アラヒフおばさんのゆるゆる異世界生活

ゼウママ

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第3章

5話目

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私達はエシャントさんの背に乗り『グロアリール』国の国境付近の森へ降りた。
しかも夜、『認識阻害』をかけても日中に降りるより、ドラゴンの姿を晒さずに済むと思ったから。
森の中で家を出して、エシャントさんに送ってくれたお礼を告げて別れた。
『戻る時は遠慮なく呼んで下さいね』と、迫力有る笑顔を頂いたので、やっぱり『転移』出来ると言えなかった私は『ヘタレ』?
でもね、ああ見えてエシャントさんは結構忙しいドラゴンなのだと、ある日気が付いたので、呼ぶのが心苦しいのよね・・・。
でも呼ばないと拗ねられそうだし・・・。
悩むよね・・・。
その日は、この家の周囲には自動的に結界が張られるみたいだから、魔物に襲われる心配は無いと伝えて皆でゆっくり休んだよ!
神さま仕様って、すごいよね!感謝しないと!
次の日の朝装備を整えて、家を収納し出立した。
先ずは国境までの街道を目指し歩きはじめる。
私の横には瞳をキラキラさせて歩くピュアちゃと、ウォルフがいる。
ウォルフが『今度は絶対に一緒にいる』と、言い張り私は負けた・・・。
『呼ばれるまで側にいられないのは嫌なのだ』と譲らなかったのだ。
ちなみに装備なんだけど、私はセラールさんからの貰い物一式。
ウォルフは装備はいらないらしく、普通の服を着ている。
狼から人化した際に毛皮が服の形をとるらしい・・・。
傷も付かないし、デザインは人族の物を真似るので、何時でも変更可能との事。
便利だよね。
同じ理由でピュアちゃんも可愛らしい服を着ている。外套をどうするか悩んでいたら、≪無限収納≫の中に入ってあった。
性能は抜群だったので、そのまま渡すとかなり恐縮された、だけど、有った方がいいからと無理やり着せた。
こんなに可愛いのだから、襲われたら大変だよね!
しばらく薬草類を採取しながら街道に向かって進んで行く。
道中の魔物はウォルフが華麗に狩っていた。
ピュアちゃんも魔法で攻撃していたけど、風魔法が得意なのか、全て首チョンパ!していた。
ルチルさんが強さは心配無いと言っていた理由が解ったよ・・・。
街道に出て国境に向かって進んで行くと、時々商人さんや冒険者の人達とすれ違ったけど、トラブルも無く国境へ着き手続きの為の列に並ぶ。
良くあるテンプレでは、道中に魔物や盗賊に襲われる貴族や王族、商人さんを助けるイベントが起こるのだが、私達には起きなかった。
良かった、良かった。
何事も無く順番が来て、詰所で手続きをする。
私の普通のSランクカードを見て係の人が驚いていたが、ウォルフとピュアちゃんに身分証明が無い事で問題視された。
だけど、私のパーティーで有る事、次の町でギルドに登録する事に決めている事を強く伝えたら、有り難い事に何故だか許可してくれたよ。
せめて、ウォルフに控えてもらっていたら良かったんだけど、やっぱり『嫌だ』と言われたから仕方がない。
私からしたら、疑問点がいっぱい有るのは解っていたけど、許可してくれて良かった。
それと、私はSランクカードで通行税が免除されたけど、ウォルフとピュアちゃんに銀貨10枚かかった。
お金はたっぷり有るから心配無いけどね!
面倒な事を避けるためには、エシャントさんに乗って直接『ノアニール』国に行っても良かったんだけど、面倒だがこの工程は必要だった。
私がこの国から出て行くと、記録に残しておきたかったから。
その内ギルドやらに私がこの国を出た事が伝わるだろう。
私は笑顔でピュアちゃんと手を繋ぎノアニール国内へ歩いて行く。
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