわしい雰囲気だが、単純に飯を食うだけである。
なぜ、女子を誘わないのか。それは女子が太るからと飯を一緒に食べようとしないからだ。
まぁ柳原みたいな例外も中にはいるが、友達よりも飯と言うような奴じゃない。
「オマタセ、シマシタ!」
「おぉー!」
片言の日本語で出された料理に、歓声があがった。
チャーハンや酢豚などの中華料理や、数々のアジア料理が机一杯に並べられていた。
確かにこれは太りそうだ。
「よーし、艦長!号令お願いしまーす!」
「OK!手を合わせて!」
パチンと手を合わせる音がした。
「いただきます!」
いただきます!と当たりに響いた。
この後、集合時間に遅れて女子に散々怒られた事は言うまでもない。
ライトアップと街の明かりに照らされたマーライオンはなかなか乙なもので、全員がおぉ!と声を上げた。
「きれいだねぇ」
と柳原が息をのむ。
「だな」
「しかし、これが最後の寄港地と思うとなんか悲しいな」
川村が寂しそうにマーライオンを眺めながら言った。
「だな、俺としてはこのままのメンバーでまた集まれればいいんだがな」
海洋高校は、卒業後本人の希望と適正でそれぞれの部隊または基地に配属される。
例えば今田の場合、まず保護隊に海洋高校を卒業した後、保護隊に志願(希望)する。校長などの所謂『お偉いさん』の判断の元、適正があれば希望の部署に配属される。というシステムだ。勿論、希望が外れることもある。
「川村は…って砲術だよな」
「あぁ。艦長はなんだ?」
と聞かれ、うーんと唸るしかなかった。なんせ、希望する役職がないのだ。
「まぁ、多分兄ちゃんと同じで航海科かな?」
一応、艦長は航海科の成績が良くないとなれない。俺の自慢だ。因みに兄ちゃんは航海長だったと聞いている。
「柳原とかはどうなんだ?」
「私は勿論水雷だよ!」
「私は航海科かしら。艦長になりたいので」
「お前の下で働く奴らの泣く顔が目に見えるよ」
と笑うと、思いっ切りふくらはぎを蹴られた。めちゃくちゃ痛い。
「失礼ですね。優しく時に厳しくが私のモットーです」
「そうかいそうかい。さてと、来年の事を言えば鬼が笑うらしいからこの話は終わりにして、記念撮影をしようじゃないか」
いいねぇなどと、歓声が飛び交う。
俺は、適当にケータイを立てかけれそうな場所に置いてシャッターボタンを押し、走った。
「おっしゃ!全員、笑ってー!」
『はい、チーズ!』
パシャリと言うシャッター音が聞こた。
出航喇叭が街に響いた。学生生活最後の航海の終わりが、もう目の前にあった。
*乱文注意
*次で最終回です。是非最後まで、読んでください。
しかし、まさかこんな場所に皆で来るとは思わなかった。いや、確かにマーライオンやプールとかのやつは行った。けど、まさかこんな場所に来るなんて…。大事な事だから似たようなことを二回言ってしまった。
「!」
初めての光景に俺は目を瞑った。
「艦長、こういうの初めてなんですか?」
決死の思いで目を開け、右を見ると何かを企んでいるような笑顔の永久保がいた。そこから逃げようにも、身体を器具で固定されている。
「大丈夫です。オチちれば楽になりますよ」
「ヒッ!」
ビクッと俺の身体が震え、再び目を瞑る。冗談じゃない。
「ふふ、かわいい…」
と言って俺の頬をつついてきた。
「さぁもうそろそろですよ?覚悟、決めてくださいね?」
そういわれた瞬間に一瞬の浮遊感。この身体の異常を確認するために目を開けたのが間違いだった。
「う、うわぁあああああああああああああああああああ!」
「きゃあああ!」
地獄行きの片道切符を無理矢理買わされ、俺は今、歓喜と悲鳴の入り混じる地獄行きの列車に乗らされていた。人々はその乗り物をこういう。
