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第2章
24話目
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あれから、宰相様は頑張った。
ものすごく頑張った。
鬼気迫る迫力が色々な所を刺激したらしく、様々な噂が飛び交っていた。
結果、ドラゴン討伐を画策した商人は全て死罪、財産も全て没収され、町や村の復興費や被害者の治療費に使われる事になった。
商人に雇われていた人達は、商人ギルドが次の職場を斡旋する事となったが、ドラゴン討伐の詳細を知って、ちょっとでも協力した者達は鉱山に奴隷として送られるとの事。
貴族たちは全て御取り潰し、財産没収の上、当主は死罪、女性達は修道院へ、子供の男子達は身分が平民と成り、成人前の子は孤児院へ行く事となった。
(子供の処罰は可哀想だと思ったけど、この世界の事なので、黙っていたが、卑屈にならずに、真っ直ぐ育って欲しいと、心から思った。)
別件で余罪がある人達もいたらしく、その件でも処罰された為、領主が交代する領も有り、没収された財産は、商人と同様の用途に使われるとの事。
それら全ての事が『ドラゴン討伐は禁忌とする』という御触れと共に、国中に知らされた。
貴族の数も減り、王族が主体となって国を復興させて行く事に成る様だ。
「この様な結果となったのだが、ドラゴン達は怒りを納めてくれるだろうか?
討伐されたドラゴンの素材は全て加工され、使われているので、もどしようが無い。
甘い考えかもしれないが、それも合わせて許してもらえるだろうか?」
宰相様が沈痛な面持ちで私を見つめる。
ちょっとした怯えも見えるのだが、私はそんなに怖がられる事をした覚えが無い。
たった今、キマイラを4体討伐して、ギルドに解体に出しただけだ。
解体のおじさん達は慣れてきたのか、私が強い固体を出しても余り驚かなくなって、面白くない。
「そうですね、話してみないと解りませんが・・・。たぶん、大丈夫では無いでしょうか?」
考えられるだけの悪者は処罰された。
素材に対して旨みよりも、リスクが高く成れば討伐しようと思わないだろう。
まだまだ甘いかも知れないけど、これ以上時間をかければ、普通に生活している人達の被害が増える。
そんな事は、あのドラゴンの長さんは望まないだろう。
今後『同じ事が起きなければ良い』と、思ってくれる人なのだ。
後はギルドだけど、ドラゴン討伐が行われている事を知っていても、何も出来無かった事を、どう考えているのかな?
私が何も言わないからと、安心しているのじゃ無いかな?
マスター、甘いよ?
「じゃあ、後はドラゴンが討伐されていると知っていて、何もしなかったギルドですが、どう考えていますか?」
「!?・・・」
突然、私に話題を振られ驚いていますが、まだ終わって無いですよ?
貴方は何もしてないですよね?
おかしくないですか?
まるで自分は茅の外みたいな態度。
知っていたでしょ?
神殿がドラゴン討伐をしていると!
私に教えてくれたのは、貴方ですよ、ギルドマスター。
ギルドには何の責任も無いのかな?
「・・・・・・」
「今まで考える時間が有ったよね?
ギルドマスター、貴方は何をしてたのですか?
周辺の魔物討伐の指揮だけが、貴方の仕事では無いはずなんですが。
この件は無関係だとでも?
他のギルドマスター達の考えは?
神殿がドラゴン討伐をしていると知っていたギルドマスターはどれ程いますか?
ギルドとしての責任は?」
どの質問も答える事無く、顔色を悪くして行く。
「まあ、待ってくれ、ギルドには責任が無いのだ。
ドラゴン討伐の主体は神殿だ、確かに魔物を討伐し冒険者と素材を売り買いするのはギルドだが、この話にはどこにも組み込まれていなかった。
むしろ、貴族達が暗躍していたので、傍観しか出来なかっただろう。
故に、ギルドは堪えてやってもらえないか?
今ギルドまでと成ると、この国は立ち行かなく成る」
宰相様がギルドの弁明をしたが、本来はギルドマスターの仕事だよね?
このギルドマスター、ダメダメだな・・・・。
「ふぅ~。
まぁ、良いでしょう。
では、私はこれで失礼します。
この報告を持って、ドラゴンさん達と話し合いをして来ます」
「よろしく頼む!出来れば直接謝罪したいが、会って頂けるか解らないだろう。
もし、可能なら陛下を初め、我等が直接謝罪をしたい旨を伝えて頂けるか?」
「良いでしょう。聞いて来ます」
私は町を出て転移しようかと思ったけど、まだドラゴンさん達に転移が出来る事を伝えていなかったので止めた。
エシャントさんに迎えに来てもらおう!
