アラヒフおばさんのゆるゆる異世界生活

ゼウママ

文字の大きさ
10 / 87
第1章

6話目

しおりを挟む
お気に入り登録!ありがとうございます。嬉しいです。

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼


あれから解った事は、今いるのは大陸の左下≪グロアリール≫という国にある魔境の端の森だった。
森を抜け少し移動すると、国境の町≪ガリル≫がある、私はその町のギルドで冒険者登録をしようと思っている。そのため、家の周囲をウォルフと散歩しながらこの身体の使い方を確認していた。

ドシュ!   バスッ!   ドゴッ!   レッドオーガ、ブルーオーガをそれぞれ刀と風魔法で首から切断し、最後に踵落としで仕留めた。

「ウーン、身体の切れがいまいち?どう思うウォルフ?」  私は側で見ていたウォルフに聞いてみた。

【良いんじゃないか、魔境の端とはいえこの辺の魔物はかなり強い、それを一撃で仕留める事が出来るんだ、上出来だろう。我の出番が無いんだから 】

「そうかな?まあ、ウォルフが言うんだから大丈夫だよね!  じゃあ、辺りの薬草類や木の実、果物何かを採取しながら家に帰ろうか!  明日は町に向けて出発する予定だし、今夜はカレーを作って食べようよ 
 」

「ウム、カレーが何かは知らんが、主の作る物は全てうまい!今夜はも楽しみだ!」
人化して採取を手伝ってくれるウォルフと共に、楽しくおしゃべりをしながら帰宅した。もちろん、周囲の警戒も怠らない。

翌朝、家を《無限収納》にしまって《神セラール》に貰ったコートを羽織り、ウォルフの背中に乗って出発した。

弱い魔物はウォルフを警戒して出てこず、順調に進みに直ぐに街道に出て来れた。地図を確認して≪ガリル≫の町を目指す。(ウーン、やっぱりフェンリルは目立つよねぇ~。さて、どうしようかな )とりあえず、隠そうかな。
「ねぇウォルフ、町の門の手前で一旦私の影に入ってくれない?ちょっとだけ様子が見たいの」
【了解した 】
人が居ない街道で一旦ウォルフを私の影に入れる。従魔はこんな事が出来るから有難いよねぇ~。
私はその場所から歩いて門に向かった。

「止まれ、止まれー。そこのお前、フードを外して顔を見せろ!一人か?どこから来た?」一人の兵士が槍の刃先を向け聞いてきた。

フードを外し兵士に顔を見せながら質問に答える。
「こんにちは、怪しい者じゃありません。私はあそこの森で採取してました。ちょっと道に迷って・・・。街道に出て町が有るかな?と、思い歩いてここまで来たんです 」
私は来た道の奥の魔境を指差しながら話す。

「何!魔境の森で採取だと!」
「はい。ところでここはどこですか?」
「ここは≪グロアリール≫国のガリルの町だ!」

兵士はまだ槍の刃先を私に向け、ある程度の距離を保ちながら答えてくれた。まぁ、知ってて確認のために聞いたんだけど。この兵士の対応は合格だよね、私という存在を女と油断せずにきちんと警戒しているんだもの。
(綾乃はまだ知らなかった、普通の女性は一人で魔境の森で採取等しない事を )

ちょっと考え込む振りをしながら。
「私はまたしても変に迷ってしまったのですね 」と、かなりのショックを受けている振りもした。(長年看護婦をしてきたのだ、ちょっとした演技はお手のもの、上手くいくと良いけど・・・ )

「んっ?大丈夫か?」
「はい、よくある事何で・・・・」
「よ、よ、よくある事なのか?」

「ええ、採取に夢中になると回りが見えなくなり、魔物と戦闘後走り回る事で、迷うんです。今回もそこまで深く森に入るつもりが無かったんですが、魔物に追いかけられて走っていたら迷いました。2、3日迷ってここまで来たんです 」  
はぁ~。と、ため息を付きながら座り込む。

「お、おい、大丈夫か? とりあえず町に入るなら身分証明書を見せてくれ 」

「すみません。身分証明書は持ってないんです。村の出入り位じゃいらないと思って、置いて来たので」と、困った様に話すと。(あらかじめ用意していた設定だけど、大丈夫かな?)

「そうか、身分証明書がないなら、すまんが銀貨3枚いるぞ。何か採取して有るなら町のギルドで換金すれば良いが、金は有るか?」 
ちょっと心配そうに兵士の方が聞いてくる。
「ええ、そのくらいなら有ります 」と、ちょっと困り顔の笑顔を作り返事を返す。

「はい、銀貨3枚です」斜めがけのバックから銀貨を取り出し兵士に渡す。
「確かに、じゃあ後はこの水晶に手を置いてくれ」
指し示された水晶に手を置く。すると中が白く輝く。
「よし、犯罪歴も無いな。じゃあ、ようこそ、≪ガリル≫の町へ! 後無事に村へ帰れると良いな」
「ありがとうございます」
兵士の方にお礼を言って門をくぐる。(うん、もう少し疑われるって思ったけど、チョロかった)
しおりを挟む
感想 150

あなたにおすすめの小説

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。 流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。 しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。 同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。 ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。 新たな生活は異世界を満喫したい。

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

幼女と執事が異世界で

天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。 当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった! 謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!? おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。 オレの人生はまだ始まったばかりだ!

幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー

すもも太郎
ファンタジー
 この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)  主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)  しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。  命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥ ※1話1500文字くらいで書いております

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

処理中です...