アラヒフおばさんのゆるゆる異世界生活

ゼウママ

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第3章

閑話

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お知らせです!
8話目の≪ハートフルヒーリング≫を≪ハートヒーリング≫に変更しました。
悩んでいた私へのアドバイスをありがとうございました。
宜しければ、今後とも拙い作者への助言等ありましたら、よろしくお願いいたします!

―.―.―.―.―.―.―.―.―.―.―.

私は今日、今までに無い不思議な体験をしました。
私は『ドリ』の町に有る冒険者ギルドの、買い取り所の主任を任されております。
そこには少し問題の有る職員『キャリー』が、います。
彼女はこの町で生まれ育った普通のエルフの一人
で、≪鑑定≫魔法が使える為、この職についています。
そもそも≪鑑定≫魔法は使える者が少なく、大概商人に雇われる事が多いのですが、彼女の抱えている問題の為、町の外に出なくて良いギルド内で働いています。
お陰で、買い取り査定が早く、正確に行われるので、大変助かっているのです。
彼女の抱えている問題は、『ウルフをみると悲鳴をあげ、硬直して仕事が全く出来なくなる』と、いうものなので、見なければ優秀で、問題なしの職員です。
冒険者の皆様も、彼女の事が解っているのか、有り難い事にウルフを出す時は、別の職員を呼んでいます。
まあ、この町で生まれ育った彼女の事を知らない冒険者はいないので、おおむね問題は起こらないのですが、国境に近い為たまに知らない冒険者によって問題が発生するのです。
今日も国境を越えて来た人族が、グレイトダイヤウルフを持ち込んだ為に、彼女の悲鳴が響き渡りました。
私は『またか・・・」と、思い、事態を収拾するために動きましたが、その後に思いがけない事が起こったんです!
『アヤノ』様というSランクの冒険者は、フードに隠れて素顔が見えませんが、かなりの実力を感じました。
また、お連れの方々ですが、今までギルドに登録をしていなかった様で、ランクは低いのですが、かなりの実力者達です。
キャリーの対応にお怒りで、買い取りを中止してギルドを出て行く所に間に合い、まずは謝罪をしました。
その後、少し話をさせて頂き、彼女の問題を解決出来ず、周囲の冒険者達の優しさに甘えてしまっていた事を痛感した私ですが、だからといって、打開策も無く今まで来てしまっていた事を、解決するのは難しく悩んでいると、何とアヤノ様が治して下さると言われました!
私達もキャリーのあの悲痛な叫び声を聞く度に、助けられない自分達の無力さに、打ちのめされた記憶だけが残っています。
『治せるものならば、治してあげたい、あの悲痛な叫び声をあげずに済む様にしてあげたい!』
周囲の職員や冒険者達の思いは同じ、私達はすがり付く勢いでアヤノ様にお願いを致しました。
『時間が無いから』と、行われた治療。
キャリーが抱えていた辛さは、私達が考えていたものとは違い、自らを責めるものでした。
どれ程辛かったのか・・・・。
気付いてやれなかった事が悔やまれました。
大粒の涙を流しながら語るキャリーの姿に胸を打たれた人達は多かった様です。
そして、泣いていたキャリーが突然光ったのです!
それは、まぶしい光りではなく、優しい、優しい、慈愛溢れる光りだったのでは無いかと、推察しました。
今まで生きて来ましたが、はじめて見る魔法の光りでした・・・。
私自身もなんだか優しい気持ちに成り、癒された様です。
その後アヤノ様は『確認は大事!』と、キャリーの前に一度直したグレイトダイヤウルフを取り出しました。
・・・・悲鳴は聞こえませんね・・・。
レッドウルフも出てきましたが、大丈夫でした・・・。
キャリーはもうあの悲痛な叫びを、上げなくて良くなったんですね。
彼女を助けてくれたアヤノ様に、ギルド職員や冒険者達と最大の感謝を捧げ、報酬の話に成りましたが、『いらない』と、言い、ウルフを収納してギルドを出て行ってしまいました。
やはり売っては頂けない様です、残念ですね・・・。
しかし、『時間が無い』と、言っていた事を思い出し、邪魔をしないように引き留めず、お見送りをしました。
『次にお会いした時、絶対にお礼をするのだ』と、心に決めて・・・。
エルフの寿命は長い、時間はたっぷり有りますから、大丈夫です!
アヤノ様に受けた『ご恩』は絶対に忘れません。
私の姪をお救い下さり、ありがとうございました。
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