ーーー『ジェットコースター』と。ーーー
「ぁあー!二度と乗らねぇ!」
千鳥足になりながらも大声で叫んだ。それをみて現地の人や、乗組員達も笑っていやがる。
「なっつんの声、ここまで聞こえてたよ~」
と柳原まで茶化してきた。
俺達は今、ユニバーサルスタジオシンガポールに来ている。これは女子達の希望で、『最後ぐらい皆で楽しみましょう!』というコンセプトだそうだ。
「うっせ」
と冷たく言い放った。
遊園地の次は買い物だった。
こういう時の女子の目は野獣そのもので、店に入るや否や、風に吹かれて飛んでいくタンポポの綿毛みたいに散っていった。
残された男たちはそんな女子をみて引いていた。
「なんでこう女の買い物ってすげぇんだろうな」
佐々木の一言に全員が頷いた。
「まぁ、俺達は俺達で」
「楽しみますか?!」
大島と川村の提案に、全員が賛成した。
男だけの楽しみ。というとなんだかいかがわしい雰囲気だが、単純に飯を食うだけである。
なぜ、女子を誘わないのか。それは女子が太るからと飯を一緒に食べようとしないからだ。
まぁ柳原みたいな例外も中にはいるが、友達よりも飯と言うような奴じゃない。
「オマタセ、シマシタ!」
「おぉー!」
片言の日本語で出された料理に、歓声があがった。
チャーハンや酢豚などの中華料理や、数々のアジア料理が机一杯に並べられていた。
確かにこれは太りそうだ。
「よーし、艦長!号令お願いしまーす!」
「OK!手を合わせて!」
パチンと手を合わせる音がした。
「いただきます!」
いただきます!と当たりに響いた。
この後、集合時間に遅れて女子に散々怒られた事は言うまでもない。
ライトアップと街の明かりに照らされたマーライオンはなかなか乙なもので、全員がおぉ!と声を上げた。
「きれいだねぇ」
と柳原が息をのむ。
「だな」
「しかし、これが最後の寄港地と思うとなんか悲しいな」
川村が寂しそうにマーライオンを眺めながら言った。
「だな、俺としてはこのままのメンバーでまた集まれればいいんだがな」
海洋高校は、卒業後本人の希望と適正でそれぞれの部隊または基地に配属される。
例えば今田の場合、まず保護隊に海洋高校を卒業した後、保護隊に志願(希望)する。校長などの所謂『お偉いさん』の判断の元、適正があれば希望の部署に配属される。というシステムだ。勿論、希望が外れることもある。
「川村は…って砲術だよな」
「あぁ。艦長はなんだ?」
と聞かれ、うーんと唸るしかなかった。なんせ、希望する役職がないのだ。
「まぁ、多分兄ちゃんと同じで航海科かな?」
一応、艦長は航海科の成績が良くないとなれない。俺の自慢だ。因みに兄ちゃんは航海長だったと聞いている。
「柳原とかはどうなんだ?」
「私は勿論水雷だよ!」
「私は航海科かしら。艦長になりたいので」
「お前の下で働く奴らの泣く顔が目に見えるよ」
と笑うと、思いっ切りふくらはぎを蹴られた。めちゃくちゃ痛い。
「失礼ですね。優しく時に厳しくが私のモットーです」
「そうかいそうかい。さてと、来年の事を言えば鬼が笑うらしいからこの話は終わりにして、記念撮影をしようじゃないか」
いいねぇなどと、歓声が飛び交う。
俺は、適当にケータイを立てかけれそうな場所に置いてシャッターボタンを押し、走った。
「おっしゃ!全員、笑ってー!」
『はい、チーズ!』
パシャリと言うシャッター音が聞こた。
出航喇叭が街に響いた。学生生活最後の航海の終わりが、もう目の前にあった。
*乱文注意
*次で最終回です。是非最後まで、読んでください。
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