しかし・・・。
「私の後ろをついて来ている人達は、何のご用ですか?
ウォルフ!」
私が話しかけた事で、5~6人の男達が出て来た。
私の直ぐ横で白銀の狼姿のウォルフが、威嚇をはじめた。
さすがの迫力!
男達の腰は引け、脚は震えている。
「大変申し訳ありません。我等はこの国の宰相閣下の部下です。
『アヤノ様には気付かれるだろう』と、主も言っておりましたが、危害を加える気はさらさらありません。
ただ、『どうやってドラゴンとコンタクトをとるのかを可能ならば見て来て欲しい』と言われたもので。
貴女を信用していないのではなくて、失礼な話ながら純粋に興味だと言っておりました。
お怒りとは思いますが、図々しくも、教えて下さい!」
宰相様とあろう者が、簡単に人を信用するなぁ~。と、思ってはいたけど。
しかも、見た目小娘を!
解ら無い事でも無いよね!
国の一大事だ!慎重に事を進める必要が有るもの。
『失礼な!』と、怒る所でも有るんだけど、ここまでの事をしたのだ、解決する保証は確かに欲しいと思うのは、当たり前の事かもしれない。
隠れてこそこそは、いただけないが、面と向かって聞けるだけの関係は、結んでいないから仕方が無いのかな?
怖がられていたし・・・・。
でも、純粋な興味かぁ~。
案外面白い人かもね!
「失礼な話ですが、良いでしょう。今から見る事は宰相様だけに報告をして、自分達は忘れなさい。
良いですね!」
「はい!ありがとうございます。
感謝します。
誰にも話しません、忘れる事を誓います!」
笑顔が良いですね。
お互いに名乗りはしませんが、その態度は好感が持てる。
「では、迎えに来て下さい!≪エシャント≫さん」
少しの空間が揺れ、ゆっくりと白いドラゴンが現れる。
「グルゥァァ~。《迎えに来たぞ~》」
現れたドラゴンを見て、男達は腰を抜かして地面にへたり込む。
情けない姿だけど、これが正常な反応かな?
「そういう事で、失礼します。
宰相様には今回だけはこの失礼さを許します。と、お伝え下さい!
疑問に思う理由が解りますから。でも、次はないです!」
そう伝えてエシャントさんに乗って空の旅人となった。
ものすごく頑張った。
鬼気迫る迫力が色々な所を刺激したらしく、様々な噂が飛び交っていた。
結果、ドラゴン討伐を画策した商人は全て死罪、財産も全て没収され、町や村の復興費や被害者の治療費に使われる事になった。
商人に雇われていた人達は、商人ギルドが次の職場を斡旋する事となったが、ドラゴン討伐の詳細を知って、ちょっとでも協力した者達は鉱山に奴隷として送られるとの事。
貴族たちは全て御取り潰し、財産没収の上、当主は死罪、女性達は修道院へ、子供の男子達は身分が平民と成り、成人前の子は孤児院へ行く事となった。
(子供の処罰は可哀想だと思ったけど、この世界の事なので、黙っていたが、卑屈にならずに、真っ直ぐ育って欲しいと、心から思った。)
別件で余罪がある人達もいたらしく、その件でも処罰された為、領主が交代する領も有り、没収された財産は、商人と同様の用途に使われるとの事。
それら全ての事が『ドラゴン討伐は禁忌とする』という御触れと共に、国中に知らされた。
貴族の数も減り、王族が主体となって国を復興させて行く事に成る様だ。
「この様な結果となったのだが、ドラゴン達は怒りを納めてくれるだろうか?
討伐されたドラゴンの素材は全て加工され、使われているので、もどしようが無い。
甘い考えかもしれないが、それも合わせて許してもらえるだろうか?」
宰相様が沈痛な面持ちで私を見つめる。
ちょっとした怯えも見えるのだが、私はそんなに怖がられる事をした覚えが無い。
たった今、キマイラを4体討伐して、ギルドに解体に出しただけだ。
解体のおじさん達は慣れてきたのか、私が強い固体を出しても余り驚かなくなって、面白くない。
「そうですね、話してみないと解りませんが・・・。たぶん、大丈夫では無いでしょうか?」
考えられるだけの悪者は処罰された。
素材に対して旨みよりも、リスクが高く成れば討伐しようと思わないだろう。
まだまだ甘いかも知れないけど、これ以上時間をかければ、普通に生活している人達の被害が増える。
そんな事は、あのドラゴンの長さんは望まないだろう。
今後『同じ事が起きなければ良い』と、思ってくれる人なのだ。
後はギルドだけど、ドラゴン討伐が行われている事を知っていても、何も出来無かった事を、どう考えているのかな?
