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第3章

10話目

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私はあれからものすごく感謝された。
それこそ、有り得ないほどに・・・。
ピュアちゃん達は『当たり前!』と、いう顔をしていたけど・・・。
う~ん・・・、そうかな?
取り合えず、ウルフを見ても悲鳴は出なかったから、彼女はもう大丈夫だろう。
周りの視線が気になったので、ウルフを収納してギルドを出る事にした。
キラキラの視線が痛いですよ・・・。
そこ!拝むの止めて下さい!

「アヤノ様、ありがとうございます!
このご恩は絶対に忘れません!
いつかまた来て下さい!
今回はご迷惑をおかけしましたが、その時は絶対に良い仕事をして見せます。
そして、私も誰かの力になれる様に頑張ります!
貴女が助けてくれた様に、私も誰かを助けられる様に・・・。
今までに助けてくれていた人達に、ご恩が返せる様に・・・。
今までどれだけ周りに助けられていたのか、甘えていたのか解りましたから・・・。
本当にありがとうございました!」

キャリーさん、泣いた後ですが、良い笑顔をしている。
良かったね!

「主は優しすぎる!」

ギルドを出て町を出る為に歩いていると、ウォルフが憮然とした表情で話しかけてきた。
さっきの事を言っているのだと解るけどね・・・。

「あら!ウォル兄、姉様はその優しさが素晴らしいのですわ!」

何、止めて、ピュアちゃんまでキラキラの瞳!

「私は自分のしたい事をしただけだよ、『自分勝手な感情で後先考えない事をする』と、良く母に言われていたけど、たまに、何故か、やってしまうんだよね・・・。
あの時も何故か『助けたい!』と、思ってしまったんだから仕方がない。
何でだろう?
また、面倒な事にならなければ良いけど・・・」

「大丈夫ですわ!何があっても姉様はやりたい事をおやりになって下さいませ!
わたくしにもお役に立てる事が有ればおっしゃって下さいませね!
外は本当に面白いですわ!
何もかもが新鮮で、楽しくて、面白い・・・。
連れて来て頂いて本当に良かった!
ありがとうございます!」

嬉しそうに笑うピュアちゃんの事を見ていると、こちらも嬉しくなる。
彼女が楽しいならば良いかな?

「我も手伝える事は何でもするぞ!
ただ、我は心配なのだ、主が何に傷つくか解らんからな。
まあ、我が居るから魔物どもには傷つけられる事は無い!
何者からも守ってやるぞ!」

ウォルフ、ちょっとずれてる?
気持ちは解るけどね・・・。

「二人ともありがとう、今夜はご馳走を作っちゃおう!
さっさと町を出て野営地を見つけようね!」

ご馳走の言葉は偉大だ!
二人は素晴らしい速度と感覚で野営地を見つけた。
今夜は二人の好きな揚げ物にしよう!
天ぷらにから揚げ、フライ、どれにしようかな?
目を輝かせて食べる二人を想像して微笑む。
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