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時
#24
しおりを挟む品場の指に絡ませるように、影山は掌を重ねた。
「さっき里川さんからこういうことを……いや、何か口にすると生々しいですね。ぎりぎりで逃げたんですけど、品場さんと触れ合ってたらまた思い出しちゃいました」
冗談めかした口調だったが、内容は笑えない。品場は深いため息をついて肩を落とした。
「本当に悪い。絶対担当外してもらうから。あれはただの変質者だって申告する」
「あはは、大丈夫ですよ。でも確かに、あの人充分ポジティブかも」
「そうだな。ネガティブなのは、逃げることしかできないって部分だけ。俺と同じで」
息が触れるほとの至近距離で、昏い心を吐き出した。それを吸った彼は……泣きたくなるほど明るく笑った。
「それ、俺もです」
否定も肯定も意味がないと思った。
きっとどちらの選択も正解じゃない。言葉は捨て去り、彼の唇を塞いだ。
「ん……っ」
突き飛ばされても殴られても文句は言えない。覚悟した上での行動だったが、影山は受け入れる体勢をとっていた。唇をただ押し付けただけなのに、全身がコントロールを失っていく。
少し離れて表情を窺うと、影山は何も言わず頷いた。
もう、その先のことは覚悟しているようだった。自分よりもずっと大きな何かを……彼は以前から持っていたんだ。
キスを交わしながら、影山のベルトを外す。チャックを開けてズボンと下着を引き下げた。
初めて見る彼の性器は既に昂り、真っ赤に腫れている。他人のものを生で見たことはなかった。動画ならあるが、それは見ても何とも感じなかった。けど今、彼の身体に心底興奮している。
まずいな。そう思う頭とは裏腹に、彼のものを扱く手つきはどんどん激しくなる。腕の中でびくびく跳ねる影山を確認すればするほど、それの勢いは増した。
他のことなんて何も考えず、不安は全部捨ててほしい。せめて今だけは。
「影山……我慢しないで。大丈夫だから」
「……んっ!」
彼は必死に声を殺していたが、耳元で囁いた瞬間飛沫を放った。
指先に熱い体液が滴る。濃いにおい。本当なら絶叫しそうなのに、今は全然嫌じゃない。むしろもっと嗅ぎたい、なんてことを思ってしまった。
「品場さん、俺っ……貴方が好きです」
息の荒い影山を抱き締め、頷く。わずかに下が疼いたが、慌てて天井を見上げて雑念を払った。
薄青の蛍光灯。スマホの待ち受けの展望台の絵がまた脳裏に掠めた。
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