アラヒフおばさんのゆるゆる異世界生活

ゼウママ

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第1章

19話目

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ドラゴンさんはギルドの屋根から空へ飛び上がり、遥か上空でドラゴン体に戻ってから魔境へ帰って行った。

「お嬢さんには助けてもらった、ありがとう。その内、礼に来るからな!」と、爽やかな笑顔が眩しかった。
うん、ドラゴンさんもイケメンですよ・・・。
イケメン率、高いなぁ~。異世界!

「じゃあ、マスター、私もこれで失礼しますね!」

私も宿に戻って、ゆっくりしよう。

「ちょっと待て、アヤノ殿との話はまだ終わって無い。申し訳ないが執務室まで来てくれ」

この流れで帰ろうとしたけど、駄目だった。このギルドマスター、出来る!

私はギルドマスターに手を握られて、執務室へドナドナされた。
私の頭の中では、あの哀愁ただよう懐かしの曲がかかっていたのは言うまでも無い・・・。
男性に手を握られているのに、ドキドキのときめきも無かったよ。本当に。
私もしかして、枯れてる・・・?

そんな事を考えていたら、すでに執務室が目の前だ。
ソファに座れば、申し訳なさそうにソアラさんがお茶を置いてくれた。

「さて、お前さん、何者だ?」

「突然何の質問ですか?」

本当に驚きましたよ!  前置きも何もなく本題ですか?

「アヤノ殿、貴女は自分のおかしさに気付いて無いのか?」

「何の事でしょう?私はいたって普通の娘さんですが」

自分で娘さんと、言うのは少しだけ抵抗が有りましたが、現状娘なので、ノープロブレムです。
お茶をすすりつつ目で話の続きを促します。

「はぁ~。お嬢ちゃんの年は18歳だったよな、その年でその強さは異常だ、どうやったらそこまで強くなれるのか・・・。そして、魔法だ、治療院で使っていたが、あれほどの使い手はいない、いたとしても神殿で囲われている。貴女は今までどこで、どんな生活をしてきた?」

ギルドマスターはすごく疲れた表情だ。

「冒険者をする人間にその質問ですか?確かに、私はそこそこ強いですが、普通の人間です。そして、今から世界を回る冒険を始めようとしています。世界はちょっと危険なので、お供にフェンリルを連れてです。何か問題が有りますか?」

私はニッコリとギルドマスターへ笑いかけます。

私の笑顔を見て、ギルドマスターがひくついた。
ちょっと失礼ですよ!
そこそこ可愛い笑顔をしたつもりなんですから!

「問題有りだ!!!     規格外もいいところだろうが!!!」

とうとう両手で頭を抱えてしまった。
おかしいですね、私はそこまで変な事はしてい無い!(・・・はずです・・・)
見た目は若い娘さんですが、中身はオバさんです。
社会人を何年して来たと思うんですか、常識は持ち合わせていると、自負が有るのでこの流れは心外です。

「あのですね、私はこの町に長くいるつもりは無いです。色々足りない物を買い足したらまた旅に出る予定です。その前にソアラさんとお茶に行きたいと思ってますけどね」

ギルドマスターが安心できる様に少し情報を渡します。
冒険者なんですから、長々といるわけ無いでしょ、まだまだ見て無い所がたくさん有るし、馬鹿な神官に会ったら、おとしまえを着けないといけないし、やる事はたくさん有るのです!
迷惑をかける予定も無いですし、大丈夫!
心配ご無用!




ちょっと短いですが、キリが良いので、すみません。

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