殺人鬼（サイコパス）との鬼ごっこ

3章

3章終わり

　いつの間にか夕方になっていた。西日が眩しく、えいまの背中に当たっている。
　逆光でえいまの顔が見れない。そんな中、えいまは話し出した。
「今、捕まえてもおもしろくないと思ったんだよ。もう少し、楽しみたくてね」
　ということは、まだ鬼ごっこは続く＿＿？私達三人は、そう思った。
「もっと、楽しませてね」
　それだけ、言い残すとえいまは、どこかに行ってしまった。えいまがこの場を
　立ち去ってから、大きなため息が生まれた。
「・・・頑張って逃げないとね」
　舞花、立てる？と乃愛が、手を差し伸べてくれる。舞花は、乃愛の優しさに
　心を打たれながら、手を借りた。
「あ、そうだった・・・」
　足の痛みに気づき、舞花は顔をしかめた。早く、フォークを抜かなければ。
　でも、いざ抜こうと思うと、怖くて手が震えてしまった。
　すると、手が伸びてきて＿＿。
「抜くから、我慢しろ」
　説得力のある声に、頷くとすぐに風真が抜いてくれた。怖かったのは、一瞬だけ。
　どうして早く抜かなかったんだろう？と思ったくらいだ。
「じゃあ、えいまが来る前に早く行こっか」
　フォークが抜けたのを、見届けた後、乃愛はそう言った。
　
　まだ、暗くなったばかりで夜が明けるのは、先のこと。
　果たして、三人は無事に逃げ切れるのか＿＿？