殺人鬼(サイコパス)との鬼ごっこ

アメ

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1章

おままごと

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 きょろきょろと辺りを見渡していた、男が私のほうを向いた。
 かぶっているパーカーの下からぎらりと鋭い目が見える。
 舞花が、何してるんだろう?と見ていると男は、低い声で言った。
「お前、俺の顔を見たのか?」
 しんと静まりかえった空気がただよう中、すっとんきょうなことを
 言ったのが、舞花だった。
「ねぇ、おじさん。おままごとがしたいの?」
「は?」
 男が何言ってるんだこいつは、と舞花のことを見る。
 だけど、舞花は気にせず言葉を続けた。
「だって、おじさん。おもちゃの包丁持ってるもの」
 舞花のいうとおり、男の右手には、あの安いナイフがにぎられていた。
 それを知らない舞花が、包丁だと思ったのだ。男が、こいつは本当の
 ばかなのだろうか・・・、といわんばかりにあきれた顔をする。
「てことは・・・、おじさん!一緒におままごとしよ!!」
 家のお庭でしようっ!と、舞花が男の服をひっぱる。
 いや、連続殺人犯がままごとだなんて、おかしいだろ。
 でも、こいつ気づいてないっぽいし。
 少し考えて、このままいても警察に見つかるだけかと思いながら、庭に入った。
 舞花が先に入りおままごとセットぽい物を持って出てくる。
「さぁ、おじさん!今日は、何を買いに行く?」
「え・・・?あ、あぁ、ふ、服なんてどうかなぁ?」
 突然、始まったおままごとに男は、動揺しつつなんとか、話しに合わせる。
 はたからみたら、変な光景なのだが
 まぁ、しょうがないということで。
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