アラヒﾌおばさんのゆるゆる異世界生活

第１章

閑話

少し遡った神界では
『今日も僕の世界は順調だね！』

僕の作った世界《セラフィール》緑豊かで、様々な者達が生を謳歌している。一時期戦争やら何やらで破壊されたり、文明も衰退しかなり危険な状態が続いたけど、今現在は争いもなく穏やかな状態が続いている。

『いやぁ～。一時期はどうなるのかと思ったけど、本当に良かったよ！こんなに落ち着いてくれるなんて・・・。んつ？  何だ？   あの歪みは？  どうしてこんな所に・・・？  まあ、良いか、ちゃっちゃと修正しよう 』   
僕は少し手に力を込めて、歪みのあった空間に干渉した。

《しまった！  ヤラカシタ！！   大変だ！！！》  僕は自分の世界を被う空間に干渉したが、力加減を間違い、違う世界の空間に干渉してしまった。
慌てて被害が無いか確認すると、地球の日本という場所にいる人間と、その周囲を破壊してしまった事が解る。
『大変だ、急いで修正とあの魂を保護しないと。あと、この世界の管理者に謝罪をして・・・』
僕は急いで必要な処置を行った。


『申し訳ございません。アースガイヤ様、僕のミスであなたの世界に被害を与えた事を謝罪します』

僕は地球の管理者であるアースガイヤ様の空間に赴き、頭を下げた。アースガイヤ様は素晴らしい神で、長く地球を管理している方だ。その素晴しさは地球の繁栄を見れば解る。様々な文明、多種多様な動植物、また、食文化の繁栄は素晴らしく、様々な神が羨ましく、あやかりたいと思う程だ。

『  ほんに、あなたらしくないミスですね。セラール様でもこの様なミスをされるとは、まあ、その後の対応も早く的確であったので、さほど影響が無かったのは僥倖でした。しかし、巻き込まれた人がいたのが頂けません。こちらの輪廻に戻すのも難しいでしょう。あなたが保護した様ですが、どうされるのでしょうか？』  
アースガイヤ様はおっとりと話されるが目は厳しい。
『はい、かの魂は私の世界に来て頂こうと思います。新たに身体を与え穏やかに生活できる様にしてもらう事で、詫びようと思います。僕のミスのせいで全てを失わせてしまった・・・。神としてあるまじき行為です。かの魂のフォローを行いながら今回の事を教訓にしていくつもりです』

僕はしっかりとアースガイヤ様の目を見て返答する。

『そのお考えがあるのなら大丈夫ですね』 
アースガイヤ様が優しく微笑みながら言われる。
『かの魂に幸多かれと思います。後はよろしくお願いしますね』
『はい、もちろんです。では、まだまだする事が有りますので、これで失礼します』と、頭を下げて僕はアースガイヤ様の空間から退出した。

『さてと、まずは色々壊した物を復元して・・・。かの魂は女性か、なら身体を作ってと、魔法も魔獣も居ない所から来たんだから大丈夫な様にしないとね・・・。よし、これで大丈夫だ。多少の事があっても怪我一つしないだろう。迷惑をかけた分だけしっかりと保証しないとね』
  そして、神様の過保護が増長した。彼は自分の世界でこれだけの力が異常だと少しも気付く事がなく、あれも必要、これもいるだろうと思い付くままに附与していった。

『後は、生活に必要な物を用意して。あーそうか、乗り物も壊したんだっけ、しかし僕の世界には無いから・・・。う～ん。そうだ！あれなら乗り物にもなるし、話相手にもなるからきっと彼女も寂しく無いだろう』

フェンリルを一匹彼女の従魔に付ける事にした。

ある程度の準備を整えて、僕は彼女の魂を保管してある所に行き、目覚めるのを待った。しっかりと謝らないとね、許してくれると良いけど・・・。

目覚めた彼女はびっくりしていたが、直ぐに落ち着き、僕の話を聞いて、僕のミスを許してくれた。
何て良い人なんだろう！これからもしっかり保護して、僕の世界を楽しんでもらおう。僕は気合いを新たにした。