私が何も言わないからと、安心しているのじゃ無いかな?
マスター、甘いよ?
「じゃあ、後はドラゴンが討伐されていると知っていて、何もしなかったギルドですが、どう考えていますか?」
「!?・・・」
突然、私に話題を振られ驚いていますが、まだ終わって無いですよ?
貴方は何もしてないですよね?
おかしくないですか?
まるで自分は茅の外みたいな態度。
知っていたでしょ?
神殿がドラゴン討伐をしていると!
私に教えてくれたのは、貴方ですよ、ギルドマスター。
ギルドには何の責任も無いのかな?
「・・・・・・」
「今まで考える時間が有ったよね?
ギルドマスター、貴方は何をしてたのですか?
周辺の魔物討伐の指揮だけが、貴方の仕事では無いはずなんですが。
この件は無関係だとでも?
他のギルドマスター達の考えは?
神殿がドラゴン討伐をしていると知っていたギルドマスターはどれ程いますか?
ギルドとしての責任は?」
どの質問も答える事無く、顔色を悪くして行く。
「まあ、待ってくれ、ギルドには責任が無いのだ。
ドラゴン討伐の主体は神殿だ、確かに魔物を討伐し冒険者と素材を売り買いするのはギルドだが、この話にはどこにも組み込まれていなかった。
むしろ、貴族達が暗躍していたので、傍観しか出来なかっただろう。
故に、ギルドは堪えてやってもらえないか?
今ギルドまでと成ると、この国は立ち行かなく成る」
宰相様がギルドの弁明をしたが、本来はギルドマスターの仕事だよね?
このギルドマスター、ダメダメだな・・・・。
「ふぅ~。
まぁ、良いでしょう。
では、私はこれで失礼します。
この報告を持って、ドラゴンさん達と話し合いをして来ます」
「よろしく頼む!出来れば直接謝罪したいが、会って頂けるか解らないだろう。
もし、可能なら陛下を初め、我等が直接謝罪をしたい旨を伝えて頂けるか?」
「良いでしょう。聞いて来ます」
私は町を出て転移しようかと思ったけど、まだドラゴンさん達に転移が出来る事を伝えていなかったので止めた。
エシャントさんに迎えに来てもらおう!
しかし・・・。
「私の後ろをついて来ている人達は、何のご用ですか?
ウォルフ!」
私が話しかけた事で、5~6人の男達が出て来た。
私の直ぐ横で白銀の狼姿のウォルフが、威嚇をはじめた。
さすがの迫力!
男達の腰は引け、脚は震えている。
「大変申し訳ありません。我等はこの国の宰相閣下の部下です。
『アヤノ様には気付かれるだろう』と、主も言っておりましたが、危害を加える気はさらさらありません。
ただ、『どうやってドラゴンとコンタクトをとるのかを可能ならば見て来て欲しい』と言われたもので。
貴女を信用していないのではなくて、失礼な話ながら純粋に興味だと言っておりました。
お怒りとは思いますが、図々しくも、教えて下さい!」
宰相様とあろう者が、簡単に人を信用するなぁ~。と、思ってはいたけど。
しかも、見た目小娘を!
解ら無い事でも無いよね!
国の一大事だ!慎重に事を進める必要が有るもの。
『失礼な!』と、怒る所でも有るんだけど、ここまでの事をしたのだ、解決する保証は確かに欲しいと思うのは、当たり前の事かもしれない。
隠れてこそこそは、いただけないが、面と向かって聞けるだけの関係は、結んでいないから仕方が無いのかな?
怖がられていたし・・・・。
でも、純粋な興味かぁ~。
案外面白い人かもね!
「失礼な話ですが、良いでしょう。今から見る事は宰相様だけに報告をして、自分達は忘れなさい。
良いですね!」
「はい!ありがとうございます。
感謝します。
誰にも話しません、忘れる事を誓います!」
笑顔が良いですね。
お互いに名乗りはしませんが、その態度は好感が持てる。
「では、迎えに来て下さい!≪エシャント≫さん」
少しの空間が揺れ、ゆっくりと白いドラゴンが現れる。
「グルゥァァ~。《迎えに来たぞ~》」
現れたドラゴンを見て、男達は腰を抜かして地面にへたり込む。
情けない姿だけど、これが正常な反応かな?
「そういう事で、失礼します。
宰相様には今回だけはこの失礼さを許します。と、お伝え下さい!
疑問に思う理由が解りますから。でも、次はないです!」
そう伝えてエシャントさんに乗って空の旅人となった